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    桔梗の定期便

    1.
    「シスターにお客様です。可愛いメイドさんですよ」
    その朝、北の谷のルルド(泉)で祈っているときに、私が密かに桔梗(ききょう)の定期便と呼ぶ来客があった。
    ああ、もうそんな季節なのね。
    私はルルドのマリア像に目礼してから、修道院の本館に向った。

    応接室にはメイド服の少女が一人で座っていた。
    「修道女さま、ご機嫌麗しゅうございます」
    少女は立ち上がると私に向かって頭を下げた。
    「お屋敷の庭に桔梗が咲きましたので、主人の命でお届けに上がりました」
    そう言って、青い花の入ったバスケットを差し出す。
    「まぁ、綺麗な桔梗。・・いつもありがとうございますとお伝え下さい」
    「はい、修道女さま」
    「堅苦しい呼び方をしなくても、私のことはただシスターと呼んで下さればいいんですよ」
    「あ、はい。・・シスター」
    少女はそう言って微笑んだ。
    私は目を細めて彼女を見つめる。
    色白できめの細かい肌。大きな瞳。サイドテールに括った栗色の髪。
    メイド服のミニスカートからすっと伸びるニーソックスの足。
    そして何よりも少女自身のはじけるような若さ。
    あなたこそ、桔梗の花のようよ。
    「あなた、今年の新人さん?」
    「はい。まだまだ役立たずです」
    「そんなことはありませんよ。こうしてちゃんとお使いしているじゃないの」
    「恐れ入ります」
    そう言って再び頭を下げる。その仕草だけで彼女がきちんと躾られていることが分かった。
    少女の主人の顔が浮かんだ。
    お屋敷の中は変わらずにきっちり回っているようですね。

    「急がなくてもよろしいんでしょう? 今、冷たい飲み物を入れますから、お待ちになって」
    私は給湯室に行ってお湯を沸かした。
    氷を入れたグラスに濃い目のアップルミントティーを注ぎ、ハチミツを添える。
    お茶受けには、レーズンクッキー。
    銀のお盆に載せて応接室に戻ると、少女は目を閉じていた。

    ソファに背筋を伸ばして座り、両手を膝にそろえ、でもその頭は、こっくり、こっくり。
    あら、まあ。
    さっき、きちんと躾られてるって評価したのは取り消しかしら。
    私は少女の前に座って、にこにこしながら彼女の寝顔を眺める。
    毎日しごかれて疲れているんでしょうね。
    それにしても、本当に無垢で可愛い子。
    あの人が桔梗を持たせたのだから、まだ乙女。
    そして、今年はこの子、ということか。

    少女がはっと目を開けて私を見た。
    その顔がみるみる赤くなる。
    「・・あ、その、私。・・失礼いたしました」
    「いいのよ。お屋敷に帰ったら忙しいんでしょう? 誰にも言いませんから、ゆっくりしてらして下さいな」
    「い、いいえっ。本当に申し訳ありません!」
    その慌てぶりが可愛らしくて、私は彼女を抱きしめてあげたくなった。

    2.
    新人メイドが応接室で居眠りしたその次の週。
    夜の祈りを捧げて宿舎に戻ろうとしたら、お御堂(みどう)の出口に人影があった。

    「旦那様!!」
    「儂はもうお前の主人ではないから、その呼び方はせんでよい、と何度も言ったはずだが」
    「お忍びでお越しですか?」
    「うむ。これほど蒸し暑い夜には涼しいところで過ごしたいと、ちょっと思い立ってな」
    「何をおっしゃいます」
    確かにこの修道院は郊外の高台にあるから、都会と比べたら涼しい。
    でもちょっと思い立っただけで、わざわざお屋敷から2時間の道のりを来るはずがない。
    「お前は変わらず元気そうで何よりだ」
    「旦那様も」
    「それで、儂をいつまでここに立たせておく気かな?」
    「失礼しました。すぐに客間を用意させます」
    「いや。ここの者には何も言わんでよい。儂はお前の部屋に行こう」
    「・・かしこまりました」
    最初から私の部屋に来るつもりだったのだろう。
    私は半ば呆れながら、その人を自室に招いた。
    「去年もこの部屋にお越しになりましたわ。旦那様」
    「そうだったかな」

