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    キョートサプライズ セカンド・特別編2(5/5) セピア色のフォトグラフ

    25.再会
    木箱の外でがさがさと音がした。
    カチャカチャと鍵を開ける音。
    箱と蓋の隙間から光が差し込んだ。
    ・・眩しい!
    思わず目を閉じる。

    どれくらいの時間、閉じ込められていたのだろうか。
    真っ暗な箱な中で完全拘束。
    何も見えない、聞こえない。何の自由もない。
    最初は恍惚となった。
    ふわふわしたクッションのおかげで、背中で固定された腕も痛くなかった。
    誘拐されたみたいなシチュエーション。
    この、ぞくぞくする被虐感。

    やがて暑さと閉塞感にさいなまれる。
    口の詰め布と猿轡のせいで、十分な呼吸もままならない。
    いったい、いつになったら出してもらえるのか。
    あかん、もう限界!!
    そう思ったところで、箱の蓋が開いたのだった。

    「すごい格好やな」
    !!!
    「んんんっ!!(昂輝っ!!)」
    「もしかして、今、俺の名前呼んだ?」
    「ん~!!!」

    目の前に津田がいた。真由を見下ろして笑っている。
    最後に会ったときより、ずっと日に焼けて逞しくなっていた。
    「んんんっ、んんんっ!!(昂輝っ、昂輝っ!!)」
    津田は真由を木箱から出して、縄と猿轡を解いてくれた。
    「ああああああっ!!!」
    真由は大声で泣きながら津田に抱きついた。
    泣くだけ泣いてから、二人はキスをした。

    ・・いつ帰ってきたの?
    ・・今日。ホンマはお前のショー、最初から見るつもりやったけど、飛行機が遅れて。
    ・・何でショーのこと知ってるの。
    ・・緊縛研究会に行ったって、知らせてくれたやろ。何してるのか曽爾に尋ねたんや。そしたら、発表会で真由を縛ってくれる、ゆうことになって。
    ・・曽爾くんも共犯やったのか。
    ・・アイツよりも、アイツのヨメはんの方が心配してくれてたらしいで、俺らのこと。
    ・・篠田先生が?
    ・・お前、先生の前で俺のこと、ぼやいたやろ。真由のこと大事にせえ、ゆうてメールで怒られた。
    ・・そうか。なら、このイリュージョンも、最初から昂輝と会わせてくれるため?
    ・・そうや。お前をここまで運ぶの、大変やってんで。トラックで来たけど、渋滞で。
    ・・ここは?
    ・・キョートサプライズっていうビル。この部屋、誰ものぞいたりせえへんから、何しても構へんでって。
    ・・あほ。

    真由は笑った。
    コイツ、逞しくなっても、中身は変わってない。

    ・・それにしてもお前、変わったなぁ。
    ・・そうかな? あたしはあたしのままやで。
    ・・そやかて、お前がそんな格好するやてなぁ。興奮するわ。そんなパンツ穿いて、その縄の痕も。
    ・・わぁ~っ、そんなスケベな顔して見るなぁ。

    真由はわめきながら、津田の目から逃れようとする。
    確かに、今、自分はすごい状態だった。
    極小のビキニパンツ。全身に刻み込まれた縄目。
    津田が喜ぶのは当然だった。

    「な、せっかくやし写真撮らせて」津田は自分のスマホを出して構えた。
    「きゃ、あほ! あかん~っ」強引にポーズをとらされて写真に撮られてしまった。
    「むふふふふ」
    津田はスマホの画面を見ながらご満悦である。
    そこには、真っ赤な顔をして、片手を頭の後ろに、もう一方の手を腰にあてた真由のビキニ画像が表示されていた。
    「すぐに消すんやで!!」
    「まぁまぁ。・・そや」
    津田は胸のポケットから写真を出した。
    「これ、お前の鞄からこぼれたんやけど、真由、こんなん持ち歩いてるんか」

