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    アンバードール第6話・僕の計画(1/3)

    1.
    ネットバンクの残高がいつの間にか5千万円を超えていた。

    中学生の僕がどうしてそんなお金を持っているのか。
    話題のFXなんかで稼いだんじゃない。あれは所詮ギャンブルだ、
    ギャンブルなんて絶対に儲かるのは胴元だけと少し考えればすぐに分かる。
    このお金は趣味で作っているスマホとケータイアプリの売上と広告収入だ。

    小4のとき、簡単なゲームを作ってネットで公開したら10万DLを記録した。
    これならお金を払ってもいいいと感想をもらって、バージョンアップ版を有償で公開したら3ヶ月で13万円も売れた。
    それからはずっとゲームを作ってきた。
    中2になった今では毎月200万円くらいの収入がある。

    僕が人気ゲーム作家であることは誰も知らない。
    両親は、僕が学校でいい成績さえあげていれば、他に何をしようと気にかけない。
    僕の趣味を知る友人もいない。
    別に知られたって構わないけど、それでとやかく言われるのは嫌だ。
    僕は優秀だ。才能があって、その生かし方も知っている。
    一番嫌なのは人に干渉されること。
    だから、僕のやっていることは誰にも知られないのが都合いい。

    ただ、僕が大金を稼いでいると分かったら、いろいろ面倒なことになる。
    このお金はそろそろ何とかしないといけない。
    どうせなら一気に使ってやろうと思った。
    未練はなかった。
    お金なんて、勝手に貯まるものだから。

    僕はネットで調べた。
    目立たないお金の使い方。僕が満足できる使い方。
    そしてあるサイトにたどり着いた。
    それは『アンバードールを手に入れよう』というサイトで、合法/非合法問わずいろいろなアンバードールの入手方法を解説したサイトだった。

    アンバードールは人間の女性を小さく縮めてクリスタルガラスの中に入れた、とても高価な美術品だ。
    僕は昔からアンバードールに興味があった。
    人間を美術品にする。それを思うだけで興奮した。
    いつかきっと自分もアンバードールのオーナーになるつもりだった。
    でも、よく考えたら僕はもうドールを買えるお金を持っているんだ。

    僕は中学生だから、アンバードールの所有免許を取れない。
    それにドールショップで合法的に購入するためには、本人の職業や資産を保証する信用情報も必要だ。
    でも『アンバードールを手に入れよう』の記事を読んだらいろいろな抜け道はあるようだ。

    やってみようと思った。僕もアンバードールを手に入れよう。
    ただ買うだけじゃ面白くない。
    僕が知っている女の子をアンバードールにするのはどうだろう。
    そうだ。それがいい。
    そう思った瞬間、一人の同級生の顔が浮かんだ。

    2.
    あれは2年の1学期が始まってすぐの頃だった。
    僕は放課後の教室にいた。
    一緒に遊ぶ仲間もいないから、一人残って本を読んでいたのだ。

    前の扉が開いて女子が入ってきた。
    「あれ、船田くん・・?」
    同じクラスの斎藤つかささんだった。
    白い体操シャツとテニスのスコートを着ている。
    うちの中学の女子の制服は膝丈のスカートだし、体操服はハーフパンツだから、普段は見れない斎藤さんの足がまぶしく見えた。

    「そんなとこに一人で、どうしたの?」
    誰もいないと思っていたんだろう、斎藤さんが怪訝な顔で聞いた。
    「どうしたのって、本読んでるだけだよ。・・斎藤さんは?」
    「ちょっと、忘れ物」

    斎藤さんは僕のひとつ前の席まで小走りで来ると、机を開けてポーチを出した。
    こっちにお尻を向けて腰だけ曲げて屈んだから、短いスコートの裾から中身が見えた。
    柔らかいマシュマロのような太ももとお尻、そしてそのお尻に半分食い込んだ白いパンツ。
    手を伸ばせば触れる距離だった。
    僕の目はそれを凝視したまま動かなくなってしまう。

    斎藤さんは立ち上がってから僕の視線に気付いた。
    「あ・・、もしかして見えた?」
    「うん、見えた」
    斎藤さんの顔がみるみる赤くなる。
    「ご、ごめんなさいっ。変なモノをお見せしちゃって」
    「別に変じゃないよ。テニスの服でしょ」
    「そ、そうだけど、アンダースコート穿かずに来ちゃったから・・。ああ恥ずかしっ。じゃ、ね」

    斎藤さんはそう言うと、教室を走って出ていった。
    それから僕が斎藤さんと会話したことはない。
    でも僕の中には、斎藤さんの太ももとお尻のイメージが今でもくっきりと残っているのだ。

    3.
    僕のアンバードールになる女の子。
    それは斎藤さんだ。
    髪をポニーテールにくくっていて、テニス部で、足が綺麗で、成績もよくて、友達がたくさんいる斎藤さん。

