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    バースデイ・キッドナップ 2

    1.
    「これでいいですか?」
    「うん、大丈夫だね。後は縄尻を巻いて纏めましょう」
    「はいっ」
    天井のリングから下がる縄を取ろうとしたら、それはまるであたしの手から逃げるように揺れて掴めなかった。
    あたしはその場でバンザイしながら、ぴょんぴょん跳ねて縄を取ろうとする。
    「と、届かないですぅ~」(我ながら間の抜けた声!)
    一緒に縛ってくれていた男の人が笑いながら縄を取ってくれた。
    縛られているM女さんにまでくすくす笑われてしまった。
    あーん、背がが低いと損だなぁ。

    週末のフェティッシュバーはお客さんでいっぱいだった。
    フロアのあちこちで女の人が縛られている。
    あたしの前にも、たった今縛らせてもらった美人さんが吊られていた。
    (あたしが縛ったのは少しだけで、肝心なところはみんなこの男性が縛ってくれたんだけどね)
    この人と男性はご夫婦なんだって。
    奥様は30才くらいかな。ほっそりしたボディにはブラとショーツの下着だけ。
    麻縄で高手小手に縛られた腕、腰から足首まで10センチ間隔に縛られた下半身。
    どこも自由になるところはなかった。
    そのまま頭を斜め下に向けて、棒みたいになって吊られている。
    床から頭までの距離はほんの10センチほどしかない。
    ほとんど逆さ吊りだよ。
    血が上って苦しいだろうな。

    と、旦那さまが奥様の肌に指を当て、そのまま、す、と撫でながら辿った。
    太ももの内側から、脇腹、お腹、そして胸の谷間へ。
    「あぁ・・ん」たまらずに上げた声。
    ものすごく色っぽくてぞくぞくした。
    身を震わせながら必死に逃れようとするけれど、それで許してもらえるはずがない。
    奥様の弱点を知り尽くした指が、敏感な箇所を執拗に刺激する。
    「は・・、やぁ・・っ」
    体中の筋肉に力を入れて、ぷるぷると顔を振りながら、なす術もなく耐えている。
    まだ10分ほどしか経ってないのに、綺麗な顔はもう真っ赤だ。
    あぁ、辛いよね。恥ずかしいよね。切ないよね。
    たまらないよね。
    ・・女を責めるなら、かくあるべし。
    あたしは自分も女のくせに、酷いことを考える。

    「はぅ!!」
    顎が持ち上がり、がんじがらめに縛られた体がきゅうっと逆海老に反り返った。
    うわぁ。柔らかいっ。
    女の体って、こんなにぎちぎちになっても、柔肌に縄を食い込ませて、たおやかに撓(しな)るんだ。
    あたしは感動して眺め続けた。
    (後でミズキさんに、マコトちゃんヨダレ垂らしながら見てたでしょ♥、って言われちゃった)

    「マコトちゃ~ん、こっち来てぇ」ミズキさんの声がした。
    「ニコちゃんが縛って欲しいって言ってるよ~!!」
    「早く来ないとオレたちで縛っちゃうよ~」
    セイさんとキタさんの声もした。
    「あっ、待ってぇ~!!」
    あたしはご夫婦にお礼を言ってから、そちらの方へ飛んでいった。
    「あは。マコトさん、お願いします」
    ニコちゃんがあたしに向かって頭を下げた。
    準備よくトレーナーを脱いでTシャツ姿になっている。下はデニムのショートパンツに生足。
    うん、可愛いよ!
    あたしは笑いながらミズキさんから赤い縄束を受け取った。
    「よぁーしっ。縄師マコトの腕を見よ!」

    2.
    あたし、マコトはもうすぐ二十歳になる女好きの女だ。
    女の子の裸や緊縛が大好物。
    高校を出て勤めるようになってから、ストリップや緊縛撮影会に行って楽しんでいる。
    キタさん、セイさん、ミズキさんはあたしと同じ趣味の仲間だ。
    キタさんは28才で自営業のお兄さん。
    セイさんは中年の銀行員。
    そしてミズキさんは女装趣味のサラリーマン。
    仲間といっても、それ以上のことは何も知らない。
    一昨年ネットで知り合って、月に何度か一緒に遊ぶだけの関係なんだ。

