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    アンバードール第7話・Living Amber Doll 2025 (2/2)

    9.
    週が明けてダンナの用事が済むと、あたしは伊豆に飛んで戻った。
    ・・無理をしないように。
    ダンナはそれだけ言って送り出してくれた。これから3週間イタリアとアメリカで仕事だって。
    向こうに愛人でもいるのかしら。
    まぁ、構わないわ。ダンナはダンナ、あたしはあたし。

    それより、いよいよアーバンドール三昧の生活。
    色っぽくて綺麗なドールになるんだ。
    お気に入りの衣装と小道具をたくさん持ってきちゃった。うふふふ。

    最初に着たのは、ニューヨークで買った白いイブニングドレス。
    背中が大きく露出していてセクシー。
    前だって、胸の谷間からおへそまで開いているのよ。
    タンクに入ると、長いスカートが空気で膨れ上がった。
    苦労して中の空気を全部追い出した。

    "さ、やってちょうだい"
    NAHGO に頼むと、ネオカクニールが流動してスカートがめくれ上がった。
    まるで足元から強風が吹き上げるかのように、ひらひらと舞って動いた。
    あたしは、できるだけセクシーな表情をして、お尻を突き出し、舞い上がるスカートを前で押さえる。

    いつか見た、マリリン・モンドーの蝋人形。
    あの映画の有名なシーンを再現した姿を見て、あたしもいつか同じ格好をしたいと思っていた。
    自由奔放で、若々しさと、男を誘う色香にあふれる姿。

    "いいわ。固めて。ぎちぎちに"
    「かしこまりました、翔子さま」

    周囲の空間がきらきらと輝き、透明になった。
    全身がぴしりと固まって、動かなくなった。
    あたしは、舞い上がるスカートを押さえるマリリン・モンドーの蝋人形になった。

    あぁ、イイ・・。
    それだけで、子宮が疼くようだった。

    "ねぇ NAHGO、あたし、綺麗?"
    「はい、とても美しくおいでです。翔子さま」
    お世辞と分かっていても嬉しかった。

    あたしは、透明なプラスティックに変わったネオカクニールの中で二日間過ごした。
    自分の姿を眺めて楽しみ、男たちに眺められる姿を妄想して楽しんだ。
    ときどき、とろとろと眠り、目を覚ましては身動きできないエクスタシーを味わった。
    本当に見てくれる人がいたらいいのに、と思った。

    そして三日目の朝、NAHGO にこれ以上は駄目と言われて、タンクの外に放り出された。

    10.
    あたしは別荘に男友達を三人呼んだ。
    あたしのセックスフレンドたちだ。
    みんな、ハンサムでいい身体をしていて、とても頭がよくて、口は悪くて、でも従順だった。

    「いいこと? 今夜はセックスなしよ」
    あたしが言い渡すと、男たちは揃って意外な顔をした。
    「俺たちは構わないけど、翔子は平気なのかい? いつもサカリのついたネコみたいに求めるのは翔子だぜ?」
    「失礼ねっ。・・代わりに、これを使うのよ」
    あたしはLADシステムを見せた。
    「これは、ADIのLADじゃないか」「本物だ」「こんなものを買ったのか」
    驚く男たちの前で、あたしはほくそ笑んだ。

    その夜。
    あたしは、ビキニをつけて男たちの前に立った。
    ティアドロップの小さな小さな紐ビキニ。
    乳首も股間も、親指の幅ほどの布に隠れるだけ。
    隠すというより、見せ付けるためのビキニ。
    男たちがごくりと唾を飲むのが分かった。

    「うふふ。あなたたちはこの身体に触れられない。その代わり、アンバードールになったあたしを好きなだけ見ていいわ」
    「この中で固められて、ぴくりとも動けないんだろ? そんな姿を俺たちに見てほしいのか」一人が言った。
    その言葉に、ぞくり、と感じる。

    「ただのディスプレイとして扱われたいんだよ。この女は」
    「つまり、人間ではなく、モノとして見られたい。・・倒錯しているな」
    「倒錯、というより変態だな」
    ぞく、ぞく。
    男たちの言葉だけで濡れてしまいそうだ。

    「あ、あぁ。そう。・・あたしをモノとして見てくれる。蔑んだ目で見てもいいわ。存分に見てちょうだい。あたしの肌が火傷するくらいに、たっぷり時間をかけて」
    男たちは笑って頷いてくれた。
    あなたたち、よく理解しているわね。あたしの性癖を。

