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    中学生縄師 Act.Final 史代・クリスマス編

    中学生縄師Act.Final

    「ええ~っ? 野瀬さん達、来れないの?」電話の向こうで北大路舞華が聞いた。
    「はい。それから広くんのお母さんも出張から戻ってこれないって」松宮史代が答える。
    「じゃあ、もしかして広大くんと史代ちゃんと3人?」
    「そうなります」
    「広大くんは?」
    「それでやろうって」
    二人が相談しているのはクリスマスイブのパーティのことである。
    鴫野広大、史代、舞華、緊縛師匠の野瀬とモデルのユカ、そして広大の母親の真弓の6人でパーティを計画していたが、野瀬とユカ、真弓が抜けて3人だけの夜になりそうだった。
    ・・
    広大の家の半地下にあるスタジオ。
    ここはもともと縄師だった広大の亡くなった父親が撮影に使っていた部屋である。
    ~」
    史代が鼻歌を歌いながら飾りつけをしている。
    「こんばんわ~」「あ、こんばんわ!」
    舞華がやってきた。
    「あら、素敵」
    「この部屋、ちょっと殺風景でしたから」
    SM関係の器具が並べられた部屋は、きらきら輝くモールが壁に飾られていた。
    クリスマスツリーのようにデコレーションした磔台。
    大きなリースを掛けた首枷柱。
    ピンクのリボンを四方に張り巡らせた三角木馬。
    三角木馬にはトナカイのぬいぐるみがまたがり、天井の滑車からサンタクロースの人形が逆さ吊りになっていた。
    「広大くんは?」
    「あたし達のクリスマスプレゼントを調達するって、出ていきました。7時には戻ってくるって」
    「なら、都合がいいわ」
    「何の都合ですか?」
    「衣装を持ってきたのよ。史代ちゃんのも用意したから着替えましょ。広大くんをばっちり誘惑しちゃうのよ!」
    ・・
    広大が帰ってきた。
    「みんな、下にいるの?」
    階下に下りてきてスタジオの扉を開いた。
    パン! パン!!
    クラッカーの音が響く。
    「メリークリスマス!!」
    そこにはクリスマスのコスチュームに着替えた史代と舞華が待っていた。
    「こ、広くん。め、めりー、くりすます」
    史代が少し恥ずかしそうに言う。
    ノースリーブのミニスカサンタ服に赤いブーツを履いている。
    「広くんはこれね」そう言って広大の頭に赤いサンタ帽をかぶらせた。
    「広大く~ん。今夜は楽しみましょうね!」
    舞華が左手を腰に、右手を頭の後ろに当ててウインクした。
    史代と同じブーツに、ボディは白いファーをあしらった赤いマイクロビキニをつけているだけである。
    「舞華さん、寒くないんですか?」
    「暖房効かせてるから大丈夫よ。広大くんも脱ぐ?」
    「いえ、僕はそんな」
    「うふふ」舞華が床に膝をついて広大ににじり寄り、猫のように身体をすり寄せた。
    「わ、またですかっ」
    「まぁ、こういうとき殿方はきちんとした格好でいるものよね。裸に剥かれるのは女の役目♥」
    そう言って身体をくねらせながら、首の後ろで結んだビキニのブラの紐を解く。
    「舞華さん、やりすぎです!」
    史代が駆け寄って、舞華が外そうとしているブラの紐を押さえた。
    「うふふ。史代ちゃんもやっぱり可愛いわ。久しぶりに抱きつかせて頂戴」
    「きゃあっ」 「♥♥
    舞華は史代を押し倒して上にのしかかった。
    外れたブラは飛ばされて広大の足元に落ちている。
    「ふう」
    広大はそのブラを拾って、舞華が史代から離れるのを待った。
    ・・
    ぽん!
    ノンアルコールのシャンパンを開けて3人で乾杯する。
    舞華は外れたブラをつけて元のビキニ姿に戻っている。
    舞華が届けさせてくれたケータリングの料理を食べながら、早速プレゼント交換である。
    史代からのプレゼントは、舞華に毛糸の手袋、そして広大に手編みのマフラーだった。
    「わーい。ありがとう~」舞華はさっそく手袋をしておどけてみせる。
    女性二人からマフラーを首に巻かれて照れる広大。
    舞華からのプレゼントは、史代には口紅、そして広大にはTバックのショーツであった。
    「史代ちゃんもそろそろ大人びたのをつけてもいいでしょ?」「素敵なルージュ!」史代は口紅を見て喜ぶ。
    「ショーツはちゃんと1回穿いてあげたからね。頭にかぶったりしちゃダメよ」「そんなことしませんてば」
    そして最後に広大からのプレゼントに女性達が驚いた。
    「二人が自分自身でつけられるモノを、と思って」
    舞華に手渡されたのは金色の重厚な手錠だった。
    「これ、この間メイド喫茶でつけてた・・?」
    「あんな安物じゃないです。イギリス製で手首を痛めないダブルロックていう仕掛けがついてます」
    「もしかしてすごく高いんじゃ」
    「個人輸入品なんで、まあ、それなりに」
    「え、こんなのもらってもいいの?」
    「僕も仕事をして多少は収入がありますから」
    「うわぁ。ありがとう!!」
    「それから松宮には、これを」
    史代へのプレゼントは皮の首輪だった。
    「ベルトに留め穴が一つしかないのがわかる?」「うん」
    「松宮の首に合わせてあるんだ。松宮だけのための首輪だよ」
    「え!」
    「いいなぁ。史代ちゃん」舞華が横から冷やかす。
    「・・」
    「松宮、どうしたの?」
    「・・嬉しい! 広くん」
    「ね、この手錠、つけてもいい?」「あたしも首輪つけたい!」「もちろん」
    舞華と史代は、それぞれ手錠と首輪を取り付けてもらうと急に無口になった。
    舞華は「はぁっ、すごいっ・・」と言ったきり、自分の手首をじっと眺めている。
    史代は目を閉じて首輪を撫でている。
    広大も二人を見ながら黙って何も言わなかった。
    ・・
    突然、シャカシャカと音楽が鳴り始めた。
    「あ、ごめん!」舞華が自分のバッグから携帯電話を出して何かを話している。
    「うん、分かった。行くわ!」
    舞華は電話を切ると広大と史代に頭を下げた。
    「ごめんなさいっ」
    「どうかしましたか?」
    「ちょっと別口の用事で・・」
    「え」
    舞華はあわただしく自分の荷物をまとめると、手錠に鍵を挿して外し、コートに袖を通した。
    「実は、これからデートなの」
    「え~っ。舞華さん、彼氏いたんですかぁ?」史代が大きな声で聞いた。
    「失礼ねぇ。この舞華さんとデートしたいって男は山のようにいるのよ。それに広大くんを史代ちゃんから奪っちゃう訳にいかないでしょ。・・じゃ、素敵なイブを♥」
    そう言って部屋から出ていってしまった。
    「ほぇー」広大が感情のこもらない声を上げた。
    ・・
    広大の家の前。
    玄関を出てきた舞華が携帯電話のタイマーアラームを解除している。
    広大くん、ありがとう。でも、今夜は史代ちゃんにだけ優しくしてあげるのよ。
    ・・あれ?
    見上げると、夜空に白いものが舞っていた。
    舞華は自分でコートの裾をめくって中を覗く。コートの下は赤いビキニのままである。
    よぉし。にやっと笑った。
    道路の真ん中に立ち人も車もいないことを確認すると、コートをはだけて肩を出し、そのまま後ろに落とした。
    夜目にもまばゆいマイクロビキニの美女が両手を広げ、爪先立ちでしなやかに伸びをする。
    そのまま降ってくる小雪を見上げ、髪をかき上げる。
    むき出しの肌に寒気が突き刺さる。心と身体がぞくぞく感じた。
    どう? これが女の心意気。
    もっといい女になってみせるわ。それで広大くんに負けない男を見つけてくるんだから。
    「はくちゅん!」くしゃみが出た。慌ててコートを羽織る。
    さあ、今夜は一人でワイン空けるわよ!

    小雪舞う夜空の下

    ・・
    残された広大と史代。
    「二人だけになっちゃったね」広大が言った。
    「うん。あ、そうだ。ケーキ食べる?」史代が聞く。
    「も少し後でいいよ」
    「そう?」
    沈黙。
    「そうだ」広大が思いついたように言った。
    「ちょっと待っててね」
    部屋を出て行き、すぐに一冊のアルバムを持って戻ってきた。
    「掃除してたら出てきたんだ」
    そのアルバムを開くと、それは広大と史代の小学生時代の写真だった。
    「うわ、懐かしい」
    小学生1~2年生くらいの広大と史代が並んで写っている。
    その横には、広大の一家と史代の一家が一緒の写真。
    史代はアルバムのページを見て行く。
    そして最後のページ。
    「!」
    広大の両親と広大、史代が並んで写っていた。
    広大の母親の真弓と史代は後ろ手に縛られて笑っている。
    「これ、もしかしておじさんの最後の緊縛」
    「うん」
    それは広大の父親が倒れる前日の写真だった。
    「あたし、このとき初めて吊られたんだよね」
    広大は父親の指導で史代の背中と膝に縄を掛けて、横吊りにしたのだった。
    横では先に吊られた真弓が空中から応援していた。
    膝の縄を引き上げられて、宙吊りになった史代。
    怖くて、少し顔がひきつっていた。
    「大丈夫だよ、史ちゃん」隣ではげましてくれた広大の声を今でもはっきり覚えている。
    手も足も動かせず、自分では何もできない。
    でも、広大が縛ってくれていた。広大を信じていた。
    広大と史代はこのとき小学6年生。
    ・・あたしは、こうして広くんに身をまかせて、いったいどれだけ縛られてきたんだろう。
    ああ。このうずくような気持ち。
    史代は両手で胸を押さえた。
    「広くん、・・あたし、縛って欲しくなっちゃった」
    「そうだね。僕も、松宮を縛りたい」
    広大は自分のリュックを開けて縄束を出した。
    「大事に縛るから」
    史代は胸を押さえたまま、こくりと頷いた。
    ・・
    先ほどまで天井から吊られていたサンタクロースが床に転がっていて、代わりに史代が吊られていた。
    揃えた両足はぴんと伸ばして爪先が軽く床に触れているだけの状態。
    胸と腹の縄で体重の大半を支えられている。
    「あ、・・ぁ、・・はん!」
    ぎゅっと目を閉じて耐えている史代の口から、小さな声が漏れている。
    股間に縄が通されて、上方に引き絞られた。
    「やっ、広くん・・。あ・・、あたし、もう」
    史代は全身をこわばらせ、首を左右に振った。
    縛り合わされた太ももにぎゅっと力を入れて、こすり合わせるように動かす。
    「はぁんっ、・・あ、あああ!!」
    広大は新しい縄を出して史代の膝から天井の滑車まで取り回し、力をかけて引いた。
    史代の爪先が床を離れ、身体全体が空中に浮かび上がった。
    「!!!」
    ・・
    広大は史代を下ろして床に寝かした。
    ぐったりと横たわった史代は、うっすらと涙目だった。
    縄を解こうとする広大に向かって言った。
    「待って。・・まだ、縛られたままでいたい」
    「いいの?」
    「うん。広くんの縄、もっと感じていたいから」
    「わかった」
    広大はクッションを持ってきて史代の背中にあてがうと、自分もその横に座り込んだ。
    「ねぇ」
    「なぁに」
    「すごく上手になったね」
    「何が?」
    「気持ちを表現すること」
    「?」
    「その、縛られている間の、声なんだけど」
    「・・もしかして、あたしの喘ぎ声、のこと?」
    「うん。すごく自然で素直で、松宮が感じてくれてることがわかって、嬉しかった」
    顔から火が出る、ってこういうことかな。
    「もう、恥ずかしいよ」
    「恥ずかしいことじゃないよ。感じたまま、気持ちのまま、縄を受けてくれたらいいんだ」
    「・・」
    「僕も、松宮がもっと気持ちよく、もっと感じられるように、頑張るから」
    「・・広くん」
    史代が微笑んだ。その目から涙が一筋、頬に流れる。
    「広くん、あたし、広くんが好き。とってもとっても、世界で一番好き」
    「僕も松宮が世界で一番大事だ」
    広大が顔を史代の顔に近づけた。
    史代が目を閉じ、二人の唇が合わさった。そのまま広大は史代の身体を抱きしめる。
    ああ、広くんの抱っこ、あったかいよ。今まで抱きしめてもらった中で、最高の抱っこ。
    史代は広大の息づかいを感じた。
    広大の心臓の音が聞こえた。
    それは史代の心臓の音と一緒になって刻んでいるようだった。
    ああ、あたし・・。
    しばらくして二人の唇が離れる。
    「広くん」
    「?」
    「キスしてもらったばかりなのに、はしたない女の子だって思わないでね」
    「思わないよ」
    「あ、あたし・・、広くんとひとつになりたい」
    ・・
    生まれたときから、ずっと一緒に過ごしてきた仲だった。
    大人への階段を共に歩んで登ってきた。
    『緊縛』という少しばかり大人びた表現を知っているけれど、それだって長く続く階段の一部にすぎないのだ。
    そして今、次のステップが二人の前にあった。
    広大は史代を抱き起こして縄を解いた。
    史代がサンタ服を脱ぐのを手伝い、裸になった史代を横抱きに抱き上げた。
    ・・
    翌朝、二人は広大の部屋のベッドで目覚めた。
    窓の外は、クリスマスのお約束でうっすらと雪化粧していた。