    あ、それ。
    真ん中をテープで繋ぎ合せた写真だった。
    一度破いて、テープで貼った、セピア色の写真。

    「何で貼り合わせてんねん」
    「昂輝のこと、キライになったから」
    「ええっ!!」
    「ウソ。キライになんかなってないよ。・・それはちょっとした事故で切れただけ」
    「そうなんか?」

    二人は黙って写真を見た。
    やがて津田がぽつりと言った。

    「ええ顔で笑ってるなぁ」
    「うん」
    「これからも、笑いながらやっていきたいな」
    「うん!」

    26.指輪、そして縄
    津田はポケットから小さな箱を出した。
    「渡すモンがある」
    「?」
    「俺ら、もうすぐ29や」

    そうか。この間28かと思たら、もう29才か。
    あの同窓会から、もう1年。
    真由は津田に渡された箱を開けた。
    それは指輪だった。

    「長いこと待ってもろたな。俺の相手はお前しかおらんって言うてから」
    「・・」
    「結婚してくれるか」
    「・・・」
    「わぁっ、お前っ。どないしたんや!?」
    真由の目に、涙がぼろぼろ流れ出したのである。
    「お、お前、ずっと縛られてて、具合悪うなったんとちゃうか!?」
    「うるさい! 昂輝っ。ちょっとくらい乙女の気持ちを理解せぇ~っ」

    やがて、二人はもう一度抱き合って、キスをした。
    さっきよりも、ずっと深くて長いキスだった。

    「あのね、変なこと言うけど、軽蔑しないでね」
    「せぇへんよ」
    「あたし、また昂輝に縛られたいって、ずっと望んでた」
    「へ?」
    「もし昂輝の奥さんになれたら、いつも息もできないくらいに緊縛して欲しいって思ってた」
    「お前、」
    「あ~、軽蔑してるぅっ。マゾ女が恥ずかしいの我慢して告白してるのにぃ~!!」
    「ごめん、ちょっと驚いただけや。軽蔑なんて絶対にしてへん」
    「ホント?」
    「ホンマや。・・なら俺も告白する」
    「?」
    「もし、真由と一緒になったら、ずっと緊縛したいって思ってた」
    「昂輝!」
    「そやから心配せんでもええ。俺はマゾの真由のこと、大事に縛る」
    「嘘やないね? どんなに忙しくても、ちゃんと毎日よ?」
    「ま、毎日か? ・・分かったっ。約束する」
    「緊縛の勉強もちゃんとして、もっともっと上手になってね」
    「よっしゃ! 曽爾に習って、俺も縄師と呼ばれる男になるっ」
    「それから、えーっと、どんなに許してって言っても、3回までは縄を解かないで、あたしを十分苦しめること!」
    「お、おおっ」
    「それから、それから・・」

    やがて二人は同時に笑い出した。
    おかしくて仕方なかった。
    ようやく笑い止むと、同じタイミングで言った。
    「縛ってくれる?」「縛らせてくれる?」
    二人は協力して床に落ちた縄を拾って、言った通りのことをした。

    Be Happy !!



    ~登場人物紹介~
    江口真由: 28才 OL。本話主人公。津田との超遠距離恋愛に悩む。
    津田昂輝: 28才 真由の恋人。海外赴任中。
    志賀雄二: 28才 会社員。妻の聡美と共に曽爾の緊縛研究会メンバー。
    志賀聡美: 28才 専業主婦。元クラス副委員長。雄二とラブラブ夫婦。
    富沢ほのか: 28才 漫画家。
    曽爾(そに)則之: 28才 学習塾講師。元クラス委員長。プロ縄師を目指す。緊縛研究会主宰。
    曽爾智佐子: 33才 曽爾の妻。元3年4組クラス担任教諭。
    大和田新菜(にいな): 20才。 緊縛研究会最年少メンバー。

    大変長らくお待たせしました。
    久しぶりのキョートサプライズです。
    シリーズで最も未来のお話、そしてKSの現メンバーが誰も登場しないKSですww。
    特別編としましたので、従来の『第0話特別編』は『特別編1』に名目を変更しました。