    その斎藤さんをアンバードールにする。
    もちろんクローンなんてニセ物じゃない。
    あくまで斎藤さん本人でドールを作って、それを僕の持ち物にするんだ。
    合法的に、絶対に捕まらない方法で。

    ぞくぞくしてきた。これはゲーム作りより面白いぞ。
    僕は斎藤さんのことを調べた。
    趣味や誕生日、斎藤さんが本名と違う名前で持っている Poitter のアカウントも見つけた。
    それから、サイト『アンバードールを手に入れよう』の管理者に、中学生とばれないように注意しながらドールの入手方法を質問した。
    その人は違法なことは教えられないとしながらも、法律に触れないぎりぎりのことまで教えてくれた。

    冬休みいっぱいかけて計画を練った。
    ロードマップとイベントを設定し、シナリオを作った。
    ゲームを作るよりずっと刺激的で楽しかった。

    4.
    1月のある金曜日の朝。
    この日は最初のイベント、斎藤さんの誕生日だった。
    僕は校門の前で待っていた。

    やがて斎藤さんが女子4人のグループで登校してきた。
    僕は他の女子には目もくれず、斎藤さんの正面に走り寄る。

    「おはようございます、斎藤さん!」
    「船田くん? おはようございます」
    今まであまり話したことのない男子から声をかけられたからか、斎藤さんは少しとまどいながら挨拶してくれた。

    「僕、いつも斎藤さんを見てました。これを機会に告白します。あなたが好きです、この手紙と誕生日のプレゼント、受け取ってください!」
    そう言って、封筒を添えた小箱を差し出した。

    「え?」斎藤さんの顔が赤らむ。
    「返事は後で結構ですから」
    「あ、はい・・」プレゼントを受け取ってくれた。
    「ありがとうございましたっ。じゃあ、また!」
    僕はくるりと向きを変えて、校舎に向かって歩いて行った。
    きゃ~♥!!
    後ろから女子グループの歓声が聞こえた。

    よし。これでいいだろう。
    手紙は、ありきたりのラブレター。
    プレゼントは、ネットの通販で購入したブランドものの香水だ。
    次はきっと彼女の方から声をかけてくるはずだ。

    5.
    月曜日。
    予想通り、僕と斎藤さんのことは学校中の話題になっていた。
    手紙を渡したときに、他の女子がいてくれたことが功を奏していた。
    放課後、斎藤さんが話をしたいと言ってきた。
    僕たちは皆にはやし立てられながら教室を出て、体育館の裏に行った。

    「こんなすごいもの、受け取れません」
    斎藤さんは香水を返してきたのだった。
    「え・・、」僕は顔面を蒼白にする。
    「僕、この香水ならきっと斎藤さんに合うと思ったのに」
    「気持ちは嬉しいけど、・・わたし、中学生なのに、こんな高価なプレゼントは」

    「ごめんなさい!」
    僕はその場で顔が膝につきそうなくらいに頭を下げた。
    「僕、自分にできる精一杯のことをしたくって、斎藤さんの迷惑も考えずに、・・本当にごめんなさい!!」
    「いや、迷惑ってことは」
    「いいえっ、本当にすみません。僕、そのプレゼントを引き取って、斎藤さんのこと、諦めます!」
    「あ、その、プレゼントが困るだけで、わたし」
    僕は顔を上げた。
    斎藤さんは僕と目が合うと、はっと顔をそらした。困った顔をしてもじもじしている。

    「あの・・」僕は言った。
    「プレゼントが迷惑だったら、代わりに1度でいいからデートしてもらえませんか?」
    「デート、ですか?」
    「はい。僕、斎藤さんみたいにモテないから、楽しんでもらえるかどうか分からないけど」
    「えー、わたしだって、もてないよー」
    「本当? 斎藤さんだったらデートなんて、いくらでもしてるのかなと」
    「そんなこと、ありませんってば」
    「そう? じゃあ、僕、約束します。今度のデートで、絶対に斎藤さんを喜ばせます」
    「そんな約束しても大丈夫?」
    「はいっ」
    僕は自信たっぷりに返事した。
    別に自信がある訳じゃあない。でも、こういうときはウソでもそう言うべきなのだ。

    にこり。
    斎藤さんが微笑んでくれた。
    「分かりました。じゃあ、デートのお誘い、受けます」

    6.
    次の日曜日。
    僕たちは水族館に行った。

    水族館に行こうと言ったら、彼女は目を輝かせた。
    「わたし、水族館が大好きなの、どうして分かったの?」
    「いいえ、知らなかったです。僕も水族館が好きだから」
    「じゃあ偶然?! すごいーっ」

    斎藤さんが笑った。
    もちろん僕は彼女が水生の生き物を好きなことは知っていた。
    それくらい、斎藤さんの Poitter を見ていればすぐに分かる。

    「・・ほら、マンボウ!」
    斎藤さんが水槽の中にマンボウを見つけて喜んだ。
    「マンボウって、水面でぺたって横になって寝るって本当?」
    「本当よ。ぷかぷか浮かんで眠るんだって」
    「無防備なんだね」
    「それがいいのよ」
    僕の知識は彼女の好みに合わせた一夜漬けだ。
    でも話が弾んで斎藤さんは楽しそうだった。