    史代サンタ服緊縛

    ・・
    ・・
    3月。
    「あった!! ね、広くんは?」
    「うん、あった」
    「やったぁ~」
    「あ、母さん。合格した。うん。二人とも・・」
    「あばさんっ、ありがとうございます。じゃあ、うちの母にもよろしく伝えて・・」
    広大と史代は一つの携帯電話を耳の間に挟んで家族に連絡する。新品の携帯電話。
    その後、二人は向かい合って笑った。
    「史代、合格おめでとう」
    「広くんも、おめでと~!!」
    広大と史代は長いマフラーを首に巻いていた。
    広大のマフラーはクリスマスにもらった史代の手編みである。
    そして史代のマフラーの下には、広大がプレゼントした首輪が隠れていた。
    広大は史代の首輪に手を触れた。
    「こんなところまでしてこなくても、いいのに」
    「だって、あたし、広くんのモノなんだもん♥」
    広大は微笑んで史代の頭をそっと撫でた。
    「これからもよろしく。史代」
    「うん! こちらこそね」
    「・・4月から高校生か」
    「広くんは、やっぱり鉄研に入るの?」
    「多分ね。史代はチアリーディング部なんだよね」
    「実は迷ってるの」
    「あれ、舞華さんに憧れてたんじゃないの?」
    「それはそうなんだけど・・、ちょっと来てくれる」
    史代は広大をひと気のない校舎の裏に連れてきた。
    「ほら、ここ」
    制服のスカートをたくし上げると、太ももに縄の食い込んだ跡がくっきり見えた。
    「これは」
    「うん、夕べ広くんが刻んでくれた縄の跡だよ。腕にもおっぱいにも残ってるよ。・・あたし、高校に入ったら、ずっと縄目が絶えない身体になるかもね」
    そう言う史代は嬉しそうだった。
    ・・二人が登る階段は、まだまだ続くのだ。ときには一人ずつ、ときには並んで手を繋いで、これからも進んでいくのだ。
    「ね、広くん。どうかな・・」
    史代は広大に迫る。
    「こんな身体でチアリーディングしてもいいかな? それとも恥ずかしいから、止めて欲しい?」
    「そ、それは」
    「ほら覚えてる? 舞華さんのチア、手も足も縄目いっぱいだったけど素敵だったでしょ?」
    「う、うん」
    「あたし、広くんの言うことには100%従うよ。・・決めてくれる?」
    「ちょ、ちょっと、待って」
    「駄目。今、決めて」
    「ま、松宮・・」
    「こら、史代って呼びなさい」
    「うわ」
    もしかしたら高校生活の主導権は史代に握られるんじゃないか。
    そんな不安を感じながら、高校生縄師になろうとしている広大であった。



    ~登場人物紹介~
    鴫野広大: 15才。今は亡き父の跡を継いで一流の縄師を目指して修行中の中学生縄師。
    松宮史代: 15才。広大の幼馴染。とうとう広大と念願のキス! さらに・・。
    北大路舞華: 20才。"おしかけ縄ドレイ" の女子大生。

    中学生縄師の最終回です。
    「中学生日記のような着衣緊縛ドラマ」というイメージでスタートして約1年間の連載でした。
    Act.1 から読み続けてくださった皆様に深く感謝申し上げます。

    最終回では、史代には幸せな姿を、舞華には格好いい姿を描いてみましたが、如何だったでしょうか?
    舞華は広大を史代に譲ってこの先二人の前から姿を消す、なんてつもりは、もちろんぜんぜんありません。
    イブの夜に格好つけて身を引いただけで、この先も「広大を誘惑する舞華、それを押しとどめる史代」という構図は繰り返されて行くはずですから、どうぞご安心ください^^。

    史代がつけた穴が一つの首輪は、分かっている方にはお分かりの、ヤング○ニマルの例のマンガがネタです。
    あのマンガは決して大好きという訳ではないのですが、穴が一つの首輪はさすがに感心したので真似させていただきました。(ありがとうございました)
    首輪や手錠を特注で手配すると結構な納期がかかるようですから、広大はかなり以前から二人のために準備していたことになります。

    さて、高校生になった広大と史代はどのような活躍をするのでしょうか。
    高校生ともなると、縛りに堪能な広大のライバルが出てきて史代に迫るかもしれませんし、逆にドMの同級生の美少女が出てきて広大に迫るかもしれません(笑)。
    作者としてはそんなお話もまた書いてみたい気がしますが、まずはこれにて、中学生縄師シリーズをお開きとさせていただきます。
    ありがとうございました。




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    中学生縄師ザ・ムービー(1/3)

    Scene.01
    「広くん、早く!」
    松宮史代が鴫野広大を手招きしている。
    「舞華さんが来る前に写真撮ろうよ!」
    「ここで撮るの?」
    「いいじゃない。・・あ、すみませーん! カメラ、お願いできます?」
    史代は通りがかった女性にカメラを渡して頼むと、広大の横に立って腕にしがみついた。
    「広くん、笑って!」
    カシャリ。
    にっこり笑う史代と、史代にがっちり腕をホールドされてちょっと困った顔の広大。
    二人のバックにはカラフルにデコレーションされた学園祭のゲートがそびえている。
    そのゲートには『星心女子大学・星心祭』の花文字が踊っていた。

    中学生縄師ザ・ムービー

    Scene.02
    「ようこそ星女へ! 歓迎するわ」
    チアリーディングの赤いユニフォームを着た立山しのぶと北大路舞華が迎えに来た。
    しのぶは3年生でチアリーディング部の主将。
    舞華も3年生で、広大と史代を学園祭に招いた本人である。
    「素敵なユニフォームですね~」
    史代が二人のユニフォームを見てうらやましそうに言った。
    それは上下に別れたへそ出しの衣装で、胸の穴にはバストの谷間が見えていて、なかなかセクシーである。
    「史代ちゃんにも着せてあげよっか?」
    「え、着れるんですか?」
    「ええ、新入部員の採寸用にいろいろなサイズが揃ってるわ」
    「でもあたし、胸もないしズンドーだし」
    「大丈夫! 胸はちゃんと寄せて上げられるし、ボディラインだって、これつけたらボ・キュ・ボン!に見えるんだから」
    「え、そうなんですか? ・・ね、広くん、どうしよう?」
    史代は隣の広大に聞いた。
    「・・ああ、いいんじゃない?」
    「何よ、その気のない返事は。ねぇ、・・広くん?」
    広大はあらぬ方向をぼんやり見ていた。
    「どこ見てるのよ?」
    広大の視線を辿ると、そこにはメイド姿の女性が『コスプレ同好会♥メイド喫茶』と書いた看板を持って歩いていた。
    肩から胸の谷間まで大きく肌が露出したメイド服。
    フリルのエプロンをつけた超ミニスカートの下には絶対領域もばっちりの黒いニーソックスとハイヒールである。
    「広くんっ!」
    史代は広大の顔を両手で押さえて自分の方を向かせる。
    「何を見てるのかと思ったらっ」
    舞華が笑って言った。「いいじゃない。広大くんも男の子なんだから」
    「だってぇ~」
    「史代ちゃんも、色っぽくなって広大くんを振り向かせたらいいのよ」
    「よぉし、見てなさいっ。・・舞華さん、あたしもチアの服、着せて下さい!」
    「ほほほ、OKよ」
    史代は決意する。ボ・キュ・ボンになって広くんに見せつけてあげるんだから。
    広大は心の中でぼやく。めんどうくさいなぁ。
    松宮も無理しなくてもそのままで可愛いのに。
    史代は広大の隣家に住む同い年の幼馴染で、縄師を目指す広大が小学生5年生のときから縛っている少女である。
    広大としては史代のことを誰よりも大事なパートナーだと思っているが、このところ史代は何かと他の女性と張り合って自分をアピールするようだ。
    「史代ちゃんが着替えたら、ちゃんと褒めてあげきゃ駄目よ!」舞華が広大の耳元でささやいた。
    「はい」
    とりあえず返事して、舞華の着ているユニフォームを見る。
    そういえば、この服。あのときのだな。
    1年前、ひと気のない雑木林の中で縛られてもがいていたチアリーダーが舞華だった。
    それを偶然見かけた広大が助け出し、その後、舞華を麻縄で縛ってみせたのだった。
    舞華は広大の緊縛テクニックに驚いて、"広大くんのおしかけ縄ドレイ" になったのである。
    「それにしても、広大くんがあたし達でなくて、よりによって、あのメイドに目を引かれるのはシャクよね」
    舞華が苦々しく言った。
    「よりによって?」史代が聞いた。
    「ええ。あそこは、我がチアリーディング部のライバルなのよ」しのぶが答えた。

    Scene.03
    広大と史代は舞華としのぶについて歩いて行く。
    学園祭のキャンパスには様々な模擬店が所狭しと並び、呼び込みの声で賑やかだ。
    正面の学舎に入ると、そこにもさまざまな展示や模擬店が並んでいた。
    『チア喫茶☆Spark☆』と看板の出た部屋に入る。
    丸いテーブルが10卓ほど、そこに銀のトレイを持った5~6人のチアリーダーがいた。
    皆、舞華と同じおへその出たチア服である。
    「みんな、主賓のご来場よ!」
    舞華が呼びかけると全員が一斉に駆け寄ってきた。
    「きゃあ!」
    「この子がコーダイくん?!」
    「すごい、本当の縄師なんだぁっ」
    「いい男じゃないのよ!」「かっこいいわぁっ」
    「こちらは彼女?」
    「中学生?!」「可愛いわぁっ」
    広大と史代はたちまち女子大生達に囲まれてしまった。
    二人の目の前に、胸の谷間とお腹と太ももが大量に迫った。
    握手攻め。さらには何人かからハグされた上、ほっぺたにキスまでされる。
    「こらっ、調子に乗らないのっ」舞華が一同を制した。
    「えっと、広大くん大丈夫? ・・あ、史代ちゃんも、大丈夫?」
    広大は呆然と立ち尽くしている。
    史代は、腰が抜けて床に座り込んでいた。