    旦那様は部屋に入ると、当たり前のように私の椅子に座った。
    私は苦笑しながら、お茶の用意をする。
    作り付けの小さな食器棚には、私がいつも使うマグカップ、そしてやや大きい金縁のマグカップが置いてあった。
    この金縁のマグカップを使うのは、去年、旦那様がお越しになったとき以来だ。
    「先日は綺麗なお花をお届けいただきまして、ありがとうございました」
    お茶を淹れながら、桔梗のお礼を言う。
    「うむ。放っておいても勝手に咲くものだからな」
    ・・それは違いますわ、旦那様。
    私は心の中で反論する。
    あの桔梗はお屋敷の庭園でメイド達が心を込めて育てたものですよ。
    旦那様も桔梗はお好きで、今の時期はいつも書斎に飾っておいでではないですか?
    「そういえば花を届けさせたメイドは、お前の前で居眠りをしたそうだな」
    「ご存知でしたか」
    「本人が自分から告解したわ。やはり恥ずべきことをしたと思ったようだ」
    「では罰を?」
    「うむ。棺桶に詰めてセメントの中に二日ほど埋めてやったかな。・・歯を食いしばって耐えたようだが」
    可哀想に。あんな初々しい子を生き埋めですか?
    「・・どうぞ、粗茶です。マグカップで申し訳ありませんが」
    「構わんよ」
    旦那様はそう言ってお茶を啜(すす)られる。
    どんなに暑い季節にも、旦那様は冷たい飲み物より熱いお茶を好まれる。
    「うむ、やはりお前が淹れた茶は美味いわ。屋敷でこの味を出せる者はおらん」
    「ご冗談を」
    「冗談ではないぞ。お前がメイド長を引退して20年、今でも儂にはお前の茶が一番だ」
    「旦那様、それで御用は?」
    「うむ。今年も一人、協力してくれるか」
    「・・」
    「再来週の木曜に客を寄こすから、部屋を用意してもらいたい」
    「・・」
    「接待するのは先ほど話題になったメイドだ。・・なに、誰を相手させてもよいのだがな、間が抜けたメイドを使うのも一興じゃからな」
    「旦那様、私は神に仕える身です。若い娘の操を売るような罪深いことは、そろそろ勘弁していただけませんか」
    「何が罪深いものか。お前も屋敷に入って初めて男に抱かれたのは、見ず知らずの客にではなかったか」
    「・・先代の旦那様のときでした」
    「それからお前は不幸か? 誇りを失ったか? 毎晩のようにその身体を弄ばれたはずだが」
    「あぁ、もうお止めになって」
    「縄で縛られたときのお前の狂いぶりは、今でも目に焼きついておるぞ」
    「旦那様。お願いですから、もう」

    旦那様はポケットから縄束を出した。
    それを見ながら、私は自分の胸を押さえる。
    「儂にはいつでも縛れる女が100人はおるが、縛ることで安らぎを感じる女はお前だけだ」
    「私はもう45の年増なのですよ。縛られるのでしたら、もっと若くて美しい娘を」
    「何を言うか。それなら儂は60を過ぎた爺だ」
    ああ・・。
    私は旦那様の前で動けなくなった。
    年に一度、お忍びでお越しになる旦那様に縛られるとき、私は自分がまだ女なのだと思い知る。
    縛られることを覚えている身体が欲情に打ち震える。
    ああ、主よ。お許し下さい。この女は、まだ被虐の心を捨てられないでいるのです。
    私は自分から両手を背中に回した。
    その手首に旦那様が縄を巻きつける。
    びくん。
    「ひぁっ・・」
    一年ぶりの被縛に全身が震えた。
    「まるで初めて縛られる生娘のような反応をするではないか。どうだ、何か言うことはあるか」
    「あぁ、旦那様。お務め、させていただきます」
    私は修道服のまま、かすれるような声で言った。

    3.
    その日が来た。
    私の前にあの少女が立っている。
    大きな目。色白の肌。そしてサイドテールに括った栗色の髪。
    まだほんの15才の瑞々しい新人メイド。
    「修道女様、いえ、シスター。本日はよろしくお願いいたします」
    「しっかりお務めして下さいね」
    「はい」
    この日がどういう日なのか、もちろん彼女も理解しているはずだ。
    昨夜は緊張で眠れなかったかもしれない。
    「お客様は夕食を済まされてからおいでになるそうです。時刻は22時頃と」
    「はい。伺っております」
    「汗をかいているでしょう? お風呂を入れましたから、身体を綺麗に磨き上げましょう」
    「あ、はい。・・ありがとうございます」
    少女は少し恥ずかしそうに言って頭を下げた。