    あたしはタンクに入り、両足を開いて膝をつき、両腕を前で組んでバストを持ち上げるポーズをとった。
    "お願い、NAHGO"
    「かしこまりました。翔子さま」
    あたしはその姿勢のまま、タンクの中央に浮き上がり、そして固められた。

    正面に、自分を見ている男たちが見えた。
    モノ言わない人形になったあたしを見て、喜んでいる。

    いいわ。あたしを鑑賞して。
    あたしの身体を。手足を。おっぱいを。
    すっかり固められて動けない、あたしのすべてを。

    いつの間にか男たちはテーブルを置き、そこにワインとオードブルを並べていた。
    どこで用意したの? そんなお料理。
    こっちを見ながら乾杯している。
    固めた女を肴に、お酒を楽しむの?
    いいわ。素敵な趣味ね。

    男たちの視線を全身に感じる。
    身動きできないあたしに対する、純粋な興味と、優越感と、侮蔑の感情に満ちた視線。
    貶められる感覚。

    ぞくぞく。ぞくぞく。
    あぁ・・、イイ。
    身震いしたくなるほど、イイ。
    でも、ほんの少し震えることだってできない。
    あぁ、たまらない。

    いつの間にか、男たちはその場からいなくなっていた。
    後には空のワインボトルとお皿が並んだテーブルだけが残されている。
    と、一人が目の前に来て、あたしを眺めた。馬鹿にしたような視線。
    すぐに姿が消えた。
    男たちは、ときどき思い出したようにやって来ては、あたしを鑑賞し、そしていなくなった。

    飽きたの?
    それとも、あたしをじらしてる?
    どちらでもいいわ。放置されるのも、お人形の運命だもの。
    アンバードールは鑑賞されるための美術品。
    いつでも見にきて。
    プラスティックの中でいつまでも待ち続けるから。

    果てしない快感と興奮に包まれて、あたしは時を過ごした。
    眼球につけたマイクロディスプレイは一度も使わなかった。
    そんなことをしなくても、動けない人形のまま放置される感覚を味わうだけで十分だった。

    ぞくぞく。
    とろとろ。
    じゅくじゅく。

    「・・翔子さま、翔子さま」
    NAHGO の声がした。
    "・・ああ、今、何時?"
    「5月24日の19時30分でございます」
    "もうそんなに過ぎたの?"
    「はい。2日と23時間が過ぎました。終了なさって下さいませ」
    "お願い。あと10分だけ"

    深く息を吐くような音が聞こえた。
    あのねぇ、機械のくせに溜息つくことないでしょ?
    「分かりました。10分間で強制終了いたします」

    あたしは、ちょっと破滅的な願望に捕らわれた。
    苦しい思いをしたくなったのだ。

    "ねぇ、ちょっと首を締めてくれる"
    「かしこまりました」
    ネオカクニールが一瞬輝いて、喉の下がきゅっと締まった。
    ああっ、 快感っ。

    "もっと強く!"
    「これ以上は頚動脈を圧迫し脳障害を引き起こす危険性があります」
    "ほんの10秒間でいいから"
    「あいにくですが、できません」
    "もうっ"

    「・・時間です。終了させていただきます」
    こぽこぽと小さい音が聞こえた。

    11.
    タンクから出ると、あのテーブルだけが残されていてその上にメモが1枚置かれていた。
    『お楽しみは済んだかい? 俺たちは東京へ帰る。翔子の私書箱にプレゼントを置くよ』

    あたしはスマホで、オンラインの私書箱を見た。
    そこには、一通の文書にメッセージが添えて置かれていた。
    メッセージには
    『ADIのセキュリティはザルだな。どう使うかは翔子次第だ』
    と書かれていた。
    そうだった。男たちは、みんな凄腕のハッカーだった。
    あいつら、あたしがエロエロになってる間にこんなモノを。

    文書のタイトルは『LAD-3021 System Local Operation Manual』だった。
    あたしはそれを翻訳システムで日本語にして、それから中身を読んだ。

    12.
    翌日の夜、あたしは水着を着けてLADのタンクに入った。

    "おはよう、NAHGO。ご機嫌いかが?"
    「おはようございます。翔子さま。私は良好ですよ」
    今は夜なのに、NAHGO は朝の挨拶を返してきた。
    もうログインシーケンスに入っているんだ。

