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    キョートサプライズ セカンド・第5話(3/3) 教授の孫娘

    9.高まる想い
    それから、千佳の生活は落ち着きがなくなった。
    家でも、学校でも、縛られたリョウとレイカの姿がちらついて、何も手につかなかった。
    柔道場で稽古をしている間だけは、それを少し忘れることができた。
    それでも家に帰って部屋で一人になった瞬間から再び胸がうずうずするのだった。
    夜、見る夢はいつも緊縛された女性だった。
    緊縛された女性は、ときにイリュージョンの狭い箱に入ったトップレスのダンサーになり、へそ出しシャツで縛られたアシスタントになった。
    そして気がつくと千佳自身が縄で縛られているのだった。
    千佳は制服のままで緊縛され白布で猿轡をされ、そして籠に詰められた。
    籠の蓋が閉まる瞬間、見上げるとそこにはあの男性が自分を見ていた。
    ばたんと蓋が閉まって真っ暗な中に閉ざされる。自分はこれからどこか遠くへ売られて行くのだろうか。

    朝、目覚めるととてもエッチな気分になっている自分を意識した。
    何でもいいから固い物を両足の間に押しつけたかった。
    「でやぁっ」
    自分に活を入れてベッドから起きる。
    ジャージに着替えて腰に帯を巻くと、裸足のままで外に出て、庭の杭に巻いたゴムチューブを引いた。
    中学1年生のとき父親にこの杭を打ち込んでもらってから、千佳は毎日チューブを引いて一人打ち込みをしてきた。
    できるだけ何も考えないようにして打ち込みを半時間ほど続けた。
    はぁ、はぁ。
    シャワーで汗を流して制服に着替えた。
    よしっ、もう大丈夫。
    もうすぐ母さんが朝ごはんを呼びにくるだろう。
    千佳は姿見鏡の前に立つと、小首をかしげ、両手を背中で組んで笑って見せた。
    と、鏡に写る自分が、制服で緊縛された少女に見えた。
    どきん!
    千佳は、縛られているつもりで両手を背中の高い位置で組み直し、そのまま全身の筋肉に力を込めた。
    あぁ・・!!
    ぞくぞくする、このキモチ。
    しばらくそのまま過ごして、床に座り込んだ。
    あかんよぉ。こんなことしてたら。

    その夜、千佳は祖父に電話をかけて、キョートサプライズの人に会えないかと頼んだ。

    10.面会
    待ち合わせの駅前には二人の女性がやってきた。
    一人は小柄で、笑顔を絶やさない明るい感じの女性だった。
    もう一人は眼鏡をかけていて、無口な感じの人だった。
    「桃園千佳さん? キョートサプライズの黒川典子です」
    小柄な方の女性が頭を下げた。典子はKSのマネージャーだという。
    「柳井教授のお孫さんなんですって? 本当、お爺様にちょっと似てるかしら」
    「おじいちゃんのこと、よく知ってはるんですか?」
    「そうね。昔から、・・もう10年以上昔から知ってるかな」
    典子はそう言って笑った。何か秘密がありそうな笑い方だった。
    「そうそう、この間のショーではいろいろ驚かせたみたいで、ごめんなさいね」
    「いえ、いいんです。・・その、ダンサーの人が胸を出したのは、びっくりしましたけど」
    「あははは」
    典子が急に大声で笑ったので、千佳はちょっと驚く。
    「あれはね、ウチの島があなたのために仕組んだのよ。わざわざプロのダンサーに来てもらって」
    「そうやったんですか」
    「洋子さんたら、おっぱい作戦なんて呼んでたわ。ほんとにイタズラ好きの社長でしょうがないんだから」
    そうか、あのポールダンスのお姉さんはキョートサプライズの人やないんか。なら・・。
    「あの・・」
    「はい?」
    「なら、リョウさんとレイカさんも外の人やったんですか?」
    「ううん。リョウちゃんとレイカちゃんはKSのメンバーよ。私達の仲間」
    そうか、よかった。
    千佳の顔を見る典子の目が光った。
    「千佳ちゃん、どうしてそんなことを聞くの?」
    「あ、その・・」
    千佳は慌てて考えながら答える。
    祖父の書斎で逆さ吊りに縛られたリョウとレイカの姿が浮かぶ。
    「・・リョウさんとレイカさん、綺麗で優しいし、大好きになったから、また会ってお話ししたいなって、」
    「まぁ、嬉しいっ。私も千佳ちゃんのこと大好きよ!」
    今まで黙っていた眼鏡の女性がそう言って千佳に抱きついてきた。
    「きゃっ、・・あ、あの、あなたは?」
    「あれ、もしかして分かってなかった?」
    女性は眼鏡を外して笑った。
    「私、リョウです」
    え、えええ~!!?