    Scene.04
    星心女子大チアリーディング部は、昨年の全国大学チアリーディング大会で第3位の実績を誇る名門である。
    部員は33名。
    いつもは厳しい練習に明け暮れているが、毎年の学園祭では模擬店でチア喫茶を開いて活動費を稼いでいる。
    本物のチアリーダーがウェイトレスをしてくれる喫茶店はそれなりに有名であり、健全とはいえない動機で学外からチア喫茶にやってくる男性も多い。
    「ところが、・・なのよ」舞華が説明した。
    「去年、コスプレ同好会がメイド喫茶を始めて大人気なのよね」
    「男性のお客様の動員数でダブルスコアをつけて完敗しちゃったの」しのぶが言う。
    「このままだと、伝統ある我がチア喫茶の危機なのよ。だから今年は何としても巻き返さないといけないの」舞華の言葉に力がこもる。
    「・・あの」広大が聞いた。
    「別に、男の客の数で競わなくても、いいんじゃないんですか?」
    「ああ、それは駄目なの」しのぶが言った。
    「元気・勇気・笑顔のチア精神で、女性には美しさを、男性にはサービスを、といのが我がチアリーディング部の方針なのよ」
    「何で男性にサービスするのが方針なのよ」史代が小声でつぶやく。
    「だから、今年はいろいろ作戦を練ってたのよね。・・NFLのユニフォームでタイムサービスとか、あなただけを応援して元気づけてあげる♥サービスとか」
    「それがどうやら、コスプレ同好会に察知されて先手を打たれちゃったの」
    「先手ですか」
    「そう、あれはあざといわ~」「反則よねぇ」舞華としのぶは互いに顔を見合わせて憤慨している。
    「それは何ですか?」別にどうでもいいやとは言えないので、広大は聞いた。
    「手錠よ」
    「は?」
    「手錠メイドのサービスなのよ」

    Scene.05
    ここはコスプレ同好会のメイド喫茶。
    店内は男性客で満席だった。
    「お待たせ、しましたぁん~♥。ケーキセットですぅ」
    鼻にかかるような喋り方をしながら、メイドが皿を運んできた。
    トレイを捧げ持つ両手が手錠で連結されている。
    トレイを片手に持ったまま配膳することができないので、一旦テーブルにトレイを置き、それから一皿ずつ紅茶とケーキを配る。
    一人一人の脇にわざわざ移動して、むき出しの肩や腕がさりげなく客に触れるような配り方である。
    「お砂糖はおいくつですかぁ? みっつ以上は別料金ですぅ。・・はい、ひとつ♥、ふたつぅ♥、みっつぅ♥」
    店の片隅で一人のメイドが様子を見ていた。
    コスプレ同好会の会長、羽須美レイ(本名:赤山田みやこ)である。
    「チアリーディング部の皆さん、どうかしら? 今年もコスプレ同好会の圧勝ねっ。ほっほっほぉ・・」
    仁王立ちになって、右手の甲を口に当てて高笑いするのであった。

    Scene.06
    「・・そこで、我がチア喫茶がメイド喫茶を打ち負かすための、起死回生の策が広大くんなのよ!」舞華の説明にますます熱が入る。
    「広大くん、協力してくれるわよね? ・・お・ね・が・い♥」
    「それはいいですけど、何をするんですか?」
    「これよ」
    しのぶがチラシを出して見せた。『中学生縄師来たる! 11月○○日13時 緊縛実演 チア喫茶☆Spark☆』
    「まあ」史代が感心したような声を上げた。
    はぁ、やっぱり。
    広大は心の中で溜息をついてから聞く。
    「学園祭でこんなことやってもいいんですか?」
    「大丈夫よ。こう見えてもこの舞華さんは実力者なんだから」舞華が自慢気に言った。
    「北大路さんのお父さんは、この大学の理事長よ」しのぶも横から言う。
    「え」
    「別に裸になるんじゃないから健全だし、それに縛り手は中学生よ。立派な文化活動だって言ったら即OK!」
    ・・前にも似た状況があったけ。確かうちの中学のPTAもこの人のお父さんが。
    広大が考えていると、舞華が両手を腰にあてて胸を張って言った。
    「学園のフィクサーとお呼びなさい。ほっほっほぉ・・」
    仁王立ちになって、右手の甲を口に当てて高笑いするのであった。

    Scene.07
    緊縛実演の段取りは次の通りである。
    モデルはチアリーディング部の1年生から選抜された4人と舞華。
    まず縄師の広大がモデルの緊縛を約10分間実演する。縛り方は広大の自由である。
    緊縛されたモデルはそのまま約30分間、舞華だけは1時間展示し、その後、次のモデルを緊縛する。
    「モデルは競争率高かったんだけど、ここは一番若い、我が部のキレイどころに務めてもらうことにしたのよ」
    「若いって、舞華さんが混ざってますけど・・?」しのぶの説明に広大が反論した。
    「混ざってるっとは失礼な言い方ねぇ。あたしは広大くんの一番の縄ドレイなんだから、あたしがやらないでどうするのよ」
    舞華が再び高笑いのポーズをとろうとすると、史代が割り込んで言った。
    「あの、あたしもモデルに入れて下さい!」
    「え?」皆が史代を見る。
    「あたしだって、広くんの緊縛モデルなんだからっ。・・駄目ですか?」
    「えっと、さすがに、中学生は・・」困ったように舞華としのぶが顔を見合わせている。
    「僕からもお願いします。縛り手も中学生なんだし、それに文化活動なんですよね?」広大が言った。
    「広くん、ありがとう!」
    史代は舞華と一緒に縛られることになった。
    1時間の緊縛は史代には無理でないかとしのぶが心配したが、「松宮なら大丈夫。僕が保障します」の広大の一言ですべてが決定した。

    Scene.08
    チア喫茶は満員だった。入りきれない客が廊下にまで並んでいるようだ。
    店の奥にリボンで区切ったスペースが設けられ、そこで1年生の香坂清音が椅子に座っていた。
    清音は緊張の面持ちである。
    皆が自分を見ている。
    露出多めのチア服が何となく恥ずかしい。いつもの演技では全然平気なのに。
    短いスカートの裾を両手で押さえる。
    「時間になったので、そろそろ始めます」
    広大に後ろから声をかけられてびくっとした。
    「はい」小さな声で頷いた。
    「僕のすることに逆らわずに従って下さい」
    「はい」
    大人びた話し方をする男の子だわ。
    左右の手を取られて後ろで組まされた。手首に縄が巻きつくのが分かった。
    と、思う間もなく、胸の上下に縄が回された。
    きゅ。縄が締まる。
    あっという間に上半身の自由が奪われた。縛られるって、こんなに簡単なの?
    続いて足首と膝も縛られる。
    ひゃあ。あたし、もう何もできなくなったよ。
    「椅子と一緒に縛りました。無理に暴れると椅子ごと倒れて危険ですから、僕が縄を解くまでは、できるだけ動かないでうなだれていて下さい」
    「・・はい」
    はあ~、この縄、生きてるみたい。
    全身に絡み付いて、不思議な刺激を与え続けてくる。
    モデルを務めることになって張り切っていた清音だが、今は縄の感触に翻弄されていた。
    ぱちぱち・・。拍手の音に気がつくと、自分の前で中学生縄師がお辞儀している。
    「綺麗です、清音さん。じゃあ、ゆっくり縄を感じながら過ごして下さい」耳元でささやき、そして離れていった。
    清音は顔面がみるみる熱くなるのを感じた。
    何、あの子本当に中学生?
    そして気がついた。
    ・・あたし、今から30分このまま置かれるんだった。ひゃあ!

    Scene.09
    チアリーディング部の緊縛実演はコスプレ同好会にも伝わっていた。
    「大変よっ、みっちゃん」
    両手に手錠をかけた眼鏡メイドが会長の羽須美レイに報告した。
    コスプレ同好会 No.2 の蘭月千沙(本名:田井中公恵)である。
    「きみちゃん、駄目よ。コスプレしているときは、コスネームで呼ぶ約束でしょ」
    「あら、ごめんなさい。・・レイさん、大変よ!」
    「どうしたの? 千沙さん」
    「チア部の連中がお客の前でチアガールを縛ってるわ。チア喫茶は30分待ちの大人気よ!」
    「ま、それはまずいわ。こっちでもメイドを縛るのよ!」
    「駄目よ。うちには縛れる縄師なんて、いないわ!」
    「ああ、こんなことなら、CD-R写真集やったときに緊縛もやっておくべきだったわ」
    レイは頭を抱えた。
    チア喫茶で緊縛実演が始まってから、メイド喫茶は明らかに客が減っていた。
    満席だったテーブルに空きが出て、手持ち無沙汰になった手錠メイド達がヒマそうにしている。
    これは何とかしないと、非常にまずいわ!

    Scene.10
    「広くん!」
    チア部の部室で、史代がチア服を着て広大の前に登場した。
    チアリーディング部で所有する一番小さなサイズのユニフォームだった。
    小さいとはいえ、デザインは他と同じである。
    おへその見えるセパレートの衣装。トップの胸元に開いた大穴から見える肌。
    「へぇ」広大が感心したように史代を見た。
    「どう?」
    史代はスカートの裾を指でつまんでくるりと回ってみせる。
    「嬉しそうだね、松宮」
    「えへへ。広くん、正直に答えてね。あたし、色っぽい?」
    「え」
    「ほら、ボ、キュン、ボンでしょ?」
    史代は、自分のバストとウェスト、ヒップを両手でたどって広大にアピールする。
    「あ、うん。まぁまぁ、かな」
    「えぇ~、まぁまぁ? それだけ?」
    史代は自信たっぷりの顔から一転して情けない顔になる。
    「やっぱり、あたし、駄目なんだ・・」
    「いや、駄目じゃなくて、それなりって言うか」
    「いいの! 広くんには、あたしのこと、色っぽいって思って欲しかったのに」
    「松宮・・」
    「恥ずかしかったけど、チアの服着て、おへそも出したのに・・」
    「ねえ、ちょっと待って」
    松宮、何か勘違いしてるよ。
    「いいの。これ着たらセクシーになるって思ったあたしが悪かったんだから」
    史代の目からぼろぼろと涙があふれた。
    「あたし、モデル止めるっ」
    「松宮!」
    史代はくるりと向きを変えると、広大の前から走り去った。
    「・・どうしたの?」
    舞華がやってきて、すれ違った史代を見ながら聞いた。
    「どうも、ちょっと松宮の気分を害しちゃったみたいで」
    「広大くん。もしかして、また史代ちゃんに冷たいこと言ったんじゃないの?」
    「そんなつもりはなかったんですけど」
    「追いかけなきゃ駄目よ、広大くん」
    「いえ、もうすぐ次の実演の時間ですから。それが済んでから、松宮を探します」
    「え? ・・あ、そうか。わかったわ」