    今回は難産でした。
    3年4組の生徒達に思い入れがありすぎるせいか、盛り込みたいエピソードが多すぎて、一時収集がつかなくなりました。
    思い切ってばっさり整理しましたが、それでも当ブログ初の5ページ分のボリューム。
    最後までお読みいただいた皆様には感謝申し上げます。

    第8話で活躍した凪元有咲ちゃんと丸尾瞳ちゃんはどうなったのか、と心配になった方もおられるかもしれません。
    全体量の関係で彼女たちの出番はなくなりましたが、二人は元気です。
    同窓会にもちゃんと出席していて、女子グループの中で、けらけら笑っていたはずです。
    KSのEAを続けているのかどうかは、分かりませんけどね。

    ここで、タイトルになり挿絵にも描いた、真由ちゃんと津田くんの写真の元ネタについて記します。
     ”一度破いて、テープで貼った、セピア色の写真”
    松田聖◯さん(伏字の意味なしww)が好きな方なら、これだけで分かりますね。
    このエピソードは彼女の名曲をモチーフにしています。
    80年代、彼女がメジャーになったとき、歌はあまり上手でない(失礼^^)ながら、楽曲の良さ、特にシングルのB面曲やアルバム曲に佳曲が多いことに驚きました。
    これはそんな曲の一つで、確かドラマの挿入歌か何かでした。
    後年、自分でSS/小説を書くようになったとき、この曲をイメージしたお話を書きたいと思うようになりました。
    同窓会のシーンから始まって、参加者の過去を振り返るストーリー。そして、二人の写真を破いて、再びテープで貼り合わせるエピソード。
    しかし、思うことが何でもできるほど、世の中も自分の才能も甘くありません。
    このアイディアは、自分の中で長年抱いたまま、塩漬けになっていたのでした。

    緊縛お化け屋敷を書いたとき、3年4組の彼らと別れるのは惜しい気がして、彼らなら同窓会をやれるではないかと考えました。
    そうして、いつか続編を書くときのために、お話の最後で曽爾くんに緊縛の勉強をしてもらうことにしたのでした。
    こうして本話で長年の構想をようやく実現することができました。
    本話のタイトルにした『セピア色のフォトグラフ』も元々はそのまま『蒼い~』で行くつもりでしたが、検索などにかかるものよろしくないかと直前に変更したのでした。

    実はお話のプロットを作るとき、この曲の歌詞に合わせて、二人を別れさせようかとも思いました。
    そして、いつかどこかの街角でばったり再会して「変わらないね」って言わせる。
    さぞかし甘酸っぱいシーンになったでしょうね。
    ハッピーエンドにしてしまったことを唯一悔む理由です。

    ・・長々と語ってしまいましたね。
    この曲は、YouTube などでもアップされているようですから、ご存知ない方は一度検索して聴いてみて下さい。
    ちなみに作曲者も、おおっと驚く方ですヨ。

    さて次回のキョートサプライズはかねてご案内の通り、最終回となります。
    できるだけ遅れないよう、頑張りたいと思います・・。
    ありがとうございました。




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    非公開コメント

    No title

    第8話でお化け屋敷やっていたクラスの物語ですね。皆10年後も仲良くていいですね。イリュージョンはやはりKSならではです。KSメンバーが登場していませんね(笑)次回でKS2部最終回。どんな物語になるのやら楽しみです。管理人に質問なんですが、いままでの連載してきたKSでお気に入りのキャラクターとかいますか?私は鈴木さんが好きですね。おっとりしつつ明るい性格が気に入りました。そして、巨乳です(笑)脱いだら凄いんだろうなぁ・・・

    Re: No title

    ◎とうめいさん
    いつもコメありがとうございます。
    今回、イリュージョンはオマケで主役じゃないですねぇ。
    一番好きな女性キャラは、何度か後書きで書いたような気がしますが、佳織さんです。
    鈴木さんは、第2部では歳相応に大人びて落ち着きましたけれど、以前は超マイペースの天然娘でした。
    第1部の第12話など、とうめいさんはお好きですか?

    No title

    確かにイリュージョンの演出は少なかったけれども、イリュージョンと緊縛がKSらしくて好きですね。KS1部から読んでるので、もちろん好きですよ。1部で天然だった彼女が、2部でおっとりしつつ、はきはきしていたのがいいですね。だからこそ「いや~んえっち」とか言いながら焦らすセクシーイリュージョンがはまり役だと私は思います。と書いても次回で最終回なですけどね(笑)

    Re: No title

    ◎とうめいさん
    登場キャラクターの成長を気に入っていただけるのは、作者として嬉しいです^^。
    あいにく最終回でセクシーイリュージョンはないです。ごめんなさい。
    まあ、新人のEAさんが出るので、彼女にはお約束の薄着をさせて恥らわせようとは思います。

    6月15日コメントの方へ

    (少々、長くなります)
    コメントありがとうございました。
    はい。次の題材はご推察の通りです。
    宣言したことは必ずやりますし、できるかどうか分からないことには触れませんから。

    ネットで作品を発表しておりますと、皆様からコメントをいただくことは大いなる喜びです。
    本来でしたら、貴コメントに対しまして返答さし上げるべきところですが、まず今は、コメントの公開を含め差し控えさせていただきます。

    拙サイトも多くの方にご訪問いただくようになりました。
    緊縛やイリュージョンなどの内容に興味をお持ちの方、ストーリー展開が気になる方、登場人物の性格や心理表現に惹かれる方、いろいろな方がおいでです。
    お一人おひとり、大変ありがたく大切なお客様です。
    もしかしたら、一部の(または多数の)皆様は、貴方と同じく、今までの私の文章をよくお読み下さって、次作のネタを予想されているかもしれません。
    しかし、今の段階で私がそれに触れることは、そんな皆様のワウワク感を奪い、実際に作品をお読みいただく楽しみを損なってしまうと考えます。
    私は自分の作品がそれほど立派なものだとは捉えていませんが、それでも最低限守るべきマナーだと思います。

    今回のコメントは、決して詮索するおつもりではなく、ただそのネタがお好きだからお寄せいただいたと解釈しております。
    創作者としての私は、ご見解の一つひとつにお答えしたくて仕方ありません。
    ただ、サイト管理者としての私が、それを止めさせています。
    貴コメントは、当該作品をアップした後に公開して私の返信も載せることをお約束しますので、それまでお待ちくださるようお願い申し上げます。
    今後、ディープなネタは、そのネタを扱う作品の後か、または公開を前提としたコメントではなくメールでお寄せ下さい。
    メールアドレスを私に知られたくなければ、pixiv のメッセージなんて手もありますよ~。

    あぁ、とうとう強権発動してしてしまいました。
    こんなことをすると、コメント投稿のハードルが高くなって、多くないコメントがさらに減るかもと恐れます。
    ネタの希望やリクエストが駄目と言ってる訳じゃないですからねっ。

    No title

    私もワウワク感を楽しむ人間なので、管理人の考え方に同意です。たしかに、イリュージョンや緊縛などシチュエーションは人それぞれですからね。よく考えてみれば、私の好きなセクシーイリュージョンもここに書くべきではなく、ディープなネタなので管理人のメールかpixivにコメントすべきでしたね。管理人は立派だと思います。少なくとも私はそう思います。多くないコメントの内の一人ですが、これからもガンガンコメントしていきたいと思います。

    Re: No title

    ◎とうめいさん
    要は、他の人もいるからネタバレになることは勘弁してね、というだけなんです。
    そういう状況でない限り大抵のコメントを拒むことはありません。
    ご意見ご感想のコメント、お待ちしています^^。
    メールでしたら、ネタバレ云々の気遣い不要ですから、ディープにお付き合いしますよ~。
    (波長の合うネタでしたら)

    ◎非公開コメ様
    お気遣いありがとうございます。
    今後も、ご意見お寄せ下さい。
    ただ非公開コメントですと、私からの返信表現が控えめになるので、できれば個別にご連絡する手段がある方がよろしいと思うのですけども。

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    女性の拘束に関わる小説/SSと
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