    喫茶店に入り、小さなテーブルを挟んで座った。
    「さて、千佳ちゃんが私達に相談したいことって、何かな?」
    「あ、それは・・」
    面と向かって聞かれると、さすがに話しにくい。
    自分の顔が赤くなるのが分かった。
    「千佳ちゃんのお父様やお母様には相談しにくいことね。多分、お爺様にも」
    「・・本当のことを話します」
    千佳は正直に話し始めた。
    あのイリュージョンショーの次の夜、祖父の家で見たことを。窓の外から覗いて知ったことを。
    笑っていた典子の顔がこわばった。
    リョウの顔が千佳に負けないくらいに赤くなった。
    「そうか」
    短い沈黙のあと、典子が答えた。
    「実はね、私達、千佳ちゃんがKSに入ってイリュージョンをしたいって相談なのかと思ってたの」
    「ああ、それもあるんですけど」
    「・・わかった。こちらも本当のことを白状するわ」
    「ちょ、典子さん、いいんですか?」リョウが心配そうに典子に言ったが、典子は説明を続けた。
    「私達、千佳ちゃんが見たようなサービスもやってるの」
    あぁ、やっぱり。
    「Club-LB っていう、女の子を提供する会員制のクラブなの」
    「て、ていきょう、するんですか」
    「うん。身体を傷つけること、性的な行為はNGだれど、それ以外は何をされても拒まないわ。・・あ、性的な行為って、分かるかな」
    「・・えっち、することですね」
    「そう。セックスとか、挿入を伴うような行為ね」
    ああ、すごい言葉が次々と出てくる。
    耳をふさいで逃げ出したいけど、これはあたしがお願いして聞いたことやから。
    「あの、教えてもらっていいですか」
    「なぁに? 何でも答えるわ」
    「そのクラブには、女の人がたくさんいるんですか」
    「そうね、10人以上いるかな」
    「みなさん、自分から望んで、そういうことをしてはるんですか。・・その、縛られたりすることとか」
    「ええ。事情は人それぞれだけど、皆そうよ」
    「リョウさんも、ですか?」
    リョウも頷いた。
    「そんなことされたら、苦しいですよね? 辛いですよね? それに、すごく恥ずかしいですよねっ? ・・あ、あたし、分からないんです。どうして、あんなことをするのか。あたし、あたし・・」
    話しながら両の目が潤むのがわかった。みるみる涙が溢れ、頬を流れる。
    「あんな目にあってるのに、・・リョウさんもレイカさんも、どうして、綺麗なんですか? 色っぽいんですか?」
    「千佳ちゃん」
    「あたし、あのときリョウさん見て、もう自分でも分からない気持ちになって、それから毎日夢に出てきて、もう、あたし・・」
    典子が席を移動して千佳の隣に座った。
    口をへの字に結び、涙をぼろぼろ流し続ける千佳の耳元に口を寄せて、小さな声で言った。
    「千佳ちゃん、本当に素直でいい子。・・あなたも縛られたくなっちゃったんだ」
    「ひ、ひっく・・、ああ~ぁんっ」
    千佳は典子に抱かれて泣き出した。
    店内の他の客が驚いてこちらを見ていた。