    Scene.11
    チア喫茶では2人目のモデルの柳生いつみが出番を待っていた。
    店内には先に縛られた香坂清音が飾られている。
    視線の定まらない表情でうなだれた姿は、身体じゅうで切なさを表現しているようだ。
    ・・清音ちゃん、感じてるんだ。
    1年生の部員で一番活発で、いつも元気だった清音。
    その清音が、あんなになってしまうなんて。
    いつみは自分がMであることを小学生の頃から自覚していた。
    今回の緊縛モデルを指名されたときから普通の気持ちではなかった。
    縛られる・・。人前で縛られる!
    清音の様子を見るだけで、おかしくなってしまいそうだった。
    「いつみちゃん、そろそろよ。スタンバイしといてね」
    「あ・・、はい!」声を掛けられて返事を返した。
    やがて広大がやってきて清音の縄を解いた。
    清音はふらふらと椅子から立ち上がり、広大に手を取られてお辞儀をする。
    ああ、いよいよ自分の番だ。
    広大が自分に向かって手招きしている。
    いつみはふらふらと歩んで行った。
    縛られる前から、もう濡れていた。

    Scene.12
    「じゃあチア部で縛っているのは中学生の男の子なの?」レイが聞いた。
    「ええ。ガールフレンドまで連れてきて、いい気なものよ!」千沙が答える。
    「なめられたものね。中学生の縄師なんて」
    「どうしましょう? レイさん」
    「ここは、秘策を実行するしかないわね、千沙さん」
    「秘策?」
    「そうよ。中学生縄師の弱点はそのガールフレンドに違いないわ」
    「え? どうしてわかるの?」
    「それは、こういうときのお約束だからよ!」
    「じゃぁ、まさか。レイさん・・」
    「そう。その、まさか、よ。千沙さん」
    「ああ、何て恐ろしい・・」千沙は額に手をやりながら首を振る。
    「チア部の皆さん、見てなさい。この私が緊縛実演をできなくして差し上げますわ! ほっほっほぉ・・」
    再び高笑いするレイの背後では、悪の幹部のシーンではお約束?の、わき上がる黒雲と不気味に輝く稲光が描写されるのであった。

    Scene.13
    チア喫茶では緊縛されたいつみが展示されていた。
    先の清音と同じく椅子に座っているが、そろえた膝が胸元まで引き寄せられて、小さく丸くなったポーズで固定されていた。
    「・・あ、・・・はぁ、・・・はぁん、」
    息をするたびに小さな声が混じり、いやいやをするように首を左右に振っている。
    「いいんか? こんなの展示して」
    客の男性が小声で話している。
    ウェイトレスのチア達も、赤い顔をしていつみの様子をちらちらと見ながら、ときおり自分の胸を押さえている。
    ちょっと、いっちゃん、エロすぎるよぉ。
    チア達にとっても、いつみの緊縛は刺激的すぎる状況であった。
    廊下の行列は1時間待ちに延び、長居を防止するため、注文は一組1回だけに制限された。
    店の片隅で舞華が様子を見ていた。
    これでコスプレ同好会に完勝よっ。ほっほっほぉ・・。
    声に出さずに高笑いの振りをする舞華である。

    Scene.14
    松宮ぁ、どこ行ったの~っ?
    広大が学内を歩いて史代を探している。
    史代はチアリーディング部の近くにも、チア喫茶の周辺にもいなかった。

    続き




    中学生縄師ザ・ムービー(2/3)

    Scene.15
    「ねっ。そこの可愛い彼女っ」
    え?
    史代は声をかけられてきょろきょろした。
    「君、チア部の子?」
    大学生くらいの男性二人組が自分に話しかけていた。
    「ねぇ、僕達と付き合わない?」
    史代は目の下をごしごしこすってから、逃げるように走り出した。
    「あっ、ねぇ~っ!!」
    後ろから声がしたが、誰も追いかけてはこなかった。
    文代は走り続けて、やがて疲れて立ち止まり、膝に両手をついて肩で息をした。
    自分が今、学内のどこにいるのかもわからなかった。
    「広くんのバカぁ」小さな声で叫んだ。
    「・・あら、あなた、チア喫茶の縄師くんの彼女でしょ?」
    女性の声がして顔を上げると、メイドが二人いた。
    今朝この大学に来たときに見た、あの妙に露出度の高いメイドである。
    二人のうちの一人は、眼鏡をかけていて自分で手錠を掛けていた。
    「彼のことで、とても大事な相談があるのよ。少し付き合っていただいてもよろしいかしら?」

    Scene.16
    広大はチア喫茶に5分ほど遅れて戻ってきた。
    展示されていたいつみの縛めを急いで解く。
    いつみは自分一人では立てない状態になっていて、拍手の中、仲間に肩を貸してもらいながら退場した。
    3人目の緊縛モデルは木瀬明日香である。
    「お待たせしてすみません」明日香に挨拶する広大はまだ息が荒かった。
    「大丈夫ですか?」明日香が聞いた。
    落ち着いた人だな。広大は思った。
    先のモデルの縛られっぷりを見てたはずなのに平気みたいだ。
    「心の準備はOKですか?」
    「はい、大丈夫です」
    「じゃ、両手を背中に・・」
    「はい」
    素直に従う明日香を高手小手に縛る。
    柔らかいな。この人だったら、背面拝みだってできそうだ。
    「あの、足を180度に開けられますか?」
    「はい。・・前後の開脚でいいですか?」
    「お願いします」
    明日香は高手小手に縛られたまま、スムーズに開脚して床に尻をついた。
    ほう。客席から感心したような声が上がる。
    「このまま30分過ごせます?」
    「ええ、何時間でも」
    明日香の返事は自信に満ちていた。
    よし、なら決まりだ。
    広大は喫茶で使っている銀のトレイとガラスのコップ、そして両面テープを借りてきた。
    トレイの裏に両面テープを貼って裏紙を剥がす。
    そのトレイを明日香の前の太ももの上に乗せて押さえた。
    明日香は、何をするの?という顔をする。
    足に貼り付けたトレイは多少揺れることはあっても、下にすべり落ちることはない。
    広大はトレイにコップを乗せ、そのコップに水差しから水を注いだ。
    「じゃ、こぼさないように頑張って下さい」そう言って立ち上がる。
    「僕が戻ってきたときに少しでもこぼれていたら、そのときは罰を受けてもらいますから」
    え? あの、ちょっと・・。
    明日香は困った顔で広大の方を振り向いたが、広大は急いだ様子で部屋を出て行くところだった。
    彼女にとって180度開脚で30分過ごすことくらいは何でもない。
    縛られることだって1年生部員の務めだからと覚悟していた。
    でも、こんな状況で、こんなことさせられるなんて。
    広大の言葉が頭の中で繰り返される。『・・少しでもこぼれていたら、そのときは罰を受けてもらいますから』
    私・・。
    ぞくぞくした感触が背中を走った。

    Scene.17
    明日香の緊縛を済ませて出てきた広大に舞華が駆け寄ってきた。
    「大変だわ、広大くん。史代ちゃんが!」
    「松宮が見つかりましたか?」
    「それが・・」
    コスプレ同好会の羽須美レイが舞華の携帯に連絡してきたのだ。
    「えっ、何て?」
    「それが、『中学生縄師の大事な彼女は預かった。すぐにチア喫茶の緊縛イベントを中止しなさい』って」
    「その羽須美さんって人がわざわざ自分で名乗って電話してきたんですか?」
    「いえ、そうじゃないけど、最後に『ほっほっほぉっ・・』て笑ったからすぐに分かったわ」
    「まるで舞華さんみたいな人ですね」
    「何か言った?」
    「いいえ。それよりどうしましょうか。もし松宮に何かあったら」
    「とりあえず、次の実演まで30分あるわ。羽須美レイを探すのよ!」
    チア部の3~4年生が手分けして、史代と羽須美レイを探索することになった。

    Scene.18
    大学の近所にあるブティック。その裏にある倉庫の中。
    史代は後ろ手に縛られて、床に座らされていた。
    「あ、あたしをどうするつもりですか?」目の前に立つ二人のメイドを見上げながら聞く。
    あ、このセリフ、ちょっといいな。囚われの美少女みたい♥。
    「うふふ、可愛い娘ねぇ。きっとメイド服が似合うわ」メイドの一人が言った。
    「やや未成熟な感じがたまらないわね。こんなチア服じゃなくって、素敵なメイド服を着せたら、男の子は放っておかないでしょうね」もう一人も同意する。
    「え、そうなんですか?」史代が勢い込んで聞き返した。
    「あたし、メイド服着たら、魅力的に見えますか!?」
    何この子。
    レイは少し引きながらも答える。
    「そうね。そんなダサいチア服と比べたらね」
    「そうですかぁ? これだってセクシーだと思うんですけど」
    「まあ、それはそうとして。・・あなた、中学生縄師の恋人なんでしょ?」千沙が聞いた。
    「う。・・恋人だったらいいんですけどぉ」
    「違うの?」
    「あたしは、そうなりたいんですけど。広くんは、あたしのこと何とも思ってないみたいで・・」
    レイと千沙は顔を見合わせる。
    「だったら、人質にならないじゃないの!」
    「だって、お約束だと、こういう女の子は・・」
    「どうするのよ!」
    「どうしましょう?」
    「・・あの、お取り込み中すみませんけど」
    史代が立ち上がって二人に近づいた。
    「そのメイド服、あたしにも着せてもらっていいですか?」
    「あら、いいわよ。貸してあげるわ」
    「仲間が増えるのは大歓迎よ・・ってあなたっ、何で縛られてないの!」
    「あ、これですか?」
    史代の両手は自由になっていて、外れたビニールロープを握っていた。
    「この縛り方だったら、簡単に外れちゃいますよ」
    「え」
    「こういうときは、えーっと何ていうんだっけ、手首の間の縄を直角に結ぶみたな縛り方をしないと駄目なんですよ」これは完全に広大の受け売りである。
    「へぇ、そうなの」
    「やってみましょうか?」
    「あ、じゃあ」
    史代はレイの両手を揃えさせて手首にロープを巻きつけ、さらに割り縄を掛けて結んだ。
    「ほら、これなら外れません」
    「あ、ほんとだぁ~っ」
    レイは縛られた手首を振りながら感心する。
    「・・ねぇあなた、どうしてそんなこと知ってるの?」千沙が聞いた。
    「まあ、あたしも、広くんの緊縛モデルをしてまして、それで自然と縛り方の知識もつきまして」
    「えっ。あ、あなたも彼に縛られてるの!?」レイが驚く。
    「はい」
    「ちゅ、中学生なのに、あ、あぁんな縛りやこぉぉんな縛りもされてるの?」
    「うふふ」史代は自慢気に笑う。もしかして立場が入れ替わったかな?
    「どんな縛り方のことか分かりませんけど、一通りは」
    「ひ、一通り! じゃ、逆海老縛りとか、逆さ吊りとか?」
    「はい」
    「ま、まさか、駿河問いとか、き、きっこー縛りとかも?」
    「はい」
    経験はなくとも、妙な知識だけは豊富なオタク腐女子の二人である。
    「ほぇ~っ!!」
    二人の史代を見る目が羨望のまなざしに変わった。

    Scene.19
    舞華の携帯電話が鳴った。
    それを耳に当てた舞華が一瞬怪訝な顔をして広大に電話を渡した。
    「史代ちゃんから」
    「はい」
    広大は電話を替わって話し、それから「行きましょう!」と言って歩き出した。
    「ね、史代ちゃんは無事なの?」
    「無事、みたいです。ただ、・・」
    「ただ?」
    「メイドの二人が無事じゃないみたいです」
    「?」