    男性3人と女の子1人の仲間だけど、いつも一番過激なエロトークをするのはあたしだ。
    あたしの前世は腹上死したエロオヤジじゃないか、なんてよく言われる。
    キタさんたちはそんなあたしに最初は驚いたみたいだったけれど、今ではすっかり慣れてあたしのエロトークを面白がってくれている。
    そして、去年仲間になったニコちゃんは19才の看護学校生。(学年はあたしより一つ下だよ)
    被虐願望の強い子で、女性の緊縛を見るときは自分が縛られている姿に置き換えて楽しむんだって。

    最近あたしたちがよく遊ぶのは、このフェティッシュバーだった。
    広いフロアは一度に何人も縛ったり吊るしたりできて、ベテランの緊縛マニアさんの縛りを見学したり、教えてもらったりするのにぴったりだ。
    あたしたちは、緊縛の世界にもっと迫りたいと思っていた。
    キタさんとあたしは、別の緊縛講習会にも通って自分で縛れるように勉強してる。

    3.
    「・・縄師マコトの腕を見よ!」
    ニコちゃんが背中で組んだ腕に、あたしは縄を掛けた。
    あれ、ニコちゃんノーブラ?
    「えへへ。マコトさん喜んでくれるかなって思って、トイレで外してきたんですぅ」
    「うわぁ、嬉しいよ~」
    あたしは彼女の柔らかい胸をTシャツの上から揉んであげる。
    「あぁ♥」「うふふ」
    「はぁん」「はぁ・・」
    しばらく、二人だけの時間になった。
    「・・あの、そろそろ続き、縛ってくれる」キタさんに呆れた口調で言われた。
    「あ、ごめんなさい」
    「いや。いつものことだし」
    あたしは、顔を赤らめて緊縛の続きにかかる。
    縄は練習用の赤い綿ロープ。
    偉そうなことを言っても、あたしは縛る側としてはまだまだヒヨっ子だ。
    キタさんに手伝ってもらいながら、どうにかニコちゃんを後ろ手に縛った。
    「どう?」
    「マコトさん、上手ですぅ」
    ニコちゃんがうっとりした声で答えてくれたので、ほっとした。
    「あの、足も縛って欲しいな、なんて」
    「いいよっ」うはは、リクエスト。
    彼女は足が綺麗なんだ。
    すっと長くて足首はきゅっと締まってるのに、太ももはばーんって張ってる。
    (あたし好みの足!)
    本人もよく分かってるから、どんなに寒い日にもミニスカやショーパンで生足を出してやって来る。
    あたしはニコちゃんの柔らかい太ももをすりすりして楽しみながら、膝の上下と足首を縛った。
    そのまま床に転がしてあげる。
    「あぁ・・、いいです、すごく」
    緊縛された体をもぞもぞ動かして、縄の具合を確かめている。

    えへへ、可愛いなぁ。愛おしいなぁ。
    あたしが縛った女の子♥。
    もう思いのままだぞ。
    ・・好きにしても、いいかな?
    あたしは、キタさんたちの顔を見る。
    キタさんも、ミズキさんも、セイさんも笑っていた。
    ・・いいよいいよ、好きにやって。
    みんな、あたしの趣味を分かってくれている。

    あたしはニコちゃんの脇に膝をつく。
    これから手術に臨む外科医みたいに両方の手のひらを自分に向けると、10本の指をうぞうぞと動かした。
    うっほほーいっ。
    Tシャツの裾をめくって、おへその回りと脇腹を撫でた。
    「やぁ~んっ」
    こんもり盛り上がったバストの頂上に突き出したぽっちを指で摘んだ。
    「きゃん!!」
    ショートパンツの前のボタンを外して、指を入れる。
    「な・・。ひゃ! やぁ!」
    え~いっ、もう止まらないよー。
    ショートパンツをずいっと膝まで下げさせた。
    クマの◯ーさんの絵が入った可愛いショーツが現われる。
    「や、止め・・。マ、マコトさ・・」
    左手でバストを揉みながら、右手で股間を押さえる。
    「あぁんっ。ああ・・!!」