    旦那様がお迎えになるお客様は、ビジネスのお相手とは限らない。
    国内外の政界や経済界の重鎮、外国の王室、著名な芸能人や文化人、共通する趣味のご友人や、ただ気に入ったというだけの一般の人までいろいろな方がいらっしゃる。
    そんな中で、処女のメイドをお使いになるのは旦那様が特別に認められたお客様だけだ。
    その特別なお客様が今夜この修道院へお泊りになる。
    こうしたことを修道院の者はほとんど知らない。
    知っていても、この修道院は旦那様のなさる献金で収支が成り立っているようなものだから、知らないふりをする。

    修道院はホテルではないから、お風呂も狭くて質素なものだ。
    そのお風呂に行くと、少女がお湯の中に入っていた。
    「エッセンシャルオイルとハチミツを持ってきましたよ」
    「オイルですか?」
    「ローズの香りよ。肌がしっとりするわ」
    私はそう言って、オイルとハチミツを手の上で混ぜてお湯の中に入れた。
    「ああ、本当。いい香り」
    「少しでもくつろいで下さいね」
    「ありがとうございます。・・あ、あの」
    少女がお湯の中から私を見上げた。
    「はい?」
    「お屋敷で聞いたんですけど、シスターは、昔メイド長をなさっていたとか」
    「ええ。あなたが生まれるずっと前のことですけどね」
    「お願いがあります!」
    少女はバスタブの中から出てきて、私の前に直立した。

    肌についたお湯が玉になって転がり落ちる。
    ぴちぴちして弾力のある肌。
    色白の肌が今は薄いピンクに染まっている。香り立つ若さが羨ましい。
    バストはちょっと大き目のおわん形。乳輪は大きすぎず綺麗な色をしている。
    つんと尖った可愛らしい乳首。
    揉んでも摘んでも、舌で転がしてもよさそうね。きっとお客様はお喜びになるわ。
    女の裸を見るとチェックしてしまうのは、メイド長をしていた頃からのクセだ。

    バストと比べると下半身はまだまだ未成熟だった。
    太ももは細すぎるし、お尻の張りも腰のくびれも十分でない。
    とはいえ均整の取れていないアンバランスな美しさがこの歳頃の少女の魅力でもある。
    あと2年も務めたら、きっと男好きのする身体になるだろう。
    未成熟といえば、アンダーヘアがほとんど見えないのが気になった。
    旦那様は無毛はお好みでないから、そういう子は採用しない。
    きっと今夜のお客様の嗜好に合わせて処理されたのだろう。

    「お願いって?」私は少女に聞いた。
    「あの、私の下(しも)を見てもらえないでしょうか」
    「お屋敷でお手入れしてこなかったの?」
    「してもらいました。・・でも、心配なんです。ご満足していただけるか。喜んでいただけるか」
    少女は胸の前で両手を拝むようにして私を見た。
    毎年ここで新人メイドのお世話をしているが、こんなお願いをされるのは珍しい。
    「いいですよ。あなたがそれで安心できるなら」
    私は微笑みながら答えた。

    お風呂の床にバスタオルを敷き、そこに少女を仰向けに寝かせた。
    「開いて」
    短く命じると少女は素直に両足をMの字に開いた。
    タオルを当てて水滴を拭う。
    ・・やっぱりね。
    少女は恥丘の周辺部を脱毛されていた。残った中心部分も梳(す)かれて薄くなっている。
    私は脱毛部位を指で撫でて確認する。元はかなり濃い目だったはずだ。
    「いつ脱毛されたの?」私は優しく撫でながら聞く。
    「今朝です」
    「痛かったでしょう」
    「少し。・・でも大丈夫です」
    「そう。今夜は何をされても大丈夫。でも明日からはちゃんとケアするのですよ。お薬はもらっていますね?」
    「はい」