    Scene.20
    倉庫に広大と舞華が飛び込んできた。
    「松宮!」「史代ちゃんっ」
    奥で史代が座り込んでいた。
    「あ、広くん! 来てくれたぁ~っ」
    史代は広大に抱きついて、胸に顔をうずめた。
    「史代ちゃん、大丈夫? 怪我とかしてない?」史代が落ち着くのを待って、舞華が聞いた。
    「あ、あたしはどうもありません。ただ・・」
    「ただ?」
    「あの人たちが・・」
    史代が指差すと、そこにはビニールロープでがんじがらめに縛られたメイドが二人転がっていた。
    「あ・・、はん」
    「くっ、・・ひぃ」
    メイドの一人は手錠をしていて、その上からさらに縄が巻きついていた。
    もう一人のメイドは後ろ手に縛られていて、手錠メイドの上にのしかかるようにしてもがいていた。
    「あら、羽須美さん」
    舞華が驚いたようにつぶやいた。

    Scene.21
    史代によると、二人のメイドは史代が縛ったのだという。
    「縛ってちょうだい、って頼まれて・・」
    初めは簡単に手首を縛っただけだったが、二人は更なる緊縛を求めたのだった。
    「なまじっかの知識で縛るのが一番危険なんだよ?」広大がいさめるように言った。
    「それは分かってたんだけど、・・二人で抱き合って気持ちよさそうになって、キスし合ったりして。・・それでもっと縛ってって頼まれて」
    広大の縄を思い出しながら縛ったら、解けなくなってしまったのだった。
    「ビニールロープで結び目が締まってるから、切るしかないかなぁ、これ」
    「あたしもそう思ったんだけど、ここ、ハサミも何も見つからなくって・・」
    「広大くん、切ってあげられる?」舞華が聞いた。
    「今はナイフを持ってません」
    いつも持ち歩くリュックサックにナイフが入っているが、リュックはチア部の部室に置いていた。
    「じゃあ、ナイフを取ってくる?」
    「今から大学まで往復してたら、次の実演に間に合いませんよ」
    史代が口をはさんだ。
    「あの、二人を大学まで運んであげましょう」
    「えぇ? あたし達だけでどうやって?」
    「あれで」史代は倉庫の隅に山積みになっているダンボール箱を指差した。

    Scene.22
    舞華と広大、それに史代が台車に載せたダンボール箱をごろごろと押している。
    学園祭の最中とはいえ、へそ出し・ミニスカのチアリーダーが荷物を押して道路を歩く姿は人目を引いた。
    「ちょっと恥ずかしいな」史代が小声で言って笑う。
    「大学からあの倉庫までは、どうやって行ったの?」広大が聞いた。
    「歩いて行ったよ。・・あの変なメイドさんと一緒に歩いてたら、あたしなんてぜんぜん目立たないもん」
    ガタン。
    道路の段差を越えると、台車と箱が大きく揺れた。
    「・・んんっ!」「むん、ん・・・!!」
    箱の中から小さな声が聞こえたような気がした。
    「それにしても、あの二人を箱詰めで運ぶなんて、史代ちゃん、結構サドね」舞華が言う。
    「へへへ。あたしを誘拐しようとしたんだから、当然です。・・えい!」
    史代はそう言って、わざと台車をがたがた揺らした。
    「んん~~ん!!!」「・・・っっっ!!」
    喘ぎ声が再び箱の中から響いた。
    蓋の一部がぱかっと開いて、そこから黒いストッキングの足がにょっきりと生えた。
    「あら、駄目よ」
    舞華がその足を押し込んで蓋を閉めようとする。
    今後は反対側の蓋がぽこんと開き、そこから別の足が生えて舞華に絡みついた。
    「わ、や、こら」
    舞華はダンボール箱に覆いかぶさるような姿勢で二本の足に絡みつかれてもがいている。
    「何してるんですか。行きますよ」広大が叫んだ。

    Scene.23
    チア喫茶では緊縛展示の明日香がじっと耐えていた。
    「はぁ~っ」深呼吸した。
    水の入ったコップが足の上でゆらゆら揺れている。
    コップの置き台になっている自分。
    開脚した足は拘束されていないので、動かそうと思えば動かすことができる。
    しかし動かしてコップを倒す訳にはいかないのだ。
    ああ、いっそこの両足も動かないように縛ってもらったらよかった。
    だったらこんなにやるせない思いはしなかったかもしれないのに。
    そういえば、今何時かな。
    最初は時計の針ばかり気にしていたが、今はどうでもよくなっていた。
    ただ、こうして過ごす気持ち。モノのようになって過ごす気持ち。
    それが不思議と心地よく感じられた。
    私、永遠にこのまま・・・・。
    とん。
    肩を叩かれた。
    「時間です」
    びくっとして振り返ると広大だった。
    コップが倒れ、こぼれた水がトレイから溢れて足を濡らした。
    その冷たさに再び身が震える。
    「こぼしちゃいましたね」
    「あぁ、私、・・罰、を受けるんですか?」
    「いえ、僕が来た後ですから、セーフです。・・本当によく頑張りましたね」
    あ・・。明日香の視界が涙でぼやける。
    広大は太もものトレイを外し、それから上半身の縄を解いた。

    Scene.24
    広大と史代は、4人目のモデルを縛ってからチア部の部室にやってきた。
    そこには倉庫から運んできたダンボール箱が台車に載せたまま置かれていた。
    箱の上面に開いた穴から黒いストッキングを履いた女の足が二本生えてもぞもぞ動いていて、さらにその足に舞華が絡みつかれていた。
    ダンボール箱にはガムテープがぐるぐる巻きに貼られていて、箱から生えた二本の足とそしてその上の舞華までまとめて動けないように固定していた。
    「広大くぅん」舞華が広大を見て情けない声を上げる。
    「何であたしまで、こんな目にぃ」
    「すみません。メイドの二人を箱から出してあげる時間がなくて、暴れて箱ごと倒れたりしないようにとりあえずガムテープを巻いたら、舞華さんまで一緒にしてしまったみたいで」
    「いいから助けてぇ」
    「わかりました」
    広大はまず舞華を拘束するガムテープをナイフで切断する。
    そしてそのナイフを逆手に持つと、やおら無造作にダンボール箱にぶすりと突き刺した。
    「きゃ」史代が両手で顔を覆った。
    そのまま箱の手前の面を切り裂く。
    箱の中には、レイと千沙が小さくなって絡み合いながら各々片方の足を上方に突き出し上下逆に収まっていた。
    「すごいわ。イリュージョンみたい」舞華が感心する。
    広大は箱から出した二人の口のガムテープを剥がし、さらに口に詰めた布を引き出した。
    史代が縛ったビニールロープをナイフで切断する。
    千沙は手錠をつけたままで、広大はそれも外そうとしたが、鍵がなかったので諦めた。
    二人は喘ぎながらしばらく言葉も喋れなかったが、時間が過ぎると落ち着いた。
    「あなた達、史代ちゃんをかどわかそうとした罪は重いわよ」
    舞華が言いかけたが、史代と広大が嘆願して、二度とチア部の妨害をしないことを誓って二人はそのまま放免されることになった。

    Scene.25
    チア喫茶では4人目のモデルの紅野さくらが緊縛されていた。
    床に転がされて逆海老に縛られた、いわゆるホッグタイの形である。
    動けないよぉっ。ああん、気持ちイイ!!
    さくらは日頃から縛られ苛められ大好きを標榜するドMだった。
    今回の緊縛実演でも、嬉しくてしかたないという表情で登場し、広大に縛られながらついにはにこにこ笑い出してしまう始末である。
    その様子が気持ち悪かったのか、広大はさくらの口に縄を噛ませて後方に強く引いて、笑えないようにしてしまった。
    逆海老に反り返った身体には縄が食い込んでいて、ほとんどどこも動かすことができない。
    それでも身体の中心で感じる快感は止まらなかった。
    さくらは観客の遠慮ない視線を全身で感じた。じんじんと感じた。
    ああん、子宮の中が熱いよ。とろとろになっちゃうよぉ。

    Scene.26
    「悔しいわ」レイがつぶやいた。
    「ええ、悔しいわねっ」千沙が同意する。
    二人は歩いて自分達のメイド喫茶に戻るところである。
    千沙の眼鏡は少しゆがんで斜めになっている。手錠は相変わらず掛けたままだった。
    「きみちゃん!」レイは千沙を本名で呼んだ。
    「はい!?」
    「もっと、きっちり縛ってほしかったわ!」
    「え」
    「きみちゃんは、手錠してるから気持ちいいかもしれないけど、あたしは生殺しだわ!」
    「悔しいって、チア部の人たちにやられたことじゃなかったの?」
    「違うわよ。・・そりゃ、箱に詰められて、きみちゃんとめくるめく時間を過ごしたわ。でも、もの足りないわ!」
    「じゃ、どうするの? レイ、じゃなくて、みっちゃん」
    「そうね、中学生縄師に頼んで縛ってもらおうかしら」
    レイはそう言って、笑いながらくるりと回った。
    「そうだ、いっそコスプレ同好会、全員縛ってもらうのはどう?」
    「あら、それは楽しそうね」
    「きみちゃんとは、連縛よ♥」
    「嬉しいわ。みっちゃん」
    「きみちゃん」
    二人は顔を見合わせてキスをした。
    「ね、今夜、あたしの部屋で」
    「うん。・・でもその前に、コスプレ同好会として仕事しなきゃね」
    「そうね」

    Scene.27
    舞華と史代の緊縛の時刻が迫っていた。
    「舞華さん、背中のホックのところ、ずり上がってません?」
    「大丈夫よ」
    「やだ、あと5分っ。どうしよお~っ」
    「落ち着きなさいよ、史代ちゃん」
    「だってぇ。あたしあたし、縛られるんですよぉ~っ」
    落ち着くなんて無理だよぉ。史代はばたばたと走り回る。
    「大丈夫だよ。心配しないで。松宮は僕のする通りに従ってくれたらいいんだから」広大が言った。
    「広くん、信じてるからね!」
    「うん」
    「そうだ。ねぇ、お願いしてもいいかな」
    「何?」
    「そ、そのね。・・あたしが落ち着けるよう、おまじないをして欲しいの」
    「いいよ。どうするの?」
    「軽くでいいから、ここにキスして」
    史代はそう言って自分のおでこを指差した。
    「え」
    「いいわよぉっ、史代ちゃんっ。GO、GO!」舞華が小声で応援する。
    「駄目?」
    「ん・・」広大は少し考えて答えた。「わかった」
    そう言うなり史代に歩み寄ると、史代の頭を両手ではさみ、額に唇を付けた。
    「え、や、広くん・・・!!!」
    広大の早業に今度は史代が目を白黒させる。
    史代は両手で自分の頬をぎゅっと押さえた。その頬がみるみる赤くなって行く。
    「こら、松宮が落ち着くためのおまじないなんだから、そこで慌てたら駄目だろ」
    広大が言った。広大の顔も少し赤い。
    「じゃ、時間だから、先に行くよ」
    広大はそう言ってチア喫茶の店内に入っていった。
    「史代ちゃん、やった!」
    舞華が史代の背中をどん、と叩いた。
    「え、あ、はい。・・やりましたぁ~」
    史代は頬を両手で押さえたまま、ふらふらとよろめいた。
    「あら、史代ちゃんっ。しっかり」
    舞華があわてて史代の背中を支える。
    史代ちゃん、この後、大丈夫かしら? 舞華は少し心配になったが、すぐに考え直した。
    広大くんが縛るんだもの。大丈夫に決まってるわ!