    リョウがにやにやしながら言った。
    「典子さん、そんなことして、もう引き返せませんよ?」
    「分かってるわよ。でも放っておかれへんでしょぉっ。こんないい子をっ」
    典子は千佳の背中をなでながら、ほっぺたを膨らませて言った。

    11.典子の自宅
    次の日曜日。
    「おじゃまします」
    典子の自宅のマンションにやってきた千佳を、典子とリョウ、レイカ、瀬戸宗弘と黒川章、そして洋子が迎えた。
    章は典子の夫で、瀬戸と同じくKSの緊縛士である。
    「いらっしゃいっ。きゃあ、千佳ちゃん! ますます可愛くなったんじゃない?」
    洋子が小踊りしながら言った。
    「洋子さん! 元々こうなったんは誰の悪乗りのせいですか。ちょっとは反省して下さいっ」
    典子が洋子に文句を言う。
    「大体、なんで洋子さんがここにいるんですか。これは私のプライベートでしてることですからね!」
    「わかってるわよぉ。だから謝るわ。・・千佳ちゃん、ごめんなさいっ」
    「あ、いいんです、そんな」千佳は、突然床に土下座した洋子に困って言う。
    「はいはい。分かりましたから、そっちで目立たんようにしといて下さい」
    典子は上司の洋子をキッチンの隅に追い立ててしまった。
    「あぁんっ、典ちゃん冷たくしないでよぉ」

    リビングのソファに千佳と典子が並んで座った。
    その前の床にリョウとレイカが正座し、さらにその後ろに章が立った。
    「本当は事務所の方が設備も揃ってるんやけどね、他のEAもいるし、中学生の千佳ちゃんをお招きする訳にはいかへんのよ」
    典子が言った。
    「だから、ちょっと狭いけれど、ここで我慢してね」
    「はい。あたしの方こそ、いろいろ気を遣ってもらってすみません」
    「偉いわぁっ。大人なのねぇ!」
    キッチンから洋子が叫んだ。
    「はいそこっ、黙ってぇ」
    典子は顔をしかめて洋子に向かって手を振る。まるでハエでも追い払うような振り方だった。
    リョウとレイカがくすくす笑う。
    千佳も笑った。
    KSの人ってみんな仲いいなぁ。

    12.リョウとレイカ緊縛
    「じゃあ、体験緊縛の前にリョウちゃんとレイカちゃんの緊縛をやりましょう」
    きゃぁ。千佳が喜んだ。
    「縛るのはうちの旦那。・・章、お願い」典子の隣にいた章が立ち上がる。
    章はリョウとレイカを連れて壁際に行った。
    リョウとレイカは赤いノースリーブのワンピースを着ていた。
    短いスカートの下は、ストッキングもソックスも履かない素足である。
    それは、以前にリョウが籠詰めで届けられたときの衣装だった。

    章がまずレイカを縛る。
    背中で手首を捻り上げ、拝むように合わさせた。
    そして手首と腕、胸の上下を縛って、上半身全体を固めた。
    同じ緊縛をリョウにも施す。
    千佳は章の仕事がとても早いのに驚いた。
    イリュージョンショーのときにレイカがリョウを縛ったのと同じくらいの時間で、二人とも縛ってしまったように思えた。
    章はさらに、リョウとレイカを向かい合わせに立たせると、向き合った左右の太もも同士をそれぞれ縛り合わせた。
    「踵を上げて、爪先で立って」
    二人の踵が揃って床から離れた。
    「もっと高くっ」
    ふくらはぎの筋肉に力が入り、踵がさらに上がった。
    と、章は二人の向かい合った足首同士をまとめてきつく縛ってしまった。
    互いの足の甲が密着した状態で固定されたので、もはや踵を床に下すことは不可能である。
    二人が縛られたリビングの壁際には、金属のリングが下がっていた。
    新しい縄を出してレイカの手首に繋ぎ、それを壁のリングに通して強く引きながら、反対側をリョウの手首に繋いだ。
    爪先がいっそうぴんと伸び、リョウとレイカは不安定な姿勢でかろうじて耐えている。
    「可哀想なことするのねぇ」典子が言った。
    「ダメかい?」
    「ううん。これでいい」
    典子はリョウとレイカに近づき、手を伸ばして二人の括っていた髪を解いた。
    顔の前に前髪が落ちた。
    「あっ」リョウかレイカのどちらかが声を出した。
    上体がゆらゆらと揺れた。
    壁のリングから伸びる縄がしなり、二人の身体は爪先までぴんと伸びたまま斜めに傾いた。
    「くぅ・・っ」再びリョウかレイカのどちらかが呻いた。

    うわぁっ。
    千佳は心の中で叫んだ。
    「どうかな? 千佳ちゃん」典子が聞いた。
    「綺麗ですっ。ちょっと残酷で素敵。・・あ、お二人、すごく辛いのに、残酷なのがいいなんて、すみませんっ」
    リョウとレイカが縛られたまま少し笑ったみたいだった。
    他の大人達も微笑んでいる。
    あれ? あたし何か変なこと。

    レイカ・リョウ連縛

    「ウチはお客様のためなら、何だって体当たりでするのよ」キッチンから洋子が言った。
    「柳井先生がよくおっしゃるの。KSの女の子が頑張ってくれるのが嬉しい、だから自分の仕事が進むんだって」
    ええ? おじいちゃんが、そんなこと?
    典子も言った。
    「私達はね、望んで縛られてるけど、それは自分のためだけやないの。私達のこんな姿を喜んでくれる人がいて、誰かの力になれるのが幸せなの」
    幸せなの?!
    「あそこにいるウチの偉い人は女性の役務(やくむ)やなんて唱えてたけど、・・まぁ難しい話は置いといてもね、縛られて、苦しんで、それでも綺麗って、女だけの特権でしょ?」
    ああ、どうしてKSの人達は、あたしをこんなキモチにするんだろう。
    あたし。まだ中学生やけど。まだ男の子とつき合うたこともないけれど。
    「なら、あたしも・・」
    千佳はゆっくり言った。
    「あたしも、その特権、使っていいですよね。綺麗に縛って下さいって、言っていいですよね?」
    「ええ、もちろん」
    「ああっ、お願いしますっ。私を緊縛して下さい!」
    本当に、純真で素直な子やなぁ。典子は千佳を見て思った。
    心から満足するまで縛ってあげたい。
    でも、こんないい子の人生を私がここで決めることはできない。
    「千佳ちゃん、もう分かってると思うけれど、あなたが緊縛を体験するのはこの1回だけよ。想いを満たしたら、柔道とか学校のこととか、中学生としてすべきことに集中しなさい」
    「はい」
    「千佳ちゃんが高校生になって、KSに入ってくれたら、そのときはEAのお仕事として緊縛もあるわ」
    「・・もし、Club-LB のお仕事もしたいってお願いしたら?」
    「それはね、千佳ちゃんがいろいろなことを経験して、素敵な大人の女性になってからのお話」
    「分かりました。あたし、大人になるやなんて想像もできないけど、とりあえず女の子は綺麗に縛られる特権があるって分かったから、それを忘れないようにして頑張ります」
    「よろしい!」
    典子は腕組みをして大げさに頷いた。
    千佳もにやっと笑った。

    13.千佳緊縛
    千佳が中学校の制服に着替えた。
    紺のブレザー、膝丈のスカート、白い短ソックス。
    「可愛い~」洋子と典子が喜んで拍手をした。
    緊縛を解かれたリョウとレイカもソファに座って手を叩いている。

    千佳は瀬戸の前に立つと、両手を前に揃えてぺこりと頭を下げた。
    「あのときは、はしたないことをしてごめんなさい! ・・今日はどうぞよろしくお願いします」
    「いえ、こちらこそ、よろしくお願いします」
    瀬戸も頭を下げる。
    千佳は自分を縛る相手として瀬戸を希望したのだった。
    毎晩見る夢の中で女性が縛られるとき、そこにいるのは瀬戸だった。千佳自信が縄を受けるときも、その相手は瀬戸だった。
    千佳にとって瀬戸はあらゆる女性を縛る存在として定着していたのである。
    制服で縛られることを選んだのも他に可愛いスカートの服を持っていないのが表向きの理由だったが、それだけでなく制服で緊縛されることが千佳の強いイメージになっていたためだった。

    瀬戸は千佳を背もたれのない丸椅子に座らせた。
    中学生を縛るのは瀬戸にとっても初めてのことだった。
    目の前の少女は、初々しい恥じらいを感じさせながら、緊張した顔で目を閉じている。
    これが問答無用で自分を投げ飛ばした柔道少女なのか。
    こんな子を縛っても構わないのか。
    助けを求めるように先輩緊縛士の章を見る。
    章は笑っていて、その目は「お前の思うようにやっていい」と言っていた。
    瀬戸は覚悟を決めて縄束を持つ。

    「両手を後ろで組んで下さい」
    「はい」
    素直に背中に回された手首に縄を巻きつける。
    その手が背中から離れて浮かび上がった。
    千佳が縛り易いように、気を遣って自分で手首を浮かせたのである。
    「いいですよ。あなたは何もしなくて」
    「はい、でも」
    千佳は手首を浮かせたままだった。
    誰かに教わった筈はないのに。
    感心しながら縄を掛けてゆく。

    全然痛くない!
    千佳は縛られながら驚いていた。
    もしかして、わざと緩めに縛ってくれてるの?
    その手首がぐいと高い位置に引き上げられた。
    はぁっ。
    ぐんと拘束感が増したが、痛みはなかった。
    いったいどうなっているんだろう。
    見下ろすと、自分の胸の上下を縄が締め付けていた。
    両手を動かそうと力を入れてみるが、腕も手首も数ミリすら動かすことはでいなかった。
    そうか。
    あたし、もう無力なんか。
    あたし、もうこの人の思いのままなんか。
    またたく間に千佳の心は被虐に満ちた。

    瀬戸は千佳の前に回って膝をついた。
    「足も縛りますか?」
    千佳は黙って首を縦に振った。
    顔全体が首筋まで赤くなっていた。
    足首を合わせて縛った。膝の下も合わせて縛った。
    スカートをたくし上げて太ももまで縛ろうとして、千佳の肩が細かく震えているのに気がついた。
    千佳は両目をぎゅっと閉じて、歯を食いしばっていた。
    瀬戸はそれ以上の縄掛けを止めてスカートを元に戻した。
    「できました」
    「は、・・はい」
    声をかけると、消え入りそうな小さな声で返事が返ってきた。
    よく耐えてるけど、もう、いっぱいだな。
    そろそろ突き落としてあげないと可哀想か。
    瀬戸は立ち上がって回りを見回す。
    章だけでなく、洋子も典子も、リョウもレイカも、優しく微笑みながら見ていた。
    よし。
    瀬戸は千佳の耳元でささやいた。
    「頑張らなくていいんですよ」
    「え、えぇ?」
    「あなたの望んだ通り、すっかり縛られてもう助かりません」
    「は、はい・・」
    「今の気持ちをしっかり味わって、素直に表現すればいいんです」
    「あ、・・あぁ、」
    ぎゅっと閉じた目にみるみる涙が溢れた。
    「あぁっ、あぁああんっ」
    千佳は大きな声で泣き出した。

    14.余韻
    縄を解かれた後、すぐに立ち上がった。
    「ありがとうございましたぁ!」
    瀬戸に向かって柔道の礼のように頭を下げると、ハンカチを出して目の下を拭った。
    大丈夫っ。あたしちゃんと立てる。
    頑張れ! 千佳っ。
    自分を励ましながらスカートの裾をぱんぱんと叩いていると、突然誰かに抱きしめられた。
    顔を上げるとそこに典子がいた。
    「千佳ちゃん、綺麗やった。うっとりするくらい綺麗やったよ!!」
    典子さん、あかんよぉ。せっかく我慢してるのに。
    「あっ、ぐ・・、ひっく」
    今、あたしの涙腺、ぐだぐだなんやからっ。
    「ああああ~ん!!」
    千佳は典子の胸に顔をうずめて、もう一度大声で泣いた。

    15.千佳の宣言
    千佳が祖父の家に夕食のおかずを届けにきた。
    「いつも悪いねぇ」
    「いいよ。それより母さんがたまにはこっちに来てご飯食べて下さいって」
    「はいはい、また寄せてもらうよ」
    返事をしながら、柳井は千佳がにこにこ笑っているのに気がついた。
    そういえば、今日は千佳の格好が違う。
    いつもは学校の制服かジャージなのに、今日は柄のTシャツとショートパンツだった。
    シャツの裾を括っていて、さすがにおへそまでは出していないもののショートパンツとの間に細く肌色が見えていた。
    孫娘ののびやかな肢体に目を細める。
    「千佳、その服は、もしかして」
    「えへへ、分かった? これ、KSの島さんにもらったの。あのときの衣装」
    「ほぉっ、ほぉっ。そうかそうか」
    KSの人に会いたいと電話してきたときは何か悩んでいたようだったが、島さんと話してけろりと治ったか。
    身体は大きくなっても、中身はまだ子供・・。
    「今日は、おじいちゃんに報告があります」
    「はいはい、何かな?」
    「あたし、高校に上がったらKSに入れることになりましたっ。父さんと母さんの了解ももらったから」
    何?
    「それは、千佳が自分で決めたことなのかい」
    「うんっ。・・反対なの? KSを教えてくれたのは、おじいちゃんやのに」
    「千佳が望むことには反対しないさ。・・ただ、あそこのショーは、ちょっと、」
    柳井は言いよどむ。
    「ちょっと、何?」
    「その、千佳も見た通り、ちょっと過激なところがあるから」
    「ビキニになること? それとも緊縛されること?」
    「ぶおっ、ふおっ、・・ごほんっ、むほん!!」
    あけすけに言われてむせてしまった。千佳が背中をさすってくれる。
    「大丈夫、おじいちゃん。少しくらい過激でも、絶対に無茶はせえへんから。柔道も続けるし」
    「そ、そうか」
    「・・ねぇ、おじいちゃん。おじいちゃんは、いつまでお仕事続けるの?」
    「そうだね。研究は道楽みたいなもんだし、できるうちは続けるつもりだよ」
    「それやったら、7~8年先でもお仕事してるよね」
    「先のことは分からんが、どうして7~8年なんだい?」
    「父さんと母さんには言わないでくれる」
    「分かった。内緒だ」
    「それくらい経ったら、あたし大人になってると思うから」
    「ん? 千佳が二十歳になるのは、えっと、6年先だろう?」
    「ううん。歳のことやなくて、いろいろなことを経験をしてあたしが大人の女性になること」
    「意味深だねぇ。・・大人になったら、どうするんだい?」
    「おじいちゃんが書斎でお仕事するとき、あたしも力になってあげたいなって」
    「何?」
    「無理に振り返ってくれなくても一生懸命頑張るから。・・典子さんもリョウさんもそうやってお手伝いしたって」
    「え? ・・まさか、ち、千佳!」
    「あたしね、おじいちゃんには、いつまでも元気でいて欲しいの。・・なら、お休みなさい!」
    千佳はそう言って玄関から飛び出していった。
    「いったい何のことだいっ。千佳っ、おおい、千佳~!!」
    柳井教授がうろたえる声を残して、千佳の姿はあっという間に見えなくなってしまった。



    ~登場人物紹介~
    桃園千佳: 14才。中学3年生で柔道初段。柳井教授の近所に済む孫娘。本話主人公。
    柳井淳: 64才。定年退官した大学名誉教授。妻を早くに亡くし、悠々自適の一人住まい。Club-LB 会員。
    リョウ: 22才。EA/FB。本名は加山涼。
    レイカ: 21才。EA/FB。本名は張麗華。
    黒川典子: 29才。KSマネージャー。
    黒川章: 30才。KS/Club-LB の緊縛士。典子の夫。
    瀬戸宗弘:21才。KS/Club-LB の若手緊縛士。
    島洋子: KS代表。
    ポールダンサーのお姉さん達: 洋子がイリュージョンショーに呼んだプロのヌードダンサー。