    性器は美しいピンク色だった。
    まだ侵されていない場所。
    処女膜も綺麗に広がっている。これなら最初の性交で確実に出血して、お客様を安心させるだろう。
    クリトリスの包皮をそっと押さえてめくった。
    「あ・・・」少女が小さな声を出した。
    私は構わずに包皮の内側が清潔に洗浄されていることを確認する。
    小陰唇のヒダも広げて隅々まで確認した。どこも綺麗だった。
    続いて膣口から中指を挿し入れる。
    「は、あ、・・」少女は細かく震えている。
    同性の私に検査されることが恥ずかしいのだろうか。それとも刺激されて感じているのだろうか。
    指で探る内部はよく濡れていた。お湯の残りではない。ちゃんと少女自身が分泌したものだ。
    粘度も匂いも、十分。

    「大丈夫。立派にお相手できますよ」
    「あの、私」
    「どうしましたか?」
    「・・実は、まだちゃんと締めてさしあげることができません」
    そうか、それがあなたの悩みなのね。本当に可愛い子。
    「大丈夫ですよ。あなた、口でもおっぱいでも、ご奉仕できるのでしょう?」
    「はい、それはできます」
    「なら心配いりません。あなたにできる範囲で心からお尽くしすれば、きっと喜んでいただけますよ」
    「あぁ、よかった。・・ありがとうございます」
    少女は心から安心したように礼を言った。

    ・・膣で締めるなんて、誰も期待してないのよ。
    元メイド長の私には分かっていた。
    あなたはバージンであるというだけで十分だし、それが今のあなたの価値。
    明日になれば何もかも変わるはずよ。
    あなたの次の段階は、きっと明日からの調教カリキュラムに計画されているわ。

    私は少女のアナルに指を当てた。
    「あぁっ。そこは・・」少女が喘ぐような声を出した。
    「お尻の調教はまだなの?」
    「あ、はい。一緒に入った子はみんな受けてるんですけど、私だけ、何も」
    「そう」
    ようやく理解した。
    旦那様、あなたは、この子のことを間が抜けたメイドなどとおっしゃって、実は最初から目をかけておいでだったのですね。
    きっとこの子は、同期のメイドの中で一番優しくて感受性が豊かな女の子だ。
    あの方はときどきこんな悪戯をする。
    今夜、この子は前と後ろを同時に失う。そのことの心の準備もさせてあげずに。
    可哀想に。
    ・・どろり。
    私の心に中に、ある感情が浮かび上がった。
    それは先週旦那様がお越しになったときに意識した女の感情だった。
    私は、この歳になってこの少女が羨ましいのだ。
    同じ女として、妬ましい程に羨ましく思ったのだ。

    4.
    修道院に一室だけある客間に少女を連れて入った。
    少女は、下着を新しいものに替えて、クリーニングしたてのメイド服を着ていた。
    乳首はオリーブオイルを塗り込んで柔らかくし、下はジャムウ系のオイルソープで洗った後に、ラベンダーの香りのフレグランスをアンダーヘアに少量使った。
    お化粧はごく薄めのナチュラルメーク、サイドテールに括った髪は無香のヘアスプレーだけ。
    「綺麗ですよ」
    「ありがとうございます」
    「お客様はあと1時間ほどでお着きになるそうです。トイレはもう行けませんが大丈夫ですね?」
    「はい」
    「では、最後の仕上げをしましょう」
    「最後の、ですか?」
    「こちらのベッドに腰掛けなさい」
    私は少女をベッドに座らせると、一緒に持ってきた携帯金庫を横に置いた。
    金庫を開けて中から麻縄の束を出す。
    この縄はメイド長の頃から使っていたもので、とても古いけれど、手入れは怠っていないから十分に綺麗で柔らかい。
    「あぁ、そうですね」
    少女は縄を見ると、自分から両手を背中に回した。
    「どうぞ、綺麗に縛って下さいませ」
    私は黙って彼女に縄を掛けた。
    少女の身体は柔らかくてしなやかだった。
    高めの位置で手首を縛り、左右の腕が直角に交わるように固定する。
    処女といえども緊縛されるのは、H氏邸のメイドがお客様をお迎えするときの作法だ。
    ときには性行為よりも嗜虐行為を好まれるお客様もいらっしゃるけれど、どんな場合でもお客様のご満足を第一に考え、決して失礼のないように振舞うのがメイドとして当然のわきまえなのだ。