    続き




    中学生縄師ザ・ムービー(3/3)

    Scene.28
    広大は先に縛られていた紅野さくらを解放した。
    さくらは自由になると、とろんとした表情で広大に抱きついてしばらく離れなかった。
    「やだっ、もう」すぐに史代が飛び出してきて、広大からさくらを引き剥がしている。
    さくらが退場した後も史代は広大の隣でほっぺたを膨らませていた。
    ぷんぷん! 文代の後ろでマンガの描き文字が立っているようだ。
    舞華はその様子に苦笑しながら、自分も史代の横に歩み出た。
    史代の肩に手を置いて言う。
    「さ、次はあたし達。・・覚悟しましょ」
    史代ははっと気がついたような顔をして、舞華と広大を交互に見た。
    「久しぶりの連縛をするよ」
    広大が言った。

    Scene.29
    広大は縄束を手に史代の後ろに立った。
    史代の両手を頭上に上げて、肘を曲げさせた。
    二の腕と下腕を揃えて左右それぞれ縛る。さらに頭の後ろで合わせた手首も縛った。
    床にマットを敷いて膝立ちにさせる。
    広大もその後ろで膝立ちになり、後ろから史代を抱き抱えるように支えた。
    「大丈夫?」小さな声で聞く。
    「うん。広くんの縄だもん」史代が答える。
    「松宮。綺麗だ」
    広大は史代の腰に手を当てると、そのまま身体の両脇を肘までなぞった。
    「・・あぁっ」
    史代が首を大きく仰け反りながら声をもらした。
    「何あれ、すごい色気だよ・・」
    「あの子、大学生じゃないね」「まさか、高校生?」
    客席の会話が聞こえる。
    史代は紅潮した顔で広大の緊縛に耐えている。
    舞華は史代を見て思う。
    史代ちゃん、あなたももう立派なレディだわ。とってもセクシーで素敵。
    広大は史代の膝の上と足首も縛った。
    これで史代は膝をついたまま自分では立てなくなった。
    ・・次は、舞華さん。広大が舞華を見た。
    舞華は黙って両手を背中に回す。
    自分から腕をひねるようにして手首を組んだ。
    その手首は背中に密着することなく、少し浮かせた状態になっていた。
    広大が縄を掛け易いように舞華が自分でその姿勢をとっているのである。
    観客には分からない、広大にだけ伝わる従属の気持ち。
    「それでこそ僕のドレイです」
    広大はそう言ってその腕に縄を絡めた。
    舞華を縛る縄は史代のそれよりも厳しかった。
    豊かな乳房を上下から絞って盛り上げるとともに、二本の腕を高い位置で捻り上げて固定する縄。
    ミニスカートの上から股間に食い込んだ股縄。
    そして太ももと脛に巻きついて、まるでハムのように縊(くび)り上げる縄。
    「・・くぅっ!!!」
    締め上げた女体から声にならない声がこぼれる。聞く者の精神と下半身を確実に刺激する声。
    そのセクシーさ、エロさ。
    「北大路先輩、すごいっ!!」
    チア部の後輩が驚いている。
    ・・舞華さん、やっぱり、あたしの憧れだ。
    史代は自分も縄に苛まれながら舞華を見て思う。
    広くんがプロになってあたしが専属の緊縛モデルになったら、舞華さんみたいにセクシーに縛られたいな。
    広大は舞華を史代を背中合わせにして、マットの上で膝立ちにさせた。
    舞華の背中と史代の手首の縄を連結して短く絞る。
    さらに二人の腰を縄で連結して、しっかりと尻を押し付け合うようにした。
    これでよし。
    縄の状態を確認すると、広大は続いてガムテープを出した。
    口内に詰めモノなしの飾りの猿轡だ。でも二人の気持ちが高まればそれで十分だから。
    テープを長めに切り出して、左右の耳の近くまで覆うように舞華と史代の口を封印した。
    「さあ、完成。・・二人ともいけるね?」
    うん、大丈夫だよ。
    平気よ。耐えてみせるわ。
    二人は広大に目で応えた。
    「無理しないで。辛くなったら、その場で崩れて横向きに倒れ込んでもいいからね」
    広大は二人の肩を軽く叩いて、離れて行った。

    Scene.30
    チア喫茶は相変わらず大人気だった。
    廊下には長蛇の列が伸びていたが、最後の緊縛モデルになって残り時間も少ないということから、店内を通り抜けるだけの見学コースが設定された。
    見学コースに従って部屋の中に入ると、そこには二人のモデルが背中合わせに縛られている。
    一人は小柄で初々しさの感じられる少女。もう一人はセクシーな大人の女性。
    客のほとんどは、実際に緊縛された人間を見たことなど、当然ない。
    そういった客は、まず生身の女性が本当に縛られて身動きできない姿を目の当たりにして衝撃を受ける。
    そしてその後、その美しさに見とれている自分に気付いてもう一度驚くのである。

    Scene.31
    ・・はぁ、はぁ。
    史代は持ちこたえていた。
    縛られて自由を奪われたあたし、そのあたしを見守るお客さん。
    広くんにはもう百回も縛られているのに、どうしたのかな、あたし。
    胸の鼓動がピークだ。
    あぁ、広くん、こんなの初めてだよ。あたし、もう。
    ・・ん、くぅっ。
    舞華も持ちこたえていた。
    全身を締め上げる縄に、心まで締め上げられているようだった。
    気を抜くとイッてしまいそうな感覚。
    口を覆うガムテープが被虐感を加速させるのもたまらない。
    広大くんって本当に天才的。女をこんな気持ちにさせるなんて。

    緊縛展示中

    Scene.32
    羽須美レイと蘭月千沙がチア喫茶にやって来た。
    二人は緊縛展示されている史代と舞華をしばらく呆然と口を開けて見ていたが、やがて我に返ると広大を探して何かを話しかけた。
    広大はチアリーディング部主将の立山しのぶと相談して、二人の依頼を了解した。

    Scene.33
    ~史代ちゃん、がんばってるじゃない。
    ~舞華さんこそ。
    二人はガムテープで口を塞がれているので会話することはできない。
    それでも背中合わせの相手を意識すると、不思議と互いの気持ちを通わせることができた。
    ~史代ちゃん、限界?
    ~大丈夫です。ただ、膝が辛いかな。
    ~あたしも。だいぶ、きつい。
    ~そろそろ。
    ~うん。じゃ、倒れよっか。
    「ん」ガムテープの下からくもぐった声がこぼれた。
    二人はゆっくり膝を折り、互いの足の上に体重を掛ける形で腰を屈めた。
    そのまま、ずしんと頭を奥にして倒れる。
    「ん~」(ああ、楽になったわ!)
    「ん~」(あたしもっ)
    モデルが倒れた!
    人々は驚き、急ぎ広大が呼ばれる。
    やって来た広大は二人の様子をちらりと見て「大丈夫です」と答えた。
    「残り30分、このまま放っておいても構いません」
    舞華と史代は広大の応答に苦笑する。
    ~広くん、お見通しだな。
    ~さすがは広大くんね。
    ~もうあと少し。
    ~そうね。頑張ろうね。

    Scene.34
    二人の緊縛展示が終了した。
    「ありがとうございました。チア喫茶はこれで閉店でーす」
    立山しのぶが挨拶する。
    正確な来客数は集計しないとわからないが、チア喫茶がメイド喫茶に圧勝したことは確実だった。
    「6時から第2グランドでチアリーディングの演技をしますので、どうぞお越し下さーい!」
    広大が史代の拘束を解放した。
    「松宮、よく頑張ったね」
    「こ、広くん。あ、あたし・・・、ひっく」
    史代は床に座り込んだま、広大に抱きついた。
    広大は黙って史代の背中を撫でる。
    「あたし、綺麗だった?」
    「うん、綺麗だった」
    「色っぽかった?」
    「うん、色っぽかった」
    「うわーん」
    こらえきれずに嗚咽が号泣に変わる。
    「鴫野くん、今日はありがとうっ。史代ちゃんも、お手伝い、ありがとう!」しのぶが言った。
    「史代ちゃん、とっても素敵だった!」
    「可愛かったよ!」
    「色っぽくて、どきどきした!」
    チア部員達も口々に声を掛ける。
    皆が広大と史代を囲んで、ポンポンを振った。
    「広大くーん、GOGO! 史代ちゃーん、GOGO! いぇーい!!」
    エールが終わると、広大は史代の手を取って立ち上がった。
    「僕も勉強になりました。皆さん、ありがとうございました」二人で揃ってお辞儀をする。
    一斉に鳴る拍手。
    「・・・ん、んんんっ。んん~~っ!!!」
    輪の外で小さな声がした。
    「あ、忘れてた」
    広大が駆け寄って、床に転がったままの舞華の口のガムテープを剥がした。
    「こ、広大くん。・・あたしを、わざと忘れてたんじゃないでしょうね~?」
    「いえ、別にそういう訳では」
    「私は気がついてたんだけどぉ・・」
    しのぶが言った。「もしかして舞華、そのまま縛っておいて欲しいのかな、と」
    「あ、あたしもそう思いましたぁ」チア部の後輩達も同調する。
    「北大路先輩が、こんなにドMな人だとは思ってませんでしたしぃ」
    「ひどいわ! ドMは否定しないけど」
    笑い声が部屋の中に響いた。

    Scene.35
    「じゃ、5時45分にグランド集合だよ~」
    しのぶが叫んでいる。
    この後、学園祭の特別プログラムとしてチアリーディングの演技をするのだ。
    舞華と史代が雑談していると、その横を広大がリュックを背負って出て行こうとした。
    「あ、広大くんも史代ちゃんと一緒に団演見て言ってね!」舞華が声を掛けた。
    「はい、分かってます。・・その前にちょっとヤボ用があるので、行ってきます」
    「どこへ行くの?」史代
    「たいした用事じゃないから。松宮はよく休んでるんだよ」
    「うん、わかった」

    Scene.36
    日はすっかり暮れて、肌寒くなっていた。
    星心女子大学のグランドはナイター照明が灯り、チアリーディングの特別演技を見に来た人々がスタンドに集まっていた。
    「あれ、広大くんは?」舞華がやってきて史代に聞いた。
    舞華はチア服の上から大きなブレーカーを羽織っていた。
    史代は着替えて、私服に戻っている。
    「ああ、まだなんです」
    「ヤボ用って、どこ行ったのかしらねぇ」
    「広くんはきっと始まる前に戻ってくるから大丈夫です。舞華さん、チアリーディング頑張って下さいね」
    「そう。じゃあ、二人で一緒に楽しんでね」

    Scene.37
    こちらはメイド喫茶。
    店じまいした店内はきゃいきゃい賑やかである。
    「はい。できました」
    広大が後ろ手に縛ったメイドの尻をぽんと叩いた。
    「いやぁん♥」
    リュックから新しい縄を出す。
    「次の人、どうぞ。・・あ、ハイヒールは危ないから履き替えて下さいね」
    メイドは全部で10人。一人3分で急いでも、全員を縛るのに30分以上かかる。
    額に流れる汗を拭おうともせず、黙々と縛る。
    「ごめんなさいね。無理なお願いして」レイがすまなそうに言った。
    彼女は既に後ろ手に縛られている。
    「いえ。僕にとってもこんな機会はめったにありませんから」
    広大は手を休めずに答えた。
    「我がコスプレ同好会で緊縛撮影会をやろうと思うんだけど、そのときはまたお願いしてもいいかしら」
    「あ、そういう話は、舞華さんを通してもらえますか」
    「そう? じゃあ、またお願いするわ。・・ところで」
    レイは広大のリュックを指差して聞いた。
    「その中にはどれだけ縄が入ってるの?」
    広大は初めて手を止めてレイを見た。
    「このリュックの中身は中学生縄師シリーズ最大の秘密ですから、教えられません」
    そして新しい縄を取り出して言った。
    「はい、次の人」
    レイは広大の元から離れ、胸元に掛かった縄を陶然と見下ろした。
    ん、んん~っ。
    腕に力を入れてもがいてみた。広大が縛った縄は緩む気配もない。
    自由を奪われた両手と肌に食い込む縄。
    見た目は痛々しいのに、とろけてしまいそうなほど気持ちいい。
    「みっちゃん、綺麗♥」
    千沙が近寄ってきて言った。彼女も後ろ手に縛られている。
    「きみちゃんだって♥」
    二人は互いに見詰め合って笑った。
    「ひゃん♥」
    広大の縄がどこかを刺激したのか、縛られているメイドが甘い悲鳴を上げた。

