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    囚われ島のナイフ投げ(2/3)

    10.
    帰ってきた田村は機嫌がよかった。
    ハルとユキを連れて施設の中を案内してくれた。
    ホールやレストラン、カジノ。
    楽しそうに歩く田村とその後に手錠で繋がれて歩くメイド服の少女達。
    「あら田村。可愛い女の子二人も連れて、売りにでも出すの?」
    白いセーラー服にルーズソックスを履いた女が声をかけてきた。
    セーラー服を着ているといっても、髪を金色に染めて化粧も派手な大人の女性だった。
    超ミニのスカートから出た太ももは色黒でざらざらしてて、あまり綺麗ではなかった。
    「そんなことするかよ。こいつらは俺を儲けさせてくれる幸福の女神なんだ。ここを見学させてるところさ」
    「ふ~ん。そうなんだぁ。売るならあたいが買ってあげよと思ったのに」
    女はユキに近づくと、右手の中指でユキの顎を持ち上げた。
    「この子いくつ?」
    「16だ」
    「モノホンの女子高生? いいわねぇ。・・うふふ、こんなところに連れてこられて悲しい?」
    女の左手がスカートの下に入り、太ももの内側を無遠慮に撫で上げる。
    ああっ。嫌っ。
    女の目に見据えられて、ユキは硬直したように動くことができない。
    「そこまでにしてくれ。これは俺の持ち物だ」
    田村が止めてくれた。
    「ひゃはは。・・いつかあたいと遊ぼうね、お嬢ちゃん」
    女はユキから離れると、手を振って去っていった。
    「あいつはマリーといって女のくせに女を相手にする拷問人だ。・・大丈夫か?」田村がユキを見て聞いた。
    ユキはがたがた震えていた。その目に涙が光っている。
    「心配するな。俺がお前達をあんな女に引き渡すかよ」
    ハルがユキの肩にそっと頬を寄せてくれた。
    ・・
    その部屋は冷たくて無機質な雰囲気だった。
    コンクリートむき出しの床に、いろいろな木箱や工具類。
    医療手術に使うようなベッドと照明。
    何に使うのか分からない様々な金属の器具。
    あそこに無造作に立てかけてあるのは、もしかして十字架?
    「ここはいろいろな『実験』を公開する部屋だ。そういうことに興味を持つ客もいてな」
    「実験、ですか?」
    「そうだ。女を材料にした人体実験だ」
    「多分、女の人を面白半分になぶって殺すのよ」ハルが小さな声で教えてくれた。
    何ということを。
    ユキは胸が気持ち悪くなった。
    あそこの、セメントの台・・。あの黒いしみは血?。
    「怖いか」ユキの顔色を見て田村が言った。
    「そうだろうな。俺も初めてここで見せられたときは驚いたよ。・・でも人間、どんな環境にも慣れるもんだ」
    田村は二人を連れて部屋を出た。
    エレベータで下りて長い廊下を歩く。鉄の扉を開けると強風が吹き抜けた。
    扉の外は洞窟で、さらに歩くと海岸に出た。海は荒れていた。
    見上げると崖の上に大きなホテルのような建物が見えた。
    ハルとユキはすぐに理解した。ここ、あたし達の部屋から見える海岸だ。
    小さな建物があった。屋根には不釣り合いに大きな煙突。
    建物の入り口に鉄の扉あって大きな南京錠がかかっていた。
    「ここは処分した女の焼却場だ」
    二人の少女は息をのんだ。
    この煙突から煙がたなびくのを何度も見ていた。あれは・・。
    「どんな女も最後はここに来る。ほんの一部、島の外に買われて行く幸運な女を除いてな」
    田村は二人に向かい合った。
    「ここでは権力を持った人間以外の命は、金で買える。お前らの命は俺が握っている。そして俺の命もまた上の人間に握られているのさ」
    風がごおっと吹いてユキの頬に冷たい水滴がかかった。
    寒い、と思った。
    「お前らは大事な商売道具だ。殺したり傷つけたりはしないから安心しろ。俺がナイフを投げるときだけ命を預けてくれればいい」
    田村は頭をかいた。
    「それだけだ。戻るぞ」
    そう言って洞窟の方に歩き出した。
    「田村さん、マスター」
    ハルが呼びかけた。田村が振り向く。
    「あの、もしあたし達の身体が傷だらけになって、醜くなっても、ずっと生かしてくださるんですか?」
    「・・そういうことは、考えるな」
    田村はそれ以上何も言わなかった。