    「船田くんって、学校じゃいつも一人でいるでしょ? だから難しい人かなって思ってた」
    「ええ? そうかな」
    「うん。でも話したら面白い人なのね」
    本当は一人でいるのが一番好きだ。
    でも今はゲームの知識とかを使って自分を偽っている。斎藤さんを攻略するために。

    別れ際にまたデートしてくれるか聞いたら、「こちらこそお願いします」と言われた。
    僕たちは、互いの Poitter を教えてフォローし合うことを約束した。
    僕のアカウントはゲーム作家として今まで持っていたものではなく、斎藤さんのために新規に開設したものだ。

    僕は自己紹介欄に『好きな物:Aquarium、Amber Doll』と書いておいた。
    斎藤さんは気づいてくれるだろうか?

    7.
    バレンタインデー。
    斎藤さんがチョコをくれた。
    「これ、本命チョコって思ってもいい?」僕は彼女に聞く。
    「さあ、どうでしょう」
    「どうせ、たくさん配ってるんでしょ」
    「うん、女の子同士はね」
    「男子には?」
    「これ1個だけ」

    斎藤さんは、男付き合いの経験がそれほどある訳じゃなかった。
    面と向って告白されたのは、僕が初めてだったという。
    「みんな、あたしのこと、遊んでるみたいに思ってるんだもの」
    「違うの?」
    「男の子とデートなんて、船田くんが初めて」

    意外だったけど、僕は斎藤さんがウブでよかったと思った。
    きっと僕の望み通りになると確信した。

    8.
    僕たちはデートを重ねた。
    斎藤さんは明らかに僕に好意を抱いてくれている。
    ホワイトデーにクッキーとハンカチを贈ったら、ずいぶん喜んでくれた。
    やがて僕たちは学校でも堂々と二人で話すようになり、公認の仲になった。

    9.
    春休み。
    二人で映画『アリス』を見た。
    小さな女の子が不思議の国に落ちるファンタジーだ。
    アニメではなく実写の映画で、登場する不思議の国の住民たちもリアリティーがあって面白かった。

    これを見ようといったのは僕で、その理由は、この映画には斎藤さんに見せたい場面があるからだ。
    それは、女王様の機嫌を損ねた娘たちが次々と人形に変えられて透明な殻の中に閉じ込められるシーンだった。
    アンバードールだった。
    娘たちはアンバードールになったのだ。
    『アリス』の舞台は17世紀。まだ縮小技術は発明されていないから、等身大のドールだ。
    何人もの美女が琥珀の中に浮かぶシーンは印象的だった。

    映画館を出てから斎藤さんに聞いた。
    「ね、トランプの女王が魔法を使ったシーンがあったでしょ」
    「女の子が人形にされるところ? すごかったねー」
    「あれ、アンバードールって言うんだ」
    「え? アンバードールって、もっと小さいものじゃないの?」
    「あの頃は等身大のままで作ったんだよ。今みたいに小さく縮めるのは、ずっと後に発明された技術」
    「詳しいのねえ。そういえば、船田くんの Poitter、プロフィールにアンバードールが好きって書いてたね」
    「見てくれたの?」
    「前から見てたわ」

    自然とアンバードールの話になった。
    「わたし、船田くんのプロフィール見てネットでアンバードールを検索したけど、エロいっていうか、すごくエッチなものばかり出てきてびっくりしちゃった」
    「エロかった?」
    「こういうのが好きなんて、船田くんも男の子なんだなって思ったわ。すごく真面目そうなのに」
    「失礼だなー。斎藤さんが見たの、通販のサイトでしょ?」
    「え?、そうかも」
    「じゃあ、それはアンバードール風フィギュアだよ。本物のアンバードールは通販なんかじゃ買えないから」

    そう。『アンバードール』と入力して検索したら、『アンバードール風』と称する美少女フィギュアがたくさんヒットする。
    アンバードールに似せて、透明アクリルに埋め込んだリアルフェースタイプのフィギュアが大人気なのだ。
    それらのほとんどは、やたら露出度が高くて、挑発的なポーズをとっている。

    「本当のアンバードールにだってセクシーなのはあるけどね、絶対に下品じゃないよ。だいたい男よりも女の愛好家の方が多いくらいなんだから」
    「船田くんは本物のアンバードールを見たことあるの?」
    「うん、あるよ」
    嘘だった。僕だって本物はネットの写真でしか見たことがない。

    「あたしも見てみたいけど、ちょっと怖いな」
    「どうして?」
    「だって、・・人間の死体でしょ?」
    「それは大丈夫。ぜんぜん怖くないし、ものすごく綺麗だから」
    「本当?」
    「博物館に行けば本物が見れるよ。行ってみる?」
    「うん。船田くんが一緒に来てくれるなら」

    続き




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