スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    囚われ島のナイフ投げ(1/3)

    ~冒頭ご注意~
    この小説は、当サイトの作品の中で最も残虐です。
    女性の人権が著しく軽んじられ、拷問・処刑されるシーンがあり、またハッピーエンドでもありません。
    つまり救いようのないお話です。
    女性の方、グロ表現の苦手な方には、お読みになることをお勧めしません。
    また、作者はこのお話をあくまでファンタジーとして描いており、決して現実の世界で女性を虐げる意図はありません。
    それを理解できない方がこの小説を読んで何らか犯罪的行為に走られても、作者は責任を負うことができませんので、どうぞご了解下さい。


    1.
    真っ暗な空間。
    スポットライトの丸い光の中でタキシードの男が一人、軽く頭を下げた。
    男は細いナイフを出して構えると、右側の暗闇に向かって投げた。
    ダン!
    ステージが明るくなった。
    男がナイフを投げた方向には大きな白い板が立ててあり、そこには少女が両手を広げて拘束されていた。
    16~7歳くらいに見える少女はブレザーの制服姿で、全身がんじがらめに縛りつけられていて微動だにできない状態だった。
    厳重な猿轡を施されて声も出せなくされていたが、大きく開かれた二つの瞳ははっきりと恐怖を訴えていた。
    彼女の頭の上には男性の投げたナイフが突き刺さっていた。
    男性は無言でさらに2本のナイフを出して構える。
    少女の目がぎゅっと閉じられる。その目に涙が光った。
    ダン!
    ダン!
    連続して投げられたナイフが的に刺さる。
    少女のまぶたが恐る恐る開き、眼球が左右に動いた。
    そして2本のナイフが自分の額の両側3センチと離れていない場所に刺さっているのを見ると、そのまま動かなくなった。
    太ももの内側に透明な液体が流れる。
    少女が意識を保っているのかどうか、客席からは分からなかった。
    仮に意識をなくしたとしても完全に固定された彼女の身体は崩れ落ちることはなく、少女はそのままナイフ投げの的であり続けるのだ。
    男は無造作に第4、第5のナイフを構える。
    彼はこのホール専属のナイフ投げだった。
    観客は彼が何本のナイフを「正しく」投げることができるかを賭けている。
    現在のオッズは次の通り:
    ・・ 30:2.3 31:1.7 32:1.6 33:2.1 34:2.9 35:4.4 36:8.2
    37:12.0 38:28.1 39:42.9 40:82.7 41:132.1 42:275.0 ・・
    つまり彼が40本以上投げ続けることができると思っている客はほとんどいないのだ。
    ふん。馬鹿にするな。
    男は両手にナイフを一本ずつ持って同時に投げる。
    バン!!
    少女の胸のすぐ脇にナイフが刺き立った。

    2.
    涼音は固いベッドの上で目を覚ました。
    起き上がろうとして左足に激痛が走る。
    痛い!
    左足を見ると太ももに包帯が巻かれていた。
    他にも身体のあちこちに小さな傷があって痛んだ。
    あたし、一体・・?
    思い出した。
    飛んでくるナイフ。
    ナイフを投げる男性の冷たい目。
    飛んできたナイフが自分をかすめて背中の板に当る衝撃音。
    「いやぁ~!!」
    寝転んだまま両手を顔にあてて叫んでしまった。
    「気がついたか」
    しわがれた声がした。
    「怪我が治るまで1ヶ月の診断だ。それまでよく休んで傷を癒せ」
    見上げるとあの男性だった。
    「あ、あ・・」
    「話もできないか。まあいい」
    男は黙って部屋を出て行った。