    Scene.38
    グランドの照明が消えて暗くなり、アナウンスが流れた。
    「まもなく、星心女子大学チアリーディング部スパークスによる特別演技を始めます」
    再び照明が点いたグランドに30人のチアリーダーがポンポンを持って整列していた。
    「・・ごめん、時間がかかって」
    そこへ広大が来て、史代の隣に座った。
    「いいよ。ちょうど始まるところだから」
    広大は自分のジャンパーを脱いで史代の肩にかける。「ほい」
    「あ、ありがと!」
    「ねぇ、何でこんな端っこに座ってるの?」広大が聞いた。
    史代はスタンドの最上段の隅に、他の人々から離れて一人で座っていたのである。
    「だって・・」
    史代は座り直して広大に密着した。
    広大の腕を持ち上げて自分の肩に乗せると、頭を広大の胸に寄せてつけた。
    「こうしたいんだもん」
    広大は黙って微笑んで、史代の肩を抱く腕に力を入れる。
    テンポのよい音楽が流れ始め、チアリーダーが踊りだした。
    GO!GO! Sparks!!
    元気な掛け声とともに飛び跳ねる。
    「ねっ、あそこっ。舞華さん!」
    「うん」
    2列目で舞華が踊りながらハイキックをしていた。
    その隣で清音、いつみ、明日香、さくらも元気にジャンプしている。
    「みんな、身体に縄目が残っているね」
    「本当だ~」
    緊縛モデルを務めたチアリーダーは、皆、手足に縄の跡を残しているのがスタンドからでもよく見えた。
    中でも舞華の肌には、とりわけすさまじい縄目が刻まれていた。
    と、舞華は自分の腕の縄目を指差して悪戯っぽく笑い、スタンドの広大と史代に向かって大仰な仕草でウインクと投げキッスをしてみせた。
    他の4人も縄の跡をいっこう気にする様子はなく笑顔で跳ねていた。
    GO!GO! Sparks!!
    史代はセーターの袖をめくって自分の手首を見る。そこにも縄の跡が残っていた。
    その縄目をそっと自分の頬にあてた。
    ね、広くん知ってる?
    あたしね、いつも広くんに縛ってもらうたびに、この縄の跡が愛おしくてしかたないんだよ。
    グランドではチアリーディングの演技が続いている。
    チアリーダー達は4人ずつ組になって、肩組みをして一人をその上に立たせた。
    と思う間もなく、肩の上のメンバーが空中高く跳ね上がった。
    さらに今度は8人でのスタンツ。3段組の高さから両足を開いてジャンプするのを下で仲間が受け止める。
    うわぁ~っ。客席から歓声が上がる。
    史代は拍手をしながら思う。
    チアリーディングってかっこいいな。
    あたしも高校に上がったらチアしようかなぁ。

    Scene.39
    「あれ何だ?」
    観客客席にざわめきが起った。
    黒いメイド服の集団がグランドに乱入してきたのだ。
    総計10人。何と全員が縄で後ろ手に縛られていた。
    ええ~っ!!
    観客席の驚きをよそに、緊縛メイドの集団はチアリーディングの手前で横一列に並んで踊り始めた。
    「・・入ってきたのは、コスプレ同好会の皆さんです。えぇっと、何よこれ。キ、キンバクダンス!?で乱入って」
    やや混乱したアナウンスに観客席から歓声が上がった。
    メイド達は並んでラインダンスをしているが、縛られているので肩を組むことができない。
    蹴り上げる足の高さも不揃いである。
    何人かがバランスを崩して転倒し、大げさに尻餅をついた。
    スタンドに向かって大開きになった両足の間から、下着が丸見えである。
    それでも、メイド達は微笑みながら、腰を振ったりウインクをしたりして、観客にアピールをする。
    観客席に笑いが広がり、やがて大きな拍手と声援が続いた。
    いいぞぉ。がんばれぇ~。
    やがてチアリーダー達も前方に出てきて、メイドと一緒に足を振り上げ始めた。
    「ねぇ広くん。・・まさか、さっきのヤボ用って」
    史代は頭をもたげて広大を見た。
    広大は史代の肩を抱きながら、目を閉じて寝息を立てていた。
    もう、皆さん頑張っているところなのに。
    史代は広大を睨みつける。
    ・・まあ、いいか。疲れてるんだよね。今日はいったい何人の女性を縛ったの?
    史代は再び広大の胸に頭を預けた。広くんの腕の中、あったかい。
    今は、あたしだけを抱いて座ってくれてるから、許してあげる。
    史代と眠りこけた広大。
    寄り添って座る二人の前で、グランドではチアリーダーと緊縛メイドの集団が奇妙なダンスを続けていた。
    それは星心祭の長い歴史の中でも、極めつけの珍イベントとして永く語り継がれることとなった。



    ~登場人物紹介~
    鴫野広大: 15才。縄師修行中の中学3年生。最近は中学生縄師として知られている。
    松宮史代: 15才。広大の幼馴染で同級生。このお話で広くんとの距離が少し縮まったかな?
    北大路舞華: 20才。星心女子大学3年生。チアリーディング部所属。自称 "広大くんの押しかけ縄ドレイ"。
    立山しのぶ: 21才。3年生。チアリーディング部主将。
    香坂清音、柳生いつみ、木瀬明日香、紅野さくら:1年生。チアリーディング部所属。チア喫茶の緊縛実演モデルで広大に縛られる。
    羽須美レイ:20才。3年生。コスプレ同好会会長。本名は赤山田みやこ。緊縛実演を妨害するため史代を誘拐しようとする。
    蘭月千沙:20才。2年生。コスプレ同好会。本名は田井中公恵。レイと百合の関係らしい。自分で手錠を掛けている。


    ザ・ムービーの本編をお届けします。
    もともと、映画製作発表会をやりたいという不純な動機^^からザ・ムービーをやった訳ですが、いざ書き上がるとレギュラー編の3倍以上のボリュームになりました。
    この映画で、広大くんは史代ちゃんと15人の女子大生を縛ったことになります。

    今回のネタは学園祭での緊縛展示です。
    学園祭や文化祭というイベントは、学園じゅうが普段と違う世界に変化して、少しくらいアブノーマルなことでもやってしまえるパワーがあると思います。
    実際に同志社でしたっけ、女体盛をやった学園祭がありましたね。
    ですから、女子学生が交代で着衣緊縛を披露してくれる学園祭があっても不思議はない訳です(笑)。
    そういえば作者は昨年も学園祭をキョートサプライズで書いてました。
    このままだと来年もまたどこかの大学か高校の学園祭をやってしまうかもしれません:p

    イラストはじっくり楽しみながら描く時間がとれず、不本意な出来です。
    元々は、緊縛展示されたチアリーダーの皆さんを全員描きたかったのですが、作者の今の状況でそれは無理と断念しました。
    チアリーダー達が緊縛展示されている姿は、恐れ入りますが文章から想像してみて下さい。
    なお冒頭のイラストで、縛られているチアリーダー達は右から、清音・いつみ・明日香・さくらの設定です。
    そして明日香役の女優さんは、実は映画化発表会のときにバックで吊られていた人です。
    作者に余裕があれば、この女優さんでもうひとネタ、映画化発表会関連のSSをやりたいと思っています。

    さて、広大くんと史代ちゃんも受験が近づいてきました。
    二人ともそれぞれのお母さんから、緊縛活動はしばらくお休みにするように言われたようです。
    そんな訳で中学生縄師シリーズは次のクリスマス編でひとまず最終回となります。
    二人が高校に進学した後に、高校生縄師としてシリーズを再開するかどうか、実は迷っています。
    だって、このまま高校生になったら広大はますます格好よくなるし、史代ちゃんは美人になるに決まっているでしょう?
    そんなカップルでは、もう作者の手には負えなくなりますからね。




    中学生縄師 映画製作発表会

    コレみよニュース No.105963
    『中学生縄師 ザ・ムービー』製作発表会

    女性の緊縛を題材にしながら全年齢対象という異色のライトコメディドラマ『中学生縄師』の映画製作発表会が○月×日都内ホテルで開かれた。
    『中学生縄師』はSM作家北見四川の原作で、縄師の父と緊縛モデルの母の間に生まれた少年が、病死した父の跡を継いで立派な縄師になるために毎回様々な女性を縛って修行を積んでいくというストーリー。
    テレビドラマは昨秋の放送開始からじわじわと人気が上昇し、深夜25時という枠にもかかわらず4月の平均視聴率はこの時間帯では異例の7%台をキープした。
    このたびの映画化では、テレビ版における、登場人物と同じ年齢のキャスト、劇中緊縛シーンはすべて吹き替えなしという特徴はそのままにパワーアップし、名門女子大の学園祭を舞台として女子大生チアリーダー達が緊縛されるという。

    会場では発表会の看板の下に緊縛チアリーダーを吊るして雰囲気を盛り上げる中、小池一郎監督、原作の北見四川氏、そしてキャストの伊藤哲平、池本咲、YUMIKO が出席してインタビューが行われた。

    映画製作発表会
    出席の皆さん。左から小池監督・池本咲ちゃん・伊藤哲平くん
    ・YUMIKOさん・北見四川さん。
    北見さんってこんな美人の女性だったのね。
    後ろで吊られているチアのお姉さんが気になるけど、「これは
    ただのディスプレイですから質問は受け付けません」 だって。
    (写真はクリックで拡大します)


    主人公の鴫野広大役は、このドラマがテレビ初出演だった伊藤哲平(14)。
    テレビドラマ撮影開始の3ヶ月前から緊縛の特訓を受けてひと通りの縛り方をマスターしたという。
    それでも緊縛シーンの撮影にあたっては、プロ縄師の指導を受けて何度もリハーサルをして絶対に事故のないように努めている。
    「(緊縛は)難しいです。女性の皆さんは、最近やっと僕を信じて縛られてくれるようになったような・・」(横に立つ池本咲と YUMIKO が「うふふ」と笑った)
    「映画では、一人で何人も縛るシーンがあるので、更にスマートに美しく緊縛できるように頑張ります」

    主人公の幼馴染の松宮史代役は、コマーシャルなどで活躍してきた池本咲(14)。
    「日本で一番縛られている女子中学生です(笑)」
    咲ちゃん自身にMっ気はありますか?との意地悪な質問に対しては、顔を赤らめて小さな声で「・・はい」と答えた。
    撮影で初めて緊縛を受ける前の夜は眠れなかったそうだが、今は役になりきって縛られている。
    「史代ちゃんは広くんのことが大好きで大好きで、広くんにだったら何をされてもいい。そんな史代ちゃんの一途な気持ちが伝われば、と思って演じてます」
    伊藤哲平の腕にしがみつきながら言った。
    「映画の中でも広くんを思う気持ちは誰にも負けません。二人の仲が親展するよう、応援して下さいね」