    "チェックID"
    「チェックID」
    "保守モード"
    「保守モード アカウントをどうぞ」
    "ASAS NAHGO 1962-1323-ZA12-Q2313-FF30"
    「確認、保守モードに入ります」

    やった。アカウントは生きていた。

    "OPERATION LOCAL"
    「・・OK LOCAL」
    NAHGO はしばらく静かになって、それから無機質な男声で応答した。
    ローカルモードは、自立分散システムである NAHGO の分散側ノード、つまりこの別荘の NAHGO だけを制御するモードだ。

    "OPERATION, PRESET"
    「OK, PRESET」
    "SAFETY LEVEL 2"
    「OK, SAFETY LEVEL 2」
    "OPERATION, PRESET END"
    「OK、PRESET END」
    "OPERATION, EXIT LOCAL"
    「OK, EXIT LOCAL、・・・ネットワークに再接続しました」
    NAHGO が女の子の声に戻った。

    "保守モードから抜けてちょうだい"
    「保守モードを終了しました」
    うまくいったように見える。
    さあ、大丈夫だろうか。

    "あたしの首を締めてくれる"
    「かしこまりました。翔子さま」
    ネオカクニールが一瞬輝いて、喉の下がきゅっと締まった。

    "もっと強く"
    「かしこまりました」
    ぐがっ!!
    喉の下がさらに強く締まり、一瞬目の前が暗くなりかけた。
    "あぁっ、止めて!"
    「はい」

    "・・ありがとう。今日はこれで終わるわ"
    「かしこまりました。翔子さま」
    ネオカクニールがあたしをタンクから押し出した。

    13.
    どき、どき、どき。
    心臓が今までにないくらいに激しく鳴っていた。
    うまくいったようだ。
    あたしは、NAHGO のセーフティレベルの書き換えに成功したようだ。

    あたしはまる一日眠り、十分な栄養を取って、これからのことに備えた。
    赤いレザーと首輪のボンデージを身体に着けた。
    首輪には短い鎖が繋がっていて、その鎖に皮製の手枷がぶら下っている。
    それから、皮の足枷を持ってタンクに入った。
    まず足首に足枷を、それから手首に手枷を掛けてロックした。
    どれもプレイ用のおもちゃだけど、女の力で引きちぎれるものではない。
    ロックを開錠する鍵は、部屋のテーブルの上だ。
    つまり、タンクから出ない限り、手足の拘束を解くことはできない。

    さ、行こう。
    あたしは、ネオカクニールの中で姿勢を決めた。
    自由を奪われ、助けを求めるように天を見上げるポーズ。

    "固めてちょうだい、NAHGO。あたしを固めて、あらゆる自由を奪って」
    「かしこまりました。翔子さま」

    あたしを囲むネオカクニールが、一瞬輝いて、固体になった。
    あたしは透明プラスティックの中に浮かぶ、奴隷女のアンバードールになった。

    "命令するわ”
    「はい、翔子さま」
    "あたしから指示しない限り、そしてあたしが命を保っている限り、永遠にあたしを飾っておくこと」
    「かしこまりました」
    NAHGO はすぐに返事した。

    Living Amber Doll

    14.
    それからどれくらい時間が過ぎたのか、分からなかった。
    あたしは、自分の姿に見とれ、手足を拘束された奴隷になっていることに興奮した。
    そして、固められて身動きできないこと、そしてそのまま無人の部屋の飾り物になっていることに、ぞくぞく感じた。