    3.
    そこは6畳くらいの病室だった。
    ドアが二つ。ひとつはトイレ。もうひとつは廊下に出られるようだが鍵がかかっていて開かない。
    窓はないけれど、曇りガラスの天窓があって昼夜の区別はついた。
    日に何度か医者と看護婦がやってきて涼音の怪我の手当てをする。
    食事も1日3回きちんと出た。
    「あの、ここはどこでしょうか」
    涼音が尋ねても看護婦は何も答えてくれなかった。
    「規則で何も教えられません。マスタに聞くことね」
    「マスタ?」
    「もうすぐ来るでしょう」
    その言葉の通り、あの男性がやってきた。
    「具合はどうだ」
    「・・」
    「まだ話せないか」
    「あなたが、マスタ、ですか?」
    「まあ、そういうことだ」
    「・・」
    「また来る」
    ・・
    男性は毎日決まった頃にやってきた。
    医者や看護婦は何も教えてくれないので、涼音は仕方なく男性に尋ねる。
    「ここはどこなんですか?」
    「隔離された施設だ。俺も、お前もここから出られない」
    「あたしは、どうしてここにいるんですか?」
    「お前は選ばれてここに来たんだよ。それを俺が引き取った。なぜお前なのかは俺も知らない」
    涼音はその瞬間を思い浮かべる。
    学校の帰り道、友達と分かれた直後、濡れたガーゼを口元に押しつけられて。
    気がつけば狭い箱の中。長い時間かけて運ばれてここに着いたんだ。
    「あたしは、帰してもらえるんですか?」
    「それは、お前次第だ」
    「?」
    「ここにはお前のような女がたくさんいる。ここから出て行った女もいる。お前も出て行けるかもしれない」
    どこに出て行くのかは知らないがな。男は心の中でつぶやいた。
    「ここでは俺がお前のマスタ、つまり主人ということになっている。俺の命令は絶対だから従え」
    「・・」
    「お前の名前はユキだ」
    「あたし、そんな名前じゃありません。あたしの名前は」
    「ここではユキと決まったんだ。以前の名前はどうでもいい」男がユキの言葉をさえぎった。
    ユキはベッドの上でぎゅっと膝を押さえた。その手に涙が落ちる。
    「まずは怪我を治すことだ」
    「・・」
    「もう分かっていると思うが俺はナイフ投げだ。怪我をさせたのは悪かった。次は大丈夫だ」
    「次?」
    「そう、次だ。お前が元気になれば、また的になってもらう」
    「そんな」
    「病室を出ても俺がいいと判断するまでステージには上げない。心配せずにゆっくり過ごせ」
    それまでに逃げられるだろうか? ユキは考えた。
    足が治るまでは無理。でも、その後ならチャンスはあるかも。
    「・・はい」
    「わかればよい」
    「あの、」
    「何だ」
    「お前って呼ぶのはやめて下さい。あたし、ユキでいいですから、名前で呼んで下さい」
    「わかった。ユキ」
    「それから、あなたは何て呼んだらいいですか?」
    「俺は田村だ」

    4.
    田村はユキを毎日見舞った。
    左足の怪我は完治したと診断され、ユキは田村に連れられて病室を出た。
    長い廊下を進んでエレベータに乗る。
    エレベータには行き先の階数ボタンも現在階の表示もなかった。
    ユキは首を回して自分の後ろを見る。
    背中に回された両手に手錠がかかり、そこから伸びた紐が田村の腰のベルトに繋がっている。
    これじゃ、逃げるなんてできない。
    「部屋の外に出すときは拘束するのが決まりだ。我慢しろ」
    エレベータを出た。
    「うわぁっ」
    その廊下には窓があって外が見えた。
    眼下に広がるのは真っ青な海だった。はるかに広がる水平線と白い雲。
    「ここは孤島だ。泳いで逃げようなんて思わないでくれよ」
    ふう。いったいここはどこなのよぉ。
    ・・
    連れられた部屋は広かった。
    大きなダブルベッド。ソファ。毛足の長いカーペット。
    床から天井まで一杯のガラス窓の向こうには青い海。
    ホテルの部屋みたい。
    ユキは後ろ手錠のまま勢いよくベッドに腰を下ろした。ベッドは柔らかくふわふわと揺れた。
    「お帰りなさいませ」
    声がして続きの間から少女が入ってきた。
    紺色のメイド服を着ている。
    「この人ですか」
    「ユキだ。ユキ、こっちはハル。仲良くしてくれ。・・俺は、打ち合わせがあるから行ってくる」
    田村はポケットから鍵を出してハルに渡すと、黙って部屋を出て行ってしまった。
    え・・っと?
    ユキは黙ってハルを見た。
    ハルは優しく微笑みながらユキの手錠を解いてくれた。
    この子、誰?