    「サイドテーブルにナイフと鋏を置きます。お客様があなたを裸にしたいとお望みになったとき、ご自身でうまく解けないようであれば、使ってもらって下さい」
    「はい。でもこれ、大切な縄ではありませんか」
    「構いません。お客様があなたにご満足いただけることなら」
    「あぁ、ありがとうございます。シスター」
    私は彼女の膝と足首も縛った。
    こちらは早く両足を開かせたいお客様への心配りとして、緩め代を大きめに作る。

    お迎えの準備

    「さあ、目隠しをしますよ」
    「はい」
    「あなたに神様の祝福がありますように。・・お客様が心からご満足し喜んで下さりますように」
    白布を折って目隠しをかけた。
    最後の瞬間、少女は少しだけ微笑んだ。
    この日初めてみた彼女の笑顔だった。
    私は残った縄束を片付けて、客間の電灯は点けたまま部屋を出た。

    お迎えの準備
    お迎えの準備

    5.
    予定の時刻より10分ほど遅れて黒塗りのセダンが到着した。
    セダンは修道院の構内をそのまま抜けてきて、客間のすぐ近くの中庭に停車した。
    後席のドアが開き、背の高い白人の男性が降りてきた。
    すぐにその回りを3人のSPが取り囲む。
    まあ、これは相当なVIPね。

    "ご準備は整っております。どうぞあちらへ"
    私は英語で挨拶して、中庭から客間に入る扉を示した。
    「ドモ、アリガト!」
    男性は片言の日本語で答え、客間に入っていった。
    しばらくして客間の灯りが暗くなった。

    私はそれから明け方近くまで庭に立っていた。
    ご苦労なことに、3人のSPも周囲を警戒しながら立ったままだった。
    私が横目でそちらを見ると、SPの一人がウインクしながら親指を上げた。
    ・・まったく仕方ないぜ、ウチの若旦那は。
    そういう顔だった。

    客間が明るくなって、やがてあの男性が出てきた。
    私が黙って頭を下げると、一言 「ファンタァ~スティック!!」と大げさに言ってセダンに乗り込んだ。
    修道院の門からセダンが完全に出て行くまで、私は頭を下げたままだった。

    客間に入ると中はずいぶん乱れていた。
    ベッドのシーツは床に落ち、その横に解けた縄とメイド服と下着がちらばっていた。
    少女はベッドの反対側に全裸で転がっていた。

    いくら声をかけても少女は目を開けなかった。
    私は少女の胸と口元に耳をあて、彼女が熟睡していることを知ってひとまず安心する。
    少女の足を開いて股間を確認した。
    そこにはまごうことのない破瓜の印、そしてアナルにも陵辱の痕があった。
    私は彼女のために短く祈り、それからお湯に浸したタオルで彼女の身体を拭いた。

    6.
    明るくなってから少女は目を覚ました。
    自分で起きてくると、シャワーで髪と身体を綺麗にし、そして服を着た。
    用意された朝食を食べると、世話になった礼を言ってお屋敷に帰っていった。
    私は何も仔細を質問しなかったし、少女も何も言わなかった。
    ただ、帰る間際になって、彼女は「お客様は何かおっしゃってましたか?」と聞いた。
    「とても喜んでいらっしゃいましたよ」と教えてあげると、実に嬉しそうに微笑んだのだった。

    少女はほんの一晩の間に見違えるように綺麗になっていた。言いようのない妖艶さを纏っていた。
    もちろん、どんな処女も男性の精を注がれたら一様に美しくなることを私は知っている。
    それでもこの少女の美しさは、際立っていた。
    外観だけではない。内なる自信のようなものが生まれていた。
    彼女は一人のお客様に全力でお務めして、ご満足いただいたのだ。
    純潔をなくし、その代わりにお尽くしする喜びと自信を得たのだった。

    毎年、こうして新人メイドのお世話をする度に、私ははるか30年前の自分を思い出す。
    元気だった先代の旦那様、若かった今の旦那様。そして私を抱き、縛り、愛して下さった多くのお客様。
    ときには無慈悲な責めを受けて心身を傷つけられたりもしたけれど、幸い務めをまっとうして今の私がある。
    H氏邸のメイドとして務めることは、すべてを捧げることに等しい。
    お屋敷で務めた10年の間には、二度と回復しない障害を受けたり、神様の元に召された仲間もいる。
    メイド長を引退した私は、そんな彼女達の御霊(みたま)を慰るために、自分の幸福を捨てて修道院に入ったのだった。