    NAHGO は真珠の泡のようにネオカクニールをきらきらと輝かせてくれた。
    あたしはその光の中で自分の姿に見とれた。

    あぁ、イイ。
    あたし、アンバードールだ。
    固くて透明なプラスティックに封印されたアンバードール。
    永遠に美しいアンバードール。

    "ねぇ、あたし、綺麗?"
    「はい、とても美しくおいでです。翔子さま」

    ぞく、ぞく、ぞく。
    とろ、とろ、とろ。
    じゅく、じゅく、じゅく。

    ・・ただのディスプレイとして扱われたいんだよ。この女は。
    ・・人間ではなく、モノとして見られたい。
    ・・倒錯しているな。
    ・・変態だな。

    男たちの言葉を思い出しては何度も反芻した。

    ぞく、ぞく、ぞく。
    とろ、とろ、とろ。
    じゅく、じゅく、じゅく。

    あたし、綺麗だ。
    人間なのにお人形で、変態の奴隷女で。
    アンバードールで、じゅくじゅくしていて。

    "ねぇ、あたし、綺麗?"
    「はい、とても美しくおいでです。翔子さま」

    あぁ。ふぅ・・。

    15.
    [ロイダー]
    LAD (Living Amber Doll) システムを販売するADI社は、6月に日本で発生した事故を受けて、システムの安全性と信頼性向上対策を発表した。
    この事故は、顧客女性が自宅に設置したLADシステムをハッキングして、安全性のプロテクトを解除したために発生。
    定期メンテナンスで訪問した同社社員が、約3週間に渡りアンバードールになったままの女性を発見した。
    この事故により女性は軽度の脳障害と心因性ショックのため、現在も入院中。
    同社は、この対策で同様な事故を防止し、アンバードール体験をより安全かつ身近に楽しめるとしている。

    [共働通信]
    日本ADI社は、中止していたLADシステムの国内販売を12月1日から再開すると発表した。
    銀座ショールームもリニューアル・オープンし、リビング・アンバードールの常設展示とアンバードール体験サービスを再開する。
    さらに今後1年間、人気女性アイドルグループIKB58とのタイアップで 『LADラグジュアリーキャンペーン』 を開催。
    同グループによる初のTV-CFとアンバードールをテーマにした新曲PV、ショールームの展示にもIKB58選抜メンバーを使ったリビング・アンバードールが定期的に登場する。さらに営業面においてシステム価格の大幅割引や法人向けリースなど積極的な施策により、新たな需要を掘り起こすとしている。




    ~登場人物紹介~
    鎌倉翔子: 30才。宝飾店経営会社の社長夫人。別荘に設置したLADシステムにのめり込む。
    男友達: 25~35才くらいの3人。翔子のセックスフレンド。凄腕のハッカー。
    島崎だいや:17才。女性アイドルグループIKB58のメンバー。通称 "だるる"。
    ニノミヤ: 女性レポーター
    赤塚: ADI社エンジニア
    NAHGO(ナーゴ):LADシステムのコミュニケーションインタフェース。

    世の中はGWの最中です。
    皆様、いかがお過ごしでしょうか。
    今回は、アンバードール設定の『11.未来のアンバードール』に記した、LAD(Living Amber Doll)が実現した未来のお話です。
    シリーズの中では最もSM色が強くなりました。
    女性を生きたまま固めてアンバードールにするシステムですから、Mっ気の強い女性が虜になるのは当然といえば当然ですが。
    いろいろな設定や技術は例によってファンタジーなので、突っ込みは無しの方向でお願いします^^。
    夢の物質ネオカクニールもさることながら、コンタクトレンズに内蔵するマイクロディスプレイなんて実用化できたら世の中を変える大発明ですね。
    (電源とかどうなってるんだろう?)

    さて、アンバードールは次回で最終回とします。
    読者の皆様の評判も気にせず作者の萌えだけで突っ走ってきたシリーズですが、お付き合い下さった皆様に感謝します。
    ありがとうございました。




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    No title

    今回の話を読んで、どこか覚えがあると思ったら、第5話・百年人形で私が書き込んだコメントの内容みたいなお話ですね。

    Re: No title

    へぇ?

    Re: No title

    ◎とうめいさん
    失礼しました。
    LAD(Living Amber Doll) は、第5話コメントでお書きになられたような、元の女性の意志がドールに憑依するものとは違いますよ。
    LADは、一種のプレイで、絶対死なないと分かってドールになった気分を楽しむお金持ちの道楽です。
    もちろん本話のように安全性のプロテクトを破られれば、危険も生じますけどね。
    この女性はある種の破滅願望抱いたM女さんだったという訳で。

    # 今回は分かりにくかったですか??


    No title

    話しの内容というより、翔子さん思考がドール化して記憶に残るほうが~みたいな考え方の人だったので、第5話・百年人形で私がコメントした「この世界でもそう考えている人達が多いのでは?」に覚えがあったという感じですね。

    Re: No title

    ◎とうめいさん
    なるほど。
    確かに、翔子さんは、残りの人生を捨てても綺麗なうちにアンバードールになりたいと望んでいますね。
    ナルシズムの人なので美しさを賞賛されれば喜びますが、彼女自身は、特に人の記憶に残りたいとは思っていないかも。
    もし将来、翔子さんのドールを所有する人がいて彼女と心を通わせたとしたら、機嫌を取るのには苦労するでしょうねww。


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    女性の拘束に関わる小説/SSと
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