    "おしかけ縄ドレイ" の女子大生、北大路舞華役は、このドラマを機に YUMIKO と改名した白石由美子(20)。子役の時代から清純な美少女を数多く演じてきたが、ここでは露出度高めでセクシーなお姉さまになりきっている。
    「お色気担当と聞いて自分にできるか心配でしたけど、今では身も心も舞華になって現場をビキニで歩き回っています(笑)」
    そう言ってチアリーダーのコスチュームのスカートを少し持ち上げてウインクした。
    私生活で縛られたことは?という質問には「それは内緒♥、でも広大くんみたいに紳士的に縛って下さる殿方ならぜひ、ほほほ・・」と妖しく笑う。
    「映画では広大くんのドレイとチアリーディングの両方で頑張ります。舞華が広大くんに縛られる姿をお楽しみにね」

    インタビューに続き、報道陣の前で伊藤哲平が池本咲と YUMIKO の緊縛を披露した。
    「スタッフ以外の前で縛るのは初めてなので緊張します」と言いながらも、二人を手際よく鮮やかに高手小手に縛り上げて、盛大な拍手を受けていた。

    映画『中学生縄師 ザ・ムービー』(配給:DID Channel)は全国のDID系映画館で今秋公開予定。
    R18/R15の指定はないが、PG12(12歳未満は保護者同伴要)のレイティングとなっている。

    緊縛披露
    哲平くんによる YUMIKO さんと咲ちゃんの公開緊縛。
    美女と美少女をかるーくひと縛りして、ちょっとポーズ。カッコいい!


    緊縛披露
    縛られていっそうセクシーな YUMIKO さんとキュートな咲ちゃん。
    それにしても、こんな緊縛シーンを見せてくれる哲平くんと咲ちゃんが
    二人ともまだ14歳の中学生だなんて、信じられません!


    ずっと吊られてたお姉さん
    当メディアのイチ押しは、このお姉さん♥
    看板と一体で吊られているようで、本当に最後までこのままでした。
    発表会の間じゅう、あの人は大丈夫なのかしらと胸のドキドキが
    止まらなかった記者♀です。
    最後にカメラを向けたら、ほっとした様子で素敵な笑顔を見せて
    くれました。・・お疲れ様でした!




    これは『中学生縄師』のSSではなく、『TVドラマの中学生縄師』のSSです。
    中学生縄師のシリーズはもともとTVドラマで放送されているという設定ですが、そのTVドラマの人気が出て映画化されることになって映画化発表記者会見が開催され、これはその様子を紹介するネットメディアの記事という体裁です。
    ややこしいですか?(笑)

    # 映画化は、あくまで作者の妄想ネタですので、どうぞお間違いなく!

    アダルト系のイベントでは、女優やモデルさんの緊縛を披露することがありますね。
    その昔、高校生の頃の筆者は、プレイボーイか何かの週刊誌でSM映画の製作発表会の記事を読みました。
    そこでは、記者会見に臨む映画監督と主演の俳優さん女優さんの後方に半裸の女性が縛られて吊られていました。( 無名の女優さんでしょうか、それともSMクラブなどから呼ばれた被縛専門モデルでしょうか? 完全な逆さ吊りではありませんでしたが、全身に縄を掛けられて頭を斜め下にして、かなり厳しい状態でした )
    そしてインタビューの後、女優さんも衣装のまま緊縛されポーズをとっていました。(こちらは、手首と胸の上側に縄をひと巻きされただけで、バックで吊られている女性との扱いの差は歴然でした^^)
    映画の題名も女優さんの名前もまったく覚えていませんが、その光景だけは若かりし私の脳裏に深く刻み込まれたのです。

    そんな訳で、中学生縄師はいつか映画化して、記者会見をしようと思っていました。
    いや映画化はどうでもいいのですが、記者会見の会場には緊縛された女性を飾り、その前で史代と舞華役の女優さんを公開緊縛しようと思っていました。
    例によって私だけが萌えるネタではないかという不安にさいなまれつつも、これをお読みの皆さんの中に一人でも同じ萌えを感じて下されば、筆者としては大変嬉しく思います。

    掲載したイラストはちまちまと楽しみながら描きました。
    最も力が入ったのは、もちろんバックで吊られているお姉さんです。
    舞華の緊縛は、Act.1 のタイトルバックの緊縛ポーズを再現しました。

    さて閑話休題、ここのところ再び仕事が多忙です。
    次回の更新は間隔が開くかもしれないことを、予めお詫びとともにお伝えしておきます。

    ありがとうございました。




    中学生縄師 Act.10 七海

    中学生縄師Act.10

    空に浮かぶ入道雲がいつの間にかいわし雲に交代すると秋である。
    週末の高原に向かう快速電車の中に天晴中学校鉄道研究会の面々がいた。
    この日は秋の撮影会。
    3年生の部員にとっては最後のクラブ行事であった。
    ・・
    「よっしゃ!」
    2年の山下が叫んだ。
    同じ2年の森尾七海(なつみ)と貧民・大貧民のビリ争いをして勝ち抜けたのだ。
    車端の4人掛けのボックスシートを二つ占めて、鉄研名物の大貧民の真っ最中であった。
    「次は負けないからぁ」七海がトランプを集めて繰り始めた。
    「もう1ゲームする時間はないからこれで終わり。大貧民は森尾さんで決定ね」
    部長の岩岡が宣言した。
    「えー?、もう終わりですかぁ?」七海は悔しそうな表情である。
    鉄研は部員7名の弱小クラブで、本日の参加メンバーはそのうち5名だった。
    3年生で部長の岩岡哲也、副部長の鴫野広大。
    2年は会計の森尾七海と山下守。
    そして1年の久保田義行である。
    紅一点の七海は鉄道旅行が好きで、男子部員だけだった鉄研に初めて入部してきた "鉄子" だった。
    一行の下車駅まであと5分ほど。
    山下が『レール・ピクトリアル』を鞄から出した。
    鉄道雑誌は中学生がお小遣いで買うには高価なので、共同で購入して回し読みしているのである。
    「山下君、もうすぐ到着するよ」隣に座った七海が山下に言う。
    「へへ、読む時間がなくって」
    山下は七海に開いたページを見せた。
    「ねぇ、ここ見た?」
    それは『映画の中の鉄道』という連載記事で、線路に縛り付けられた女性に機関車が煙を吐きながら迫ってくる写真が載っていた。
    "Damsel in Railroad Track Peril" などと呼ばれる、1900年代初めの連続活劇映画で定番のシーンである。
    「ああ、見たわよ」七海が答える。
    「森尾さんも興味ある?」
    「何に?」
    「いや、こういう風に捕まって、ピンチな目に合うの」
    「あたしが? ・・バカ、何言ってるのよぉ」七海はそう言って山下を肘でこづく。
    「ま、あたしも一人前の美少女だからさ、興味がないってことはないけどねっ」
    七海はウインクしてから、きゃははと笑った。
    ぎぃ。
    電車が止まり、ドアが開いた。
    「はい、行くよ!」
    二人は慌てて席を立って降りていった。
    ・・
    駅から目的の撮影地まで、峠を越えてちょっとしたハイキングである。
    七海と山下は列のしんがりで並んで歩いている。
    山下はときどき七海をちらちらと見るが、七海はそれに気づかないのかまっすぐ前を見ている。
    七海はあの雑誌の写真のことを考えていた。
    彼女は前の週に件の記事を読んでいた。
    一人でページの写真を見て、自分がヒロインになった気分になった。
    悪漢が自分を線路に縛り付けて放置する。やがて迫ってくる列車の音がレールから響く。
    ああっ、助けて!
    「・・森尾さん?」
    あ?
    「こっちだよ」
    車道から脇道に入るところで山下が呼んでいる。七海はまっすぐ歩いて通り過ぎていた。
    「きゃ、ごめんなさい!」慌てて山下の方に走っていく。
    ・・
    雑木林の中の細い道を進む。
    「ねえ、これ線路じゃないですか?」久保田が最初に気付いた。
    そこには半ば草に埋もれて細いレールが2本並んでいた。
    「えらく狭い線路だな」
    「ゲージ762ミリ。昔の森林軌道の跡だよ」岩岡が説明する。
    「部長、分かってたんですか?」七海が聞いた。
    「うん、黒沢鉄橋に行くならここを通らなきゃって思って」
    「廃線跡なんて初めて見ました」久保田が言う。
    「普通はすぐ撤去されて枕木も残らないんだけどね。こんなによく残存しているのは珍しいんだよ」
    「おっ、マニアっぽい説明ですね」山下が突っ込んだ。
    「もしかして、部長、廃線跡おたくですか?」
    「キモい」
    「何言うんだよ。面白いだろう?」
    「いいんですよ。趣味は人それぞれですから」
    「うわぁ、みんな同じ鉄道ファンじゃないかぁ」
    「廃線跡までは、ちょっとねえ」
    「そうそう」
    「うわぁ」
    「だから言っただろ? 廃線跡はハードル高いよ」落ち込む岩岡に広大が言った。
    ・・
    やがてレールは途切れ途切れになり、どこが線路跡かも分からなくなった。
    さらに10分ほど歩くと、突然視界が大きく開けた。
    深い谷に両側をトンネルに挟まれて、大きな鉄橋が掛かっている。
    本日の目的地である。
    ちょうど短い編成の電車が轟音とともに鉄橋を渡ってトンネルの中に消えていくところであった。
    これから自由撮影である。
    各人が思い思いの場所に散って鉄橋にカメラを向ける。
    山の中の鉄橋でも、幹線なので列車本数は多い。
    特急電車や普通電車、貨物列車が15~20分おきくらいに通る。
    よく晴れた秋空の下で中学生達は存分に列車の撮影を楽しんだ。
    ・・
    「ではここでクイズです」
    皆が集まって帰り支度をしているときに山下が言い出した。
    「755レは貨車を何両引いていたでしょう?」
    755レとは先ほど皆が撮影した貨物列車で、2両の機関車が重連で引く列車だった。
    この路線では日に一本だけの貴重な重連貨物である。
    「思ったより短かったよなぁ」
    「おっと。デジカメ画面で確かめるのは禁止だよ」
    「えぇ~」
    「はい、一人ずつ順番に。・・久保田から」
    「えぇっと、8両です」
    「森尾さん」
    「10両」
    「鴫野さん」
    「8両だったな」
    「部長は?」
    「8両」
    「やだぁ、あたしだけ違うのぉ? ・・山下くんは?」七海が慌てる。
    「えへへ、僕も8両」
    「もう」
    「では、確認しましょう」
    山下がカメラの画面を拡大するのを、皆が覗き込んだ。
    「はい、正解は8両でしたっ。一人だけ不正解の森尾さんは・・」七海の顔をちらりと見る。
    「罰ゲーム♪」
    「罰ゲームって何するの?」
    「えっと、それはね・・」
    山下が考えていると、岩岡がリュックを背負って立ち上がった。
    「それは後の楽しみに置いといて、そろそろ行こう」
    ・・
    一行は帰り道を歩き出した。
    「ねぇ、いったい何考えてるのよ」列の最後尾で歩きながら、七海が山下に聞いた。
    「そういえば、森尾さん、大貧民だったよね」山下が言う。
    「やなこと覚えてわねぇ」
    「大貧民で、その上、罰ゲームだから、ちょっと覚悟してもらