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    Sisters 第7話(1/2)・女縄師のお仕事 ~高院遥の華麗なる24時間~

    「きゃぁ~!!」
    高院遥(こういんはるか)が台所で悲鳴を上げた。
    「どうしたっ」同居人の木場裕巳(きばひろみ)がダイニング兼居間から声をかけた。
    「ゴ、ゴキ、ゴキ・・」
    遥は震える手で流し台の下を指す。そいつもこちらの様子をじっとうかがっているようだ。
    「よーし、待ってろ」
    「は、早く来てよぉ。どっかに隠れちゃう」遥が情けない声で頼む。
    裕巳が丸めた新聞紙を手に台所にやってきた。
    遥は片手にお玉を持ったまま、台所の奥の壁にぴたりと背をつけて、ゴキブリとにらめっこしていた。
    「遥はこっちに出て待ってろ」
    「駄目」
    「どうして」
    「あ、足がすくんで動けない」
    しゃあないなぁ。
    裕巳は新聞紙を振りかぶる。狙いは流し台の下だ。
    ぱしり。当たった!!
    いや、そいつはわずかにかわして逃げ出した。すばらしいスピード。
    ぱしり。ぱしり。何度も叩くが、間に合わない。
    そいつが向かう先には遥がいた。「や、や、や」情けない声を上げている。
    そいつは奥の壁に突き当たると、遥のショートパンツの素足を這い上がり、膝の上で止まった。
    よし、そこなら!
    すかさず叩く。床に落ちたところをもう一回、叩く!!
    「やったぞ」
    ゴキブリは仰向けになって動かなくなった。長いヒゲだけがぴくぴく動いている。
    ティッシュでつまんで水洗トイレに流した。
    「片付いたよ。・・大丈夫かい?」
    遥は最初とまったく変わらないポーズで硬直していた。
    「遥?」
    「び、びぇ~っ。あ、足あし足の上、登ってきたぁ~!!」
    はぁ。これが、新進気鋭の女縄師なのかねぇ。
    とりあえず、コンロの火を消して遥の手に握られたお玉をまな板の上に置いた。
    「よしよし。怖かっんだね」遥の頭をなでてやる。
    「びぇ~ん!!」
    遥は裕巳に抱きついた。
    ・・
    遥と裕巳はおよそ1年前に知り合った。
    たまたま居酒屋で隣に座って意気投合し、2ヶ月後に遥が訪問縄師の仕事を始めたときから同棲している。
    国立大学の工学部のオーバードクターで研究室の技官をしている裕巳にしてみれば、遥の縄師という仕事はまったく異世界のものだった。
    遥が見せてくれた写真には、様々に緊縛された女性が写っていた。
    中には全裸で開脚して逆さ吊りになっている写真もあって驚かされた。
    自分で撮ったデジカメ写真だから、何ひとつ隠すところなく鮮明に写っている。
    「これ全部、遥が縛ったの?」
    「うん。えへへ、ちょっと刺激的すきたかしら?」
    「そうだね。でも、意外と綺麗なものだと思ったよ、緊縛って」
    「でしょ? もっと綺麗に縛れるよう、まだまだ修行中なんだけどね」
    「遥は僕も縛りたいの?」
    「私が縛るのは女の子だけだよ。でも、裕巳に興味あるなら縛ってあげてもいいよ。そうか、縛りたい方だったら、私がコーチ兼モデルしてあげるよ」
    「僕はどっちも遠慮するよ。でも遥が夢を追いかけて日本一の縄師になれるようには応援するよ」
    「優しいんだね、裕巳。ありがとうっ」
    こうして、裕巳は遥の仕事に直接触れることなく、そして遥も裕巳にそれ以上強要することなく、一緒に暮らしている。
    互いの仕事や過去のことには不必要に立ち入らず、それ以外は共有する生活は、二人にとって心地よい大人の関係であった。
    ・・
    ゴキブリ騒ぎで遥が平静を取り戻すまで30分かかり、それから裕巳は遅刻して大学に出ていった。
    その後、遥は洗濯と掃除をする。またゴキブリが出ないかドキドキしたが幸い何にも出くわさずに片付いた。
    スーパーで買物を済ませ、午後から書道教室のアルバイトに行く。
    高校時代に毛筆検定2級資格を取っていたことと、遥の書を教室の先生が気にいってくれたことで、遥は小学生に習字を教える講師をしているのだ。