    5.
    ハルはユキと同じく誘拐されてきた少女だった。
    ひとつ年上の17歳、高校2年生。
    田村について4ヶ月になるという。
    「ナイフ投げの的は5回やったわ。幸い、大きな怪我は一回だけ」
    ここは不法なカジノを中心としたリゾート島だという。客は政治家、医者、資産家など。
    ここで田村は賭けナイフ投げをやっている。
    ナイフ投げの的になるのは、合法・非合法にかかわらず集められた女性。
    「何回投げられるかを賭けるの。『的』が死ぬか、怪我をするまでナイフが投げられるわ」
    ハルは別のナイフ投げの男が投げたナイフが的の少女の胸の真ん中に当るのを見たことがあるという。
    「わざと当てたんじゃないかと思うわ。『大穴』の回数だったから」
    「その子は死んだの?」
    「すぐ運ばれていったから分からないわ。でもあれで生きていたら奇跡だと思う」
    「あたし、怪我が治ったらまた的にされるって聞いた・・」
    「それは私も同じよ」
    ナイフ投げは何人かの『的』を所有することが許されている。
    ハルが来る前、田村には2名の『的』がいたらしい。
    「他の人の話で聞いたんだけど、田村さんは何か特別なアクロバットをやって二人に重傷を負わせたみたい」
    「・・」
    「今は私だけを使って、ナイフを投げているわ」
    「逃げられないの?」
    「それは、無理。・・この部屋も調べてみたらいいと思うわ」
    ユキは部屋を調べた。
    田村が出て行ったドアは、ノブも鍵穴もなかった。
    天井まで達する大きなガラスの窓は羽目殺しで開けることができない。
    「床にも天井にも開くところはないわ。・・田村さんが戻ってきてドアを開けてくれないと、私たちは廊下へ出ることもできないの」
    「ハルさんは、ここでは、この部屋では何をしているの?」
    「何も。自由にしていいわ。着るものや食べるものは何でも希望すれば届けてもらえるわ」
    「あの人は、田村さんはよくここにくるの?」
    ハルは笑った。
    「田村さんもこの部屋に住んでいるのよ」
    「え」
    「あの人、女性に対して不能っていうのかな。まあそういうことはされないから安心して」
    「そうなの」
    「でも疑い深いわ。何か隠し事をしているようなそぶりを少しでも見せたら駄目よ。ここで私達、何も隠しようがないのにね。あなたも気をつけて」
    ・・
    田村は深夜になって部屋に戻ってきた。
    ハルとユキをダブルベッドに寝かせ、自分はソファで寝てしまった。

    6.
    ユキがこの部屋に来て1週間が過ぎた。
    ハルはユキの衣服や身の回りのものを頼んで揃えてくれた。
    ユキの普段着はハルと同じメイド風の衣装になった。
    田村は毎日どこかに出かけ、大抵夜遅くに酒の匂いをさせて帰ってくる。
    ハルと二人だけの生活にもだんだん慣れてきていた。
    ・・
    「ユキちゃんもやる?」
    隣室からハルが声を掛けた。
    丈の短いTシャツとショーツだけの姿だった。
    続きの部屋は小さなキッチンなどがあったが、ハルはそこにべダルマシーンを置いてトレーニングルームにしていた。
    「どうしても運動不足になるしね。それにいざというときに体力は必要だし」
    ハルも逃げることを諦めたわけではないらしい。
    ユキはハルに貸してもらったTシャツを着て自転車を漕いだ。
    ハルはその横でダンベルを振っていた。
    汗をかいていると自分の境遇を少しは忘れることができる。
    「はぁ、はぁ、・・こんなにいいお天気なのに、あの海で泳ぎたいな」
    二人が軟禁されている建物は高い崖の上にあるらしい。
    青い海と白い砂浜が眼下に見えた。
    海岸のそばに小さな建物があって、煙突から白い煙がたなびいている。
    「そうね。でもあそこで人が泳いでいるのは見たことがないわ。・・一緒にシャワー使おう!」
    ハルの誘いに応じて二人で浴室に入る。
    二人で抱き合うようにしながらシャワーを浴びた。
    ハルはユキよりも色白で少し背が低く、胸は逆に大きかった。
    笑いながらお互いの身体をこすり合う。
    ユキはハルの脇腹に大きな傷跡があるのに気付いた。
    「ハルちゃん、これ」
    「あ、ナイフに切られた跡」
    「すごい大きな傷。可哀想・・」
    「ユキちゃんも、左足に刺さったんでしょ?」
    「うん」
    ユキの左に太ももにも傷があった。
    「ハルちゃん、あたし達、これからも傷が増えていくのかな」
    「・・」
    「ハルちゃん?」
    ハルはシャワーの湯を止めた。
    「傷が増えるだけだったらいいのよ。死なないようにしなきゃ」
    「うん、そうね」
    「それにね」
    「?」
    「身体にあんまり傷がつくと、商品としての価値が小さくなるから間引きの対象になるらしいわ」
    「間引きって?」
    「傷だらけで汚くなった女の子は処分されるってこと」
    「殺されるの?」
    「それは、分からないわ」
    「どうしたらいいの?」
    「・・・」
    ハルは裸のユキをぎゅっと抱きしめた。
    「田村さんに大事にしてもらうことよ。あの人が少しでも上手にナイフを投げられるように。あたし達に当らないように」
    「ハルちゃん」
    「ユキちゃん、一緒に生き延びようね。それで二人とも家に帰ろ」
    「うん、そうね」
    浴室の扉ががちゃりと開いた。
    「仕事だ。二人とも服を着るんだ」
    裸の二人を前に田村が無感動な声で言った。