    ニコちゃんの悲鳴はとてもキュートで、あたしの責めによく反応してくれた。
    さっきの奥様も素敵だったけど、やっぱり若いって素晴らしい。
    あたしは興奮して、ますます過激に彼女を責める。
    ショーツの上からあそこの位置を探り当てると、そのまま中指を突きたてた。
    「き・・・!!!」
    激しくのけぞるニコちゃん。
    いくら暗黙の了解があるといっても、男性だったら、ここまでの責めはできないと思う。
    彼女も相手が女だから、安心して身を任せているんだ。
    あたしは自分が女であることを幸せに感じながら、彼女を苛めた。
    (ショーツの中にまで直接指入れちゃった!)
    いつの間にか◯ーさんのショーツがぐっしょり濡れていた。
    「あ、あ、あ、あ・・」
    今までと違う声を上げると、ニコちゃんの体がびくびく揺れて、そして動かなくなった。
    あ、イッた。 

    ぱちぱちぱち。
    拍手が聞こえて顔を上げたら、たくさんのギャラリーに囲まれていた。
    「お疲れ様! ものすごく興奮したわよ!」
    ミズキさんがおしぼりを手渡してくれた。
    それを受け取る自分の指がぬるぬるしているのにようやく気付いた。

    4.
    ふぅ~。
    ソファに腰を下ろしてグラスのコーラを一気飲みした。美味しい~。
    隣に座ったニコちゃんは、当人の希望で後ろ手に縛られたままだ。
    あたしの方にもたれかかり、とろんとした表情をしている。
    その肩に右手を乗せて強く引き寄せると、左手の中指でで乳首を軽く弾いてあげた。
    ニコちゃんはびくんと震えると、あたしを見上げて恥ずかしそうに笑ってくれた。
    ぐはははは。初い子じゃのぉ~、
    あたしは目尻を下げてオヤジみたいに笑う。
    すっかりハイになっていた。
    本当に縄師になって、可愛い女の子を縛りまくってあげたいと思った。
    美女を狂わす女縄師マコト。
    げへへへ。

    「あっちのパイプのスペースが空いたんだ。行かない?」キタさんとセイさんがやって来て言った。
    キタさんが指差す場所は、天井近くにパイプで吊床が組んであって、そこに縄を掛ければ吊りができるようになっている。
    「行く!」
    あたしは立ち上がった。
    「元気ねぇ」ミズキさんが笑う。
    「だって、あたし縄師になるんだもん」
    「え?」「縄師?」「本当?」
    「あ・・、いや、縄師になれたらいいなぁ、って。・・あはは、まぁいいじゃないっすか」
    思わず口走ってしまった願望を笑ってごまかす。
    「って、それより誰にモデルしてもらうんですか? ニコちゃんはしばらく無理ですよ」
    「あ、それは決まってるでしょ」
    キタさんが当たり前みたいに言った。
    「マコトちゃんさ、次に縄を受けるのは」
    え。

    「あの、あたし、まだ縛るつもりだったんですけど」
    「却下。縄師もいいけどね、女の子なんだから縛られる方の義務も務めてもらわないと」
    「あ、・・その」
    「確か、誰でも美少女には緊縛される義務があるって言ったの、マコトちゃんだよね」
    セイさんが言った。ミズキさんもうんうんと首を縦に振ってる。
    そうだ。
    正しくは『誰でも』じゃなくて『すべからく』。
    去年行った撮影会の緊縛モデルさんがものすごい美少女で、あたしは興奮しまくって言ったんだ。
    ・・美少女って、すべからく緊縛される義務がありますよねっ。
    ・・知ってますか? 『すべからく』って『すべての』の意味じゃないんですよ。『当然のこととして』なんですよぉ。
    どこかで聞いた知識を偉そうに喋ったっけ。

    「皆さん、あたしのこと、美少女って認めてるんですか?」
    「もちろん!」「当たり前でしょ」「マコトちゃんは僕らのアイドルだもん」
    皆が一斉に頷いた。
    あはは。お世辞でも嬉しい。
    なら仕方ないね。美少女の義務を果たさなきゃ。

    あたしは胸に手を当てて目を閉じた。
    ・・さあ覚悟しなさい。あたし。
    目を開けると、やおらセーターを脱いだ。
    その下に着ていたブラウスのボタンを一つずつ外す。
    別にまるまる着衣でもいいんだけど、こういうとき、女の子が肌を見せるのは男の人に対してマナーだと思うんだ。
    皆があたしを見ている。これから縄を受ける女の子を見ている。
    ぎゅぎゅぎゅ~ん。
    心が切り替わる。縄師モードからマゾのモードに。