    11.
    ユキのステージは4日後にやってきた。
    「あの、衣装を希望してもいいですか?」
    「それは俺が決められないことだ。決められないが、頼んでやることはできる。何だ」
    「ありがとうございます。その、できるだけ露出が大きいのを。裸、は恥ずかしいから、ビ、ビキニとか」
    「わかった」
    横でハルが驚いているのが分かった。
    できるだけ肌を覆う衣装の方が怪我をしにくいし、生き残れる確率も高い。
    それは分かりきっていることだ。なのに、ユキちゃんは何故?
    「ごめんハルちゃん。でもあたし、試してみたいの」
    飛んでくるナイフを自分で避けることはできない。
    それならいっそ、堂々と身体を晒して神様に運命をゆだねた方がいい。
    それに・・。
    ユキの脳裏に、全裸で吊られて鞭打たれていた女性の姿がよみがえる。
    その姿は毎晩夢に現れていた。夢の中で鞭打たれて血まみれになるのはユキだった。
    あたし、もう自分を理解している。
    どうせ貶められるなら、精一杯、惨めな思いをしたい。
    ・・
    ユキが回転板に縛りつけらた。
    身につけているのは乳首と局部をわずかに覆うだけのマイクロビキニ。
    幕の向こうに、自分と同じ格好で心配そうに立っているハルが見える。
    ごめんね。ハルちゃんまで同じ格好させて。
    頭を正面に向けられて固定された。
    もうあたしは、田村さんのナイフの前に無力だ。
    客席は満員だった。
    前回、記録を更新した田村のナイフ投げは評判を呼んでいるのだ。
    ユキは身体の隅々まで気をやった。
    こんなたくさんの人があたしを見ている。あたしの身体を見ている。
    あたしのおっぱいやお腹にナイフが刺さるのを期待している。
    目の前に田村が立った。
    構えた手にナイフが光った。
    来る!
    心臓が止まりそうだった。
    ダン!!!
    脇の下、左の胸のすぐ脇にナイフが突き立った。
    ああああっっ!
    身体じゅうがぶるぶる震えてしまいそうだった。
    胸の先が尖る感覚。
    あぁ、あたしの乳首、絶対に立ってる。
    こんな小っちゃなブラだと分かっちゃうよ。
    ユキは頭を固定されているので自分の身体を見ることもできず、ただ前を見ているしかなかった。
    ・・
    ユキちゃん、感じてるんだ。
    ハルはユキをじっと見ていた。
    前を隠していた両手をおろして自分の身体を見おろす。
    私もこの格好でナイフを投げられたら、ああなっちゃうのかな。
    死んじゃうかもしれないのに。
    ・・
    リハーサルの一投で投票が締め切られ、電光掲示板に最終のオッズが表示された。
    驚きの声がさざ波のように客席に広がる。
    田村はあえて掲示板を見ないようにしていた。
    ふん。
    田村は回転板に歩み寄る。
    その驚きを本物にしてやるぜ。

    12.
    「行くぞ」気がつくと田村が回転板の縁に手をかけて自分を見ていた。
    はい、お願いします。
    ユキは目で答えた。
    ぐるんと世界が回った。
    自分を照らすスポットライトが視界の中でぐるぐる回っている。
    頭に血が上る感覚。
    視界の中に田村が現れた。
    大きく振りかぶって構えている。
    まだかまだかと思っていると、ようやくナイフが放たれた。
    ナイフが空中に浮かんで見えた。
    すべてがゆっくりと動く、不思議な感覚だった。
    飛翔するナイフの軌道が光る直線としてはっきり見えた。
    その直線を延長して的と交差する位置。
    そこは円板の円周上を移動する自分の頭の予定位置と同じ場所だった。
    ユキの頭がその場所に達したとき、ナイフの先端はユキの顔面からほんの20センチの空間にあった。
    ナイフの先端がぴたりと自分を指しているのが見えた。次の瞬間。
    ダン!
    ナイフがこめかみの横に突き立つ衝撃が伝わった。
    ダン! ダン!
    衝撃が連続する。
    ああぁぁああぁっっ!!!
    すべての衝撃がエクスタシーだった。
    次々飛んでくる凶悪な衝撃の前で無防備なあたし。
    どうぞ、・・あぁ、どうぞ、あたしを貫いて。
    ダン! ダン! ダン!
    ぐるぐる回る景色がぼやけてきた。

    的

    ・・
    気がつくと、強烈な騒音の中にいた。
    頭がズキズキした。
    何?
    ゆっくりと視界がクリアになった。
    上下逆になった田村が目の前でガッツポーズをしていた。
    騒音は歓声と拍手の嵐だと気付いた。
    田村がやってきて、頭が上になるように回わし、そして猿轡のベルトを外してくれた。
    ユキは急いで自分の周囲を確かめる。
    ひゃっ。
    回転板にはぎっしりと無数のナイフが突き立っていた。
    身体のどこかが傷ついた様子はどこにもなかった。
    「やっぱりお前は俺の天使だよ!」
    田村がユキの頬を両手で押さえてキスをした。
    そして「ヒャッホゥ~!」と叫びながら回転板を力いっぱい回転させた。
    「きゃぁっ」悲鳴をあげてぐるぐる回るユキ。
    その前で田村は客席に向かって再びガッツポーズを繰り返していた。
    ・・
    回転板から開放されたユキはまっすぐ立つことができず、ハルが支えてくれた。
    ハルは涙ぐんでいた。
    「本当によかった。ユキちゃん生きててくれた」
    「えへへ」ユキは力なく笑ってみせる。
    「まだ世界がぐるぐる回ってるよぉ」
    舞台の袖で足がもつれた。ハルは支えきれずに二人で倒れた。
    「ねぇ・・」
    ゆきはハルの膝に頭をのせたまま聞いた。
    「あたし、無傷だよ。どうして終わったの?」
    ハルは身を起こしてユキの頭を撫でた。
    「分からなかった? 最後のナイフはユキちゃんの頭に当ったのよ」
    「え」
    「でもね、ぎりぎり髪の毛を切っただけで済んだの。回転が止まってもユキちゃん動かないし、私もう絶対に死んじゃったと」
    ユキは慌てて自分の頭を触った。
    ツインテールにくくっていた右半分の髪がざっくりとなくなっていた。
    「・・!!」
    声を出さずに叫ぶユキの背中をハルはいつまでも撫でていた。