    今日、娘から女になったあの子は、無事に務めをまっとうできるだろうか。
    今の私にとっては、せめて彼女がこれから多くの人に愛されることを祈るしかない。
    ときには縛られ、責められ、女の業に苛まれながら、お客様に喜んでいただこうと心から尽くす少女達。
    そんな彼女達の幸福を祈る私自身、シスターの身でありながら縛られることを悦ぶ女なのだ。
    毎年、桔梗の定期便が届く頃になると、私は自分の運命について考え込んでしまう。
    はたして私は神の元に行けるのだろうか、それとも地獄の烈火に焼かれ、それでも悦ぶのだろうか。



    『H氏邸の少女達』には似つかわしくない、ロマンチックなタイトルになりました。
    桔梗の花は秋のイメージでおりましたが、調べたら本当は6~9月が開花時期のようです。
    H氏邸の桔梗は9月に咲く遅咲きの桔梗、ということにしましょう^^。

    今回は、前回の後書きで触れた処女メイドのおもてなしとそれをお手伝いする修道女のお話です。
    H氏邸に入る新人メイドはバージンであることが絶対の条件であり、そして所定の調教を終えた彼女達は屋敷のお客様に供されることになります。
    毎年10人もいない超貴重枠の接待です。その時期は例年、夏から秋の頃。
    場所は屋敷の中だけでなく、本話のように屋敷外の施設が使われることもあります。
    昔、H氏邸のメイド長だったシスターは、どうやらその手伝いを毎年させられているようです。
    口は嫌々ながらも、悪い気持ちではない。
    少女達の一夜を深い愛情をもってお世話しています。

    さて、元来、H氏邸シリーズではすべてを男性の視点で描き、被虐側女性の心情は一切顧みない方針でした。
    しかしそれが次第に崩れ、前話で完全に女性視点になってしまいました。
    今回は反省して、男性視点で新人メイドを無慈悲にww苛めようと考えましたが、まったくペンが(キーボードが)進みません。
    (ちなみに主人公は、ファンタァ~スティック!な思いをしたあの白人男性でした)
    あきらめてお世話役である元メイド長のシスターを主役にすると、これが面白いように書けるではありませんか。
    ・・読者の皆様、ごめんなさい。方針を変えます。
    今の作者にM女の気持ちをまったく描かないで進行せよというのは無理でした。
    これからH氏邸シリーズでも積極的に女性観点で書きます。
    まだ、次のお話はぜんぜん考えてませんけどね。

    それではまた。
    ありがとうございました。




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    視点の話

    あとがき部分の話、すごくわかる気がします。視点による書き易さや心理を表現しやすい立場ってありますよね。
    特に濃い話の場合、本人視点だと知識不足で話が進まず、陵辱者視点だとバラまかれた濃厚な仕掛けが一切説明できないので面白くなくなってしまいますよね。
    今回の視点は大正解だと思います。

    しかしルルドとかまあ普通の方が絶対引っ張って来ないネタですね。
    合計5回くらい行きましたが、不思議なところです。
    町も素敵ですが、TGVが登山電車みたいになっちゃうのも面白いです。

    Re: 視点の話

    ◎更科さん
    コメントありがとうごさいます。
    ルルドに目をつけられるとは。
    ルルドを模した泉が日本のカトリック系教会で結構な数見られるので自己満足ネタにしたものですが、確かに普通のエロSSでは出てこないでしょうね。(別に私はカトリック信者ではありません)
    それより本家フランスのルルドに5回行かれた方が普通ではないですよー。
    TGVには私は1度だけ乗車の機会がありましたが、あれは地方に行くと日本の『つばさ』『こまち』みたいなもので、普通の田舎特急の雰囲気になりますね。

    誰の視点で描くか、まさにおっしゃる通りです。
    変に凝ったシチュエーションを設定すると、誰の視点にするかで困ったりします。
    一人称で語る語り手のいないお話になることも多いです。
    あるいは語り手が二人登場して、どちらが語るかによって色を分けるとか。(色を変えたりフォントを変えたり、品がないとは思いつつ、テキストだけでは表現できないワザもときどきします)
    今回のお世話役のシスターは、被虐と嗜虐の中間の立場で、語り手としてはぴったりでしたね。

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