    訪問縄師の仕事で得られるお金は不安定なので、収入的には書道教室の方が本業である。
    優しく丁寧に指導する遥は子供に人気があり、保護者の評判もよかった。
    もちろん、この小柄で温厚な「高院先生」が実は女性緊縛専門の縄師であることは書道教師の誰も知らない事実であった。
    書道教室の小学生クラスは午後6時まで。
    その後ファーストフードのサンドイッチで夕食を取ってから、いよいよ訪問緊縛サービスの仕事に向かう。
    ・・
    独り住まいのアパートに遥を迎えたお客は磯川敦子。27才で公務員だという。
    「これを、使ってもらえるでしょうか」
    敦子がそう言って恥ずかしそうに遥に渡したものは、カプセル型の赤いローターである。
    ケーブルで繋がった手元の電池ボックスからコントロールできるようになっている。
    「きゃあ♥、可愛いっ。いつも使ってるんですか!?」
    遥がローターを見て歓声を上げたので、敦子は少しずっこける。
    「あ、はい。その、一人でいるときに」
    「ですよねっ。彼氏には見せられないですよね。女の子の方からピンクローター見せたりしたら男性って引くんですよね。女だって、ローターくらい使うわよ! って言いたいのにね~」
    「いえ、あたし、お付き合いしている人はいなくって、ずっと一人なんです」
    「あ、そうですか。ごめんなさいっ。私、気にさわること言っちゃったかしら」
    「いいえ。・・くすっ」敦子は口に手をあてて笑った。
    「?」にっこりしなから首をかしげる遥。
    「縄師さんって、もっと怖い感じの人かと思ってました」
    「あ、私、怖くないですか? やっぱり」
    「ええ、ぜんぜん」
    「うーん。私、こんなチビで中学生に間違われるような見かけしてますからね、縄師の威厳っていうか、重々しさが足りないな、とは思ってるんですよ。でも、先生に言われたんですけどね。あ、先生っていうのは私の緊縛の師匠なんですけど」
    遥は勢いよく喋り続ける。敦子は笑いながら聞いている。
    「・・別にそれでいいじゃないか、お前にはお前の持ち味があるからって。・・だから」
    遥は自分の胸をどんと叩いた。
    「私、決めたんです。お客様に親しみを感じてもらえる縄師になろうって。・・ほら、女同士じゃないですか。仲のいいお友達とぺちゃくちゃお喋りしながら縛ってもらう、そんな感じでもいいかなって」
    「・・遥さん、いい人なんですね」
    敦子が言った。「あたし、ローターのこと、お願いするの恥ずかしかったけれど、平気になりました」
    「そうそうっ。ぜんぜん恥ずかしくないですっ」
    「あたし、いつも自分を縛ってローター使うんです」
    「自縛ですか?」
    「はい。下着の上にローターを当ててジーンズ穿いて、膝をロープかガムテープでしっかり縛って、それで手首は下げられないように、ドアのノブに縛るとかして」
    「あ、それ、もしかして、自分を壊すオナニー」
    「知ってましたか? それでローターの振動が最高になるようにして、コントローラーを放り出すんです」
    「うわぁ。・・どうなりますか?」
    「電池が切れるまで、そのままです。何度もイッて、意識をなくして、気がついては、またイッて」
    「・・敦子さん、あたしが縛る必要ないんじゃないですか」
    「もう自縛じゃ駄目なんです」
    「・・」
    「何時間も悶え狂って、とことん堕ちる気持ちを味わっても、最後は自分で縛めを解くんです。自縛は自分で解けるから自縛なんです」
    「・・じゃぁ、」
    「あたし、人に縛ってもらうのは初めてです。あたしを自分では解けないように縛って、それでローターを当てて下さい」
    敦子の目が妖しく光り始めている。願望を口に出すだけで身体が熱くなっているようだった。
    「実はあたし、来月結婚するんです。相手の人は普通の男性です。このローターも処分するつもりです」
    「そうだったんですか」