    13.
    その夜ハルとユキはベッドで裸で抱き合った。
    お互いの身体を求めあい慰めあって、明け方になって泥のように眠った。
    目が覚めると暗かった。
    一日中寝てたんだ。
    ユキはベッドをそっと抜け出し、浴室で熱いシャワーを浴びた。
    湯気で曇った鏡を指で拭く。
    その中でこちらを見るユキの髪は超ショートになっていた。
    ハルがぎこちない手で切り揃えてくれたのだった。
    まるで男の子。
    涙が一筋こぼれる。
    でも、髪の毛があたしの命を守ってくれたんだもの、感謝しなきゃ。
    涙を洗い流すように顔面をシャワーに向ける。
    突然後ろから抱かれた。
    「ひゃ」
    「ショートカットのユキちゃんも可愛いよ」
    ハルだった。彼女も裸だった。
    「ハルちゃんっ。・・あ、また」
    ハルの手がユキの胸を揉む。
    「次は私もビキニにする。その方がきっと死なないと思うもの」
    「あん」
    のけぞりながら返事のできないユキ。
    「それに、あの格好で回るユキちゃん、綺麗でセクシーだった」
    ハルの手の力が弱まるのを待っていたように、ユキがハルの後ろに回った。
    「ありがと。きっとハルちゃんも綺麗だよ。おっぱいだってあたしより大きいし」
    そしてハルの胸を揉みしだく。
    「ん・・」ハルが声を押し殺す。
    ユキの右手が下に降りてハルの太ももの間に入る。
    「あ、やだ。ユキちゃん。・・ん、あぁ」
    ユキの指が動くとハルの腰がゆっくりと沈んだ。
    ・・
    バスタブに張ったお湯の中で二人は抱き合っていた。
    仰向けに入ったハルの上にユキが覆いかぶさるように入っている。
    キスをする。乳首をつまみあう。そして互いの性器を刺激しあう。
    「大好き」「あたしも」
    いつまで二人でいられるのだろう。
    いつまでこんな生活が続くのだろう。
    「ねえ、私達、本当の名前を知らないよね」
    「そういえば、そうだよね」
    「私、宮城慶子」ハルが言った。
    「あたしは、高山涼音」ユキも言った。
    「すずねちゃん」
    「けいこちゃん」
    ユキはくすっと笑った。
    「どうしたの?」
    「だって、ハルちゃんってあんなにエッチなのに、慶子なんて、すごい優等生みたいな名前」
    「何よぉ。涼音だってどこかのお嬢様みたいな名前じゃないの。本当はおっぱい揉まれるのが大好きなくせに」
    「もぉっ、言ったなぁ」
    ユキがハルに抱きついてお湯の中に頭から沈めた。
    「んぱっ!!」
    もがきながら今度はハルがユキをお湯に引き込んだ。

    14.
    その翌々日の夕方になって田村がようやく現れた。
    足元がおぼつかない。3日の間ずっと飲み続けていたようだった。
    「65本だぜ。誰にも抜かれないレコードだ」
    シャンパンの瓶と大きなケーキの箱を持っている。
    「俺の腕を認めさせたんだ」
    ケーキの箱をどんと置く。
    「お前達も食ってくれ」
    ケーキなんて頼めばいくらでも届けてくれるのに。
    ユキとハルは苦笑しながら、それでもケーキを切り分けてお皿に並べた。
    「ハルも、ユキも、飲めるだろう?」
    紅茶を入れようとカップを並べていると、田村がシャンパンを開けてカップに入れてしまった。
    仕方ない。
    「カンパイ。チアーズ!」
    田村の声に二人はカップのシャンパンを飲んだ。
    ユキとハルがケーキを食べている間にも田村はシャンパンをあおり続け、やがてテーブルに頬をついて眠りこけてしまった。
    仕方ないね。
    二人がかりで田村をベッドに運ぶ。
    酒の臭いがぷんぷんした。
    「ふう」
    眠る田村を前に二人で顔をあわせて笑った。
    「可愛い人」
    「田村さん、面白い」
    と言ったユキの目が光った。
    田村のズボンのポケットからキーホルダーが覗いている。
    「これ」
    そっと手を伸ばして抜き取る。
    「駄目よ」ハルが止める。
    「でも」
    テーブルに置いたキーホルダーを二人の少女が見つめた。

    続き




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