    「お、いい顔になったねぇ」「色っぽいよ~」
    「もう、ばか」
    上半身ブラだけの格好になると、脱いだ上着を丁寧に畳んで置いた。
    下はジーンズを穿いたまま。
    「あれ、上だけ?」
    「ごめんなさい。今日は可愛いパンツ穿いてこなかったから、このままで許して」
    「僕ら、下着なんて拘らないけど」
    「ダメ! 女の子にとっては大事なことなのっ」
    可愛いパンツを忘れたというのはウソだった。
    ジーンズの下には、とっておきのショーツをちゃんと穿いている。
    でもさっき綺麗な足を見せてくれたニコちゃんの後で、自分の足を出すのは恥ずかしかった。
    キタさんたちはそんなことで笑ったりしない。それは分かってる。
    でも、自分の太い足を私自身が見たくなかったんだ。
    もっと痩せなきゃ、と思う。これでも去年より4キロは体重減らしたんだけどね。

    元々あたしは太っちょ、かつタヌキみないな丸顔で、自分が綺麗になるなんて考えたこともなかった。
    でも去年の誕生日、キタさんたちがあたしを捕らわれの美少女にしてくれた。
    鏡に映った自分を見て、初めて自分のことを綺麗って思えたんだ。
    それから、あたしは相変わらず女の子の裸や緊縛を愛でながら、ときどきはあたし自身の裸や緊縛も愛でてもらうようになった。
    全然する気もなかったダイエットだって始めたんだ。

    5.
    キタさんたちとパイプのスペースに行くと、またぞろぞろ人が集まってきた。
    ・・さっき縛ってた女の子が、今度は縛られるらしいぞー。
    えー、こんなにたくさんの前で縛られるの?
    恥ずかし~。でも、みんな喜んでくれるなら頑張って縛られる。
    美少女の義務だもんね。
    紅潮した顔が一層赤くなるが自分で分かった。

    キタさんが綿ロープではなく麻縄であたしを縛り始めた。
    あたしの緊縛よりもずっと上手だった。
    両手がかっちり固定される。バストの上下も縄で締めつけられる。
    あたしの自由、少しずつ失われて行く。
    「えっと、この縄はこっちに掛けるね」
    「ミズキさん、そっち頼みます」「まかせて」
    いつの間にか、セイさんとミズキさんも一緒にあたしを縛っていた。
    どこで練習したんだろう。みんな、すごく手際がいい。

    ・・あっ。
    左足が頭よりも高く持ち上げられた。そのまま膝で折って、太ももと脛をまとめて縛られる。
    腰から下が反り返った。
    あたしの意志と関係なくあたしの体はみんなの思いのままなんだ。
    目を閉じて身を任せる。
    ・・弄ばれる、快感。
    ぼうっとして、とろとろになりそうだった。
    心も、体も、命すら、任せる、幸せ。

    マコトちゃん 横吊り

    いつか、あたしは空中に浮かんで揺れていた。
    上を向いているのか下を向いているのかよく分からなかった。
    うっすら目を開けると、たくさんのデジカメやスマホのカメラがこっちを向いていた。
    ほわらぁ。
    いやだぁって言ったら、口に縄を噛まされていてすごく変な声になった。
    あたし、どうなってるんだろ。・・逆海老で、横吊り?
    ものすごくきついポーズじゃないかな。
    でも、ぜんぜん辛くなかった。それどころかものすごい快感だった。
    何もできない。動けない。
    ただ、吊られて揺れている。ゆらゆら揺れる。
    意識が朦朧(もうろう)となるのすら、気持ちいい。
    みじめだよ。たまらないよ。


    フェティッシュバーの帰り道。
    ニコちゃんがあたしに寄り添って歩いてくれた。
    「マコトさん、綺麗でしたぁ」
    あたしはきちんと返事もできずに、ただぼんやり笑うだけ。
    ニコちゃんが縛られたときと逆だ。
    あたしは、ずっとマゾモードのまま戻ってこれないでいる。
    (実はまだ、とろとろなんだ)

    「マコトちゃん、苛めてごめん。実は・・」
    キタさんたちは、あたしが二十歳になる記念に、3人で縛る準備をしていたのだと教えてくれた。
    セイさんも、ミズキさんも、縄師さんに教えてもらったんだって。
    あたしのために、こんなにしてくれるキタさん、セイさん、ミズキさん。
    苛めてごめんなんて、逆にあたしは嬉しくて感謝したいくらいなのに。
    ああ、どう感謝したらいいだろう。