    「お願いです。絶対に逃れられない絶望感を味あわせて下さい。・・ああ、あたし本当に変態です。でも、一回だけ、たった一回だけ、経験したいんです」
    「敦子さん・・」
    遥はしばらく敦子の顔を見て考えていたが、やがて言った。
    「分かりました。・・ただ、ご結婚されたら、ご主人になる男性を愛して下さいね」
    「ええ、もちろんです」
    「ご主人のペニスもですよ」
    「あ、・・はい」
    「よかった。じゃ、縛りましょう」
    ・・
    遥は麻縄を出した。
    あまり締め過ぎないよう注意して敦子を後ろ手に縛った。
    敦子はTシャツとショーツだけの姿である。
    胸の上下には縄が巻きついて、やや大ぶりなバストをいっそう大きく見せていた。
    左右の足は膝で折って、それぞれ太ももと脛をまとめて縛った。
    そして太もものつけ根からウエストにかけて柔らかい細引きで縛り、ショーツの下に埋めたローターが外れないように押さえつけた。
    既にそのショーツは、黒い茂みがはっきり透けて見えるほどに濡れている。
    「はぁ・・、は、恥かしいです」
    敦子は自分の股間を見下ろして、小さな声で言った。
    「恥かしいなんて言ってられなくなりますよ。生まれて初めて縛られた気分はどうですか?」
    「胸がいっぱいです。すごくすごく、息ができないくらい。・・この縄、もう自分では絶対に解けないですよね」
    「はい、絶対に無理ですね。敦子さん、もう私の思いのままなんですよ」
    「ああ、そうやって言われるだけで刺激的です」
    「では最後の確認ですけど、ローターが自然に止まるまで何があっても助けない、ということで本当にいいですか」
    「はい」
    遥はローターのコントローラーを敦子の背中の手に握らせた。
    「じゃあ、心の準備ができたら、後は自分で地獄に落ちて下さい」
    敦子は黙って遥を見た。その目はもう十分潤んでいるようだった。
    やがて彼女は深呼吸をして、少し微笑んだ。
    そしてスイッチをMAXまで入れてコントローラーを放り投げた。
    ブブブブブ。ローターが鈍い音をたてる。
    敦子は両目をぎゅっと閉じ、すぐに声を上げた。
    「あ、あああああ、・・・ひっ、やぁああああ」
    全身がバネのように跳ねる。
    「あ・・、あたし、あたし、・・・ひ、・・ああ!!」
    そのまま床に転倒し、縄が食い込んだ身体を激しく仰け反らせる。
    「や、やん。・・そんな、み、見ないでっ、くださ・・・。は、ああん!」
    遥の視線に気付いて喘ぎながら訴える。
    ・・
    うらやましいな。遥は思った。
    この人の感じるエクスタシーは肉体と精神の両方から由来するのだ。
    初めて他人から緊縛されて、そのままローターを当てられて放置される。
    絶対に助けてもらえない運命。何十分か何時間か、いつ終わるとも分からない間ローターに苛められ続ける。
    逃げようのない被虐感。もがき、喘ぐほどに増加するみじめさ。
    しかし、そうなるように仕向けたのも彼女自身なのだ。
    遥は考える。
    この人は自分のことを理解している。
    自分が、自ら望んで被虐の世界に堕ちるような女であること。
    自分が、自縛ではもの足りずに縄師の遥を呼んで縛られるような女であること。
    何て業の深い女なんだろう。何て破廉恥な女なんだろう。
    それを思うと、せつなくなるのだ。
    そして、ローターで乱れ狂う時間がみじめであればあるほど、せつなさも増しますのだ。
    みじめさとせつなさが互いに補い合いながら、どんどん高みに登って行く。
    否が応でも頂点に登り詰めるのだ。
    そして頂点を過ぎたら、一度転がり落ちて、また登り始める。
    彼女の肉体と精神が崩壊しない限り、そしてローターの電池が保つ限り、このループは永遠に続くのだ。
    ・・
    約15分後。
    「あ、・・・・い、・・・・ひ」
    敦子は首をのけ反るようにして、そのまま静かになった。
    遥はすぐに彼女の眼球と呼吸を調べる。大丈夫。
    ブブブブブ。ローターが鈍い音でうなり続けている。