    7.
    カジノの楽屋でハルとユキが着替えていた。
    銀色のハイレグのレオタードのようなコスチュームだった。
    足元には銀色のショートブーツ。
    二人は髪をアップにして化粧を施された。
    「行くぞ」
    田村が来てステージの脇につれていかれた。
    「今夜はハルが的だ。ユキはハルに万一のときの補欠だ」
    ハルの顔がこわばった。
    「わかりました」固い声で答える。
    がんばって、といいかけてユキは止めた。身動きひとつできず縛りつけられるだけなのに、いったい何をがんばるというのか。
    ただ黙ってハルを抱きしめて、背中を撫でた。
    ステージでは前のショーが続いていた。
    サーカスの調教師のような格好をした男性が全裸の女性に鞭を振るっていた。
    女性は頭上で縛られた手首を吊られ、そして床から1メートルほど離れた両足は両端に足枷のついた金属パイプで大きく開脚させられていた。さらにパイプの中央には鉄の錘がぶらさがっている。
    彼女は手首の縄だけで自分の体重と金属パイプ、鉄の錘を支えているのだった。
    ピシリ。
    ピシリ。
    鞭が女性の肌を撫でる度、その跡に赤い筋が刻まれていく。
    女性は目をぎゅっと閉じて耐えている。
    ピシリ。
    女性の胸に鞭があたる。
    遠めにも彼女の乳首がはっきり勃起しているのが分かった。
    「あぁっ」
    我慢しきれずに女性が声を上げた。苦痛と官能の声。
    どぉっと拍手と歓声が起った。
    「ありゃ駄目だ。あんなに早く声を上げたらカジノは大損だね」田村が人ごとのようにつぶやく。
    ステージの男が別の鞭に持ち替えた。
    その鞭の先は細い針でぎっしりと覆われていた。
    吊られたままの女性に鞭が打たれた。
    バチッ。「ンギァアアア!!」
    女性が悲鳴を上げた。先ほどとは全然違う叫び声だった。
    バチッ。
    無数の針が肌に食い込み、そして肉をそいだ。
    女性の身体が空中でくるくる回る。
    男は女性の全身をまんべんなく打ちすえると、今度は乳房と性器だけを集中的に打った。
    ステージの床に赤い液体と肉片が飛び散る。
    ハルがユキの手をぎゅっと握った。
    ユキがハルを見ると、ハルはステージに顔を向けたままだった。
    その顔は驚くほど無表情だった。
    ・・
    鞭打ちが終わり、男が血まみれの女性を引きずって戻ってきた。
    「行くぞ。ハル」
    交代に田村がハルを連れてステージに出て行く。
    ユキの近くに女性が放り出された。身体中の皮膚がむごたらしく裂けている。
    生々しい、血の匂い。
    「ぁぁ・・」
    かすかなうめき声。
    ユキは正視することができずに横を向いてしまう。
    「ほい、そっち持って」
    男性の声、続いてごそごとという物音。
    「運ぶぞ」
    振り返ると、作業服の男性が大きな麻袋を担いで出て行くところだった。
    まだ生きているのに!
    でも、たぶんあの人は生き延びられない、と思った。
    ここでは女の命は紙切れみたいに軽いんだ。
    あたし達も田村さんに逆らったら、あんな風にされるんだ。

    8.
    ステージではハルの準備が整えられている。
    大きな円板にハルが両手を広げて固定された。
    手首、肘、腹、膝、足首、そして首。
    たくさんのベルトがハルの身体にかかる。
    耳から口にかけても猿轡を兼ねた皮のベルトが掛けられ、彼女の頭部を固定する。
    ハルが自分の意志でできることは、呼吸と瞬きを除けば指先を動かすくらいになった。
    円板をくるりと回してハルを1回転させる。
    後方の電光掲示板にオッズが表示されて行く。
    田村が的から離れ、ナイフを一本構えて投げた。
    ダン。
    ナイフはハルの両足の間、股間から約5センチの位置に突き立った。
    デモンストレーションを兼ねたリハーサル。
    それを受けて電光掲示板の数字が変化し、投票が締め切られた。
    ・・ 24:2.8 25:1.6 26:1.3 27:1.9 28:2.2 29:3.0 30:3.6
    31:8.1 32:14.5 33:32.4 34:86.3 35:129.9 36:342.5 ・・
    何だ、失礼な。
    的が回転するという分を割り引いても低すぎる。
    ユキのときに失敗したからか?
    くそ。
    田村は憮然とした表情でハルの的に歩みよると、的の縁を両手で持った。
    ハルが田村を見る。
    「行くぞ」
    ハルが目で頷いた。
    ぐい。力を込めて引き下ろした。
    円板が回り始める。
    田村は元の立ち位置に戻るとナイフを構えた。
    5メートル先で大の字になったハルがくるくる回転している。およそ、1秒に1回転。
    ふう。見ていろよ。
    ダン、ダン、ダン、ダン。
    ナイフが連続して宙を飛び、ハルの身体の輪郭を縫いつけていく。

    9.
    「ハルちゃん、大丈夫?」
    部屋に戻ったハルはベッドに横たわり、胸を押さえて動かない。
    ハルの右腕に包帯が巻かれている。
    43回目に投げたナイフがハルの右手を流血させて、田村のナイフ投げは終わった。
    ハルとユキを連れて部屋に戻った田村はハルの怪我が軽傷なのを確認するとすぐに出ていってしまった。
    田村は回転板へのナイフ投げで新記録を打ち立てて、カジノを大儲けさせたのだった。
    多分、今夜も深酒して帰ってくるのだろう。
    「ハルちゃん?」
    ユキがハルの背中を撫でる。その背中は細かく揺れていた。
    「あぁっ」
    やおらこちらを向くとハルはユキをベッドに引き倒して抱きついた。
    「私、死ななかったよぉ。また生きられた・・」
    ユキの頭を抱きしめる。
    ハルの心臓の鼓動がユキにも分かった。
    「よかったね。本当に」
    「私、私、・・」
    ハルの背中が再び震え、続いて嗚咽が流れた。
    ユキは黙ってハルのするままにさせた。
    やがて、ユキの頬をハルの両手が押さえた。
    「?」
    「ごめんなさい」
    そのままハルの顔が近づき、二人の唇が触れ合った。
    「お願い、私を裸にして、抱いて」
    「ハルちゃん・・」
    「自分でも変だと思う。でも、我慢できない・・」
    「うん、いいよ」
    ハルのシャツを脱がせる。
    ブラをずらすと、ぷるりとおっぱいが現れる。
    固く尖った先端をそっと口に含む。
    「はあぁっ」
    ハルが声を上げる。
    ユキはそのままハルの首筋を撫でた。
    ハルの身体がぶるぶると震える。
    ・・
    明け方になってユキは目を覚ました。
    目の前にハルの寝顔があった。
    ハルは何も身につけていない。
    いけない、あたしも裸だ。
    ユキはベッドのシーツを引き寄せて二人の身体にかけた。
    田村の姿はまだ部屋になかった。
    彼がナイフを次々と投げる姿を思い出す。
    その向こうで的になって回転しているハル。
    あのとき、ハルちゃん、どんな顔をしていたっけ?
    かなりの速さで回ってたし、猿轡もされていた彼女の顔ははっきりと見えなかった。
    でも、その表情は恐怖だけではなかったように思う。
    そうだ、ハルちゃん、可哀想だけど綺麗だった。
    あたしも的になりたいの?
    もっとひどい結果になるかもしれないのに。
    ナイフが刺さって血を出して・・。
    生々しい血の匂いがよみがえる。
    あのステージでナイフ投げの前に鞭で打たれていた女の人。
    凄惨だった。
    あれは、イヤ。絶対にイヤ。
    残酷で、怖くて、おっぱいとあそこを打たれて、・・どきどきした。
    あ~っ、あたし。何を考えてるの。駄目だよ。
    あんな酷いことに憧れちゃ。

    続き




    関連記事
    スポンサーサイト
    [PR]

    [PR]

    コメントの投稿

    非公開コメント

    プロフィール

    82475

    Author:82475
    女性の拘束に関わる小説/SSと
    落書きを書いてます。

    更新案内と目次


    自己紹介
    メール送信/コメント投稿について

    カテゴリ
    最新記事
    最新コメント
    ブログ内記事検索
    (コメントの検索はできないみたいです)
    リンク

    ◎pixiv

    pixiv 82475のpixivページ
    R-18/R-18G 閲覧設定していないと見れません。

    ◎検索サイト

    駄文同盟.com
    駄文同盟.com


    ◎このブログへのリンクについて

    リンク、ブックマークは
     http://82475.blog15.fc2.com/
    へお願いします。
    「いつか感じたキモチ」 バナー
    メールフォーム

    名前:
    メールアドレス:
    タイトル:
    本文:

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。