    あたしの二十歳の誕生日は、もう再来週に迫っていた。
    あたしには、去年のうちから、みんなに約束していたことがある。
    それは、あたしが二十歳になったら、あたしの初めてを3人の誰かにあげるってこと。
    勢いで言ったことじゃない。あたしの本当の気持ちだった。
    そろそろ、実行しないと。誕生日、過ぎてしまうよ。
    「あ、あの・・」
    あたしは恐る恐る言い出した。
    「何?」前を歩くキタさんたちがこっちを見る。
    「・・あ、いえ。何もないです」
    あーっ、もう。
    いつものあたしだったら、エロトークしながらもっと軽く話せるのに。

    キタさんたちは互いに目配せして頷き合った。
    「あのね、マコトちゃん」ミズキさんが言った。
    「・・あの約束のことなら、気にしなくてもいいのよ」
    「マコトちゃんがあれを言ってくれただけで嬉しく思ってるんだからね」キタさんが言った。
    「私らよりも、本当にマコトちゃんにとって大事な人が現れたときのために、取っておけばいいんですよ」セイさんも言った。
    もう、3人とも相変わらず優しいんだから。
    「でも、あたし、みんなに応えたい。あたしの何もかも、みんなに捧げたい」
    「本当にそう思ってるの」
    「はい」
    3人はもう一度頷き合い、そしてキタさんが言った。
    「えっと、真剣にそう思ってくれるなら、僕らから提案がないこともないけど」

    7.
    あたしの二十歳の誕生日。
    そこは以前に来たことのある撮影会のスタジオだった。
    あたし、キタさん、セイさん、ミズキさん、ニコちゃん。そして、知り合いの縄師さんが集まっている。
    キタさん、セイさん、ミズキさんはいつものカジュアルじゃなくて、きちんとスーツとネクタイをしていた。
    ミズキさんの男装なんて初めて見るよ。ものすごくイケメンだった。

    セイさんが白い封筒を3通、テーブルに並べた。
    「この中には軽貨物便の伝票が入っています。宛先はそれぞれ私ら3人の住所」
    そう言いながら、封筒の順番をシャッフルした。続いてミズキさん、そしてキタさんもシャッフルする。
    「さあ、これでどれが誰宛なのか、分かりません。・・マコトちゃん、この中から一つ引いて下さい」
    あたしは深呼吸をして、1通の封筒を取った。
    「皆さん、いいね。これで公平だ」
    「しっかり見ましたよ」「うん、誰が選ばれても恨みっこなし」
    あたしの前で3人が笑った。
    「僕ら、これから帰ってマコトちゃんを待ってる」
    「うん、本当にありがとう」
    あたしは一人ずつ抱きついて、頬にキスをした。
    本当にみんな、大好き。

    3人がスタジオを出ていってから、縄師さんが言った。
    「では準備しましょうか」
    「はい、お願いします」
    あたしはそう言って頭を下げた。
    目の前には、大きな木箱が置いてあった。
    あたしは、この箱に梱包されて3人の誰かにトラックで配達されるんだ。
    どき、どき。

    ニコちゃんが服を脱ぐのを手伝ってくれた。
    (どんな服装がいいか二人で相談した結果、男性に喜んでもらえるし女の子の覚悟も伝わるから、やっぱり全裸でお届けされるべきって一致したの)
    「マコトさんが羨ましいです」ニコちゃんが言った。
    「こんな目にあえるんなら、あたしも処女でいたらよかったな」
    「そうね、19才だと経験済が普通だものね」
    「どうやって失くすかが大切ですよ。あたしなんてロストバージンなんて当たり前過ぎたから」
    ニコちゃんはあたしの手を握った。
    「素敵な体験して下さいね、マコトさん」「ありがとう」

    縄師さんは、麻縄を使ってとても優しく縛ってくれた。
    向こうまで何時間かかるか分からないから手足の血行を妨げないように細心の注意を払ってくれた。
    でも、どれだけもがいても絶対に緩まないから安心して、とも言われた。
    どき、どき、どき。