    遥は敦子の脇に膝をついて、ずっと寄り添い続けた。
    ・・
    敦子は3回失神し、その度に目覚めては再びもがいた。
    次第に声が小さくなっていったが、それでも目覚めている間は最後まで喘ぎ続けた。
    4回目に意識を失うと、まもなくローターが動かなくなった。
    スイッチを入れてから2時間半だった。やるな単3電池。
    遥は敦子の拘束を解放した。
    バッグからタオルを出して台所で絞り、涙と涎でぐちゃぐちゃになった顔を拭く。
    ローターを外すと、粘性質の液体が長く糸を引いた。
    ショーツの中は洪水のようで、タオル1枚ではとても拭いきれなかった。
    そもそも拭いている最中からこんこんと湧き出てくるのできりがなかった。
    えっと、どうしよう? 遥は少し困る。
    これじゃ、帰れないよねぇ。
    ・・
    薄暗がりの中で敦子が目を開けると、隣に遥が座っていた。
    「あ、敦子さん。気分はいかがですか?」
    「遥さん?」
    敦子は、毛布に包まっていた。
    「ごめんなさい。風邪を引いちゃうといけないので濡れた下着は外しました。クローゼットに毛布があったので、汚したら悪いと思ったんですけど使わせてもらいました」
    「あ、あたし・・・。今、何時ですか?」
    「えっと11時過ぎです」
    「え、そんな時間!?」
    慌てて起きようとすると毛布がはだけた。毛布の下は何も身につけていなかった。
    敦子は自分の胸を押さえて小さな悲鳴をあげ、遥はくすりと笑った。
    ・・
    遥が敦子のアパートを辞したのは12時前だった。
    素敵なM女さんだったな。
    「結婚しても、また縛ってもらえますか」なんて頼まれちゃったよ。あ~あ、案の定。
    新婚の旦那様を差し置いて私が縛れるはずないのにねぇ。
    そうだ、男の人向けに女性の縛り方教えます、ってやったらどうかな。カップルとか夫婦をお客さんにして。
    たっぷり縄で愛されて、その後は彼のペニスで愛してもらう。
    きゃあっ、理想的っ。
    それにしても、私、初めて「ペニス」なんてお客様の前で言っちゃった。
    愛の指南師、高院遥、なんちて。えへへ。
    遥は一人で言って笑う。
    ・・ぐぅ。お腹が鳴った。
    早く帰ろう。最終電車には間に合いそうだ。
    鞄の中で携帯電話が鳴った。
    はいはい、お腹が鳴ればケータイも鳴る。裕巳かな?
    「おー、ハルカか?」
    「先生!?」
    電話の相手は、遥の師匠である榊悠然(さかきゆうぜん)だった。
    年寄りっぽい名前でもまだ35才の縄師である。
    遥は榊の元で1年半、緊縛技術を修行したのだった。
    「今な、生畑のスタジオなんだが、来れるか」
    「あのですね、先生。いったい何時だと思ってるんですか」
    「ん、今何時だぁ? もう深夜か。ここは外の天気も分からんのだよ」
    師匠の榊から仕事の手伝いで急に呼び出されるのは初めてではない。
    弟子である以上、お世話になった先生の元に何としても駆けつけるのは義務である。
    「わかりました。また亜文化レーベルの撮影ですか?」
    「いや、それがAVじゃなくてな、誘拐シーンの再現ビデオなんだ。どっかのテレビで使うらしい」
    「テレビですか。珍しい」
    「おうさ。女優は17才の女子高生だぞ」
    「こんな時間に17才? ・・それ、まずいんじゃ」
    「知ってるさ。俺らにそんなことをとやかく言う権限がないこともな」
    可哀相に、その子。
    撮影スケジュールが押してくると、深夜労働だの言ってられなくなるのは遥にも分かる。
    それに法律を意識すべきは現場の責任者である監督であって、一介の縄師には関係のないことである。
    「すぐに行きます。タクシー代、ちゃんと出ますよね」
    「おー、大丈夫だ。待ってるぞ」
    遥は裕巳に今夜は帰れない旨メールを打って、タクシーに飛び乗った。

    続き




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