    約2ヶ月の休載、申し訳ありませんでした。
    キョートサプライズセカンドの第5話をアップします。

    今回の主人公は、中学3年生にしてKSの裏クラブを知ってしまう少女です。
    彼女のおじいちゃんは、第1部・第6話第1部・第7話 に登場した大学教授です。今は退官して、趣味で研究を続けているようです。
    第7話にはFBになったばかりの19才の典子が教授の書斎で縛られるシーンがあります。作者の好きなシーンなので未読の方がおられたら是非お読み下さい。
    美しく緊縛した女性を書斎に飾って執務するのは、私の理想とする生活の一つです。
    そのような女性を前にして指一本触れずに平然としていられるかどうか自信はありませんけれど^^。

    イリュージョンのネタはKSだってアダルト向けをするよ、ということでポールダンスを取り込みました。
    とはいえ、内部のメンバーでは適材がいないので、洋子さんが外からプロのダンサーを呼んだことにしました。
    今回は名無しのダンサーさん達でしたが、ちょっと気に入ったので、もしかしたらどこかで再登場してもらうかもしれません。

    さて拙サイトの今後についてですが、仕事の超多忙時期は何とか越せたものの、創作活動についてはまだ本調子ではありません。
    次作の掲載にまた時間がかかるかもしれないこと、お許し下さい。
    FCブログは1ヶ月間更新がないと広告が表示されるので、それまでには次作を上げたいと思っています。

    ありがとうございました。




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    No title

    おおおおおおお!!ついにキョートサプライズで遂にセクシーイリュージョンがきましたね!ポールダンサーのお姉さんがセクシーでいいですね。アダルト向けもやると管理人さんは前にも書き込みしましたが、まさか中学生の女の子に見せるとはwミニ・キューブのイリュージョンはまたポールダンサーのお姉さんが現れる演出がグット。スパイク・バスケットでは、千佳がおどおどする姿がかわいいですね。今回やったセクシーイリュージョンはなかなかダイレクトな演出ですね。プロのヌードダンサーは恥かしがらず豪快にビキニを脱いでましたね。個人的にダイレクトな演出よりも、純情そうな女の子がいきなり「ちょっと待っててね」と、子悪魔笑顔を見せゆっくり布で隠れて、その隙間から着ていた服を一枚一枚焦らしながら布の隙間から脱ぎ、下着すら脱いでもう着ている服がないと布で隠れている女の子想像して興奮して、布を取るとそこには・・・という演出の方が好きでけどね(笑)もちろんダメ出しではありませんよ。ポールダンスとイリュージョンの組み合わせは、私が観てきた動画や小説などではありそうでなかったので、とても楽しめました。管理人さんはいいフェチの組み合わせが凄くうまいです。

    Re: No title

    コメントありがとうございます!
    「おおお!!」と、楽しんでもらえてよかったです。
    ポールダンスとイリュージョンの組み合わせは珍しいのですか。あまり意識してませんでした。
    脱衣シーンについては、テンポとスピード優先であれよあれよという間におっぱいを出す流れにしたので、思い入れのある方には味気なかったかもしれません。
    もちろん、客の心理を手玉に取ってじわじわ1枚ずつ脱いでいくような演出も楽しいですね。
    ただしそれで萌えを狙うのは、セクシーと下品の境界が人により違うので、特に女性客に対しては難しいかもしれません。
    もっと少人数のサロンなどで客層を絞るとか、あるいは、エロ可愛いキャラが定着して女性にも人気のある女の子に演じさせるなど、状況設定を工夫する必要があるかなと思いました。
    この辺り、ドキドキしながら演じる女性とドキドキしながら見る女性を描くことがKSシリーズにおける作者の想いなので、面倒くさいと思われるかもしれませんが、ご理解下さい。
    プロフィール

    82475

    Author:82475
    女性の拘束に関わる小説/SSと
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