    箱の底にスポンジを敷いて、縛られた体を入れてもらう。
    お尻をついて座り、両方の肩が後ろの壁に当たるようにしたら、ちょうどの広さだった。
    隙間にスポンジ片をいっぱいに詰めてもらった。
    ばたんと蓋が閉じて、あたしは暗闇の中に閉じ込められた。
    女の子の梱包、できあがり。
    手足は、もちろん動かせない。ぎっしり詰まったスポンジの中で、ほんの少し体を動かすこともできない。
    どき、どき、どき、どき。

    いつものあたしだったらヨダレもののシチュエーションだけど、今のあたしにそんな余裕はなかった。
    あたし、プレゼントだよ。たった一人の男性のためのプレゼント。
    胸の中がもどかしさでいっぱいになった。
    はぁ~。大きく深呼吸。
    体中の筋肉にぎゅうっと力を入れた。
    きゅい~ん!
    あたしを包む縄が全身を締め上げて、あたしの子宮を刺激した。
    何度も力を入れてはその度に、じゅん、と濡れた。

    ・・大好きなキタさん、セイさん、ミズキさん。
    あたし、皆さんの誰かが受け取ってくれるまで、ずっとこのままです。
    プレゼントが届いたら、美味しく食べて下さいね。

    8.
    永遠の時間が過ぎた。
    蓋をこじ開ける音。
    次の瞬間、まぶしい光に包まれた。
    そこにいる男性に向って明るく微笑みかけようと思ったけど、ほんの少し口元をゆがめるのが精一杯だった。
    涙を一杯に浮かべた目で、あたしはその人を見上げた。



    ~登場人物紹介~
    マコト: 20才。本話主人公。女の子が大好き。やや太めのボディはダイエット中。
    キタ: 28才。マコトが高校を出て働くようになったとき、ネットの掲示板で知り合った男性。
    セイ: 42才。同上。
    ミズキ: 26才。同上。女装趣味の会社員。
    ニコ: 19才。新しく仲間になった少女。

    本年最初のSSは、昨年掲載した バースディ・キッドナップ の約1年後です。
    マコトちゃんとその仲間のオフ会は順調に続いて、新しいM少女の仲間も増えたようです。
    このお話では、仲間で繰り出したフェティッシュバーとマコトちゃんの二十歳の誕生日のイベントを描くことにしました。
    女の子大好きで緊縛勉強中のマコトちゃんと、Mっ気が満ちてとろとろになったマコトちゃん。
    それぞれお楽しみいただけたら幸いです。

    セクシーな女の子が大好きだけど、自分自身も女であることをちゃんと意識した女性。
    作者がひとつの理想とするタイプです。
    でも、そんな女性は男に対する目も厳しいのでしょうね。
    このお話のマコトちゃんは、処女ということもあるのか、男性に惚れっぽすぎる気もします。
    彼女はバージンを3人の誰かにあげましたけど、他の2人とも絶対にしちゃうだろうなと思います。

    なお、マコトちゃんの輸送には宅配便ではなく軽貨物便を使うことにしました。
    軽トラ1台を貸しきる形式ですから、大きな木箱などでも搭載し易いだろうという理由です。
    決して生きた人間の配達まで請け負ってくれる訳ではありませんから、ここはファンタジーとして理解して下さいね。
    (まあ、個人事業者が多い業態なので、キタさんかセイさんあたりと懇意にしてる業者なら・・。あわわ)

    では皆様、2014年もよろしくお願いいたします。
    ありがとうございました。




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    No title

    最高。
    もう、最高です。
    縛り得意な子が縛られる、攻守逆転のシチュもスムースなうえに、記念配達へなだれ込み。
    惜しむらくは箱に入る直前の緊縛描写がもっとあれば、とは外野のたわごとです。
    あそこでダラダラ描写しては興醒め、ぐっと我慢の自己補完。

    すばらしい、しかも読むサイズとしても極めて手ごろでイッキ読みな掌編をありがとうございました。

    Re: No title


    ◎更科さん
    コメントありがとうございました。
    好意に解釈していただき恐縮です。
    箱詰め前の縛りは、確かに全体のリズムから細かい説明を省略しました。
    でも、筋肉に力を入れたたら感じた、なんて書いてるのにどんな縛り方か分からないのはダメでしたね。
    多分、普通の後手撓りに、下半身は両足を閉じて体育座りで縛られています。
    腹部にも縄が掛かっているでしょう。でも股縄は長時間の箱詰めでは可哀想なので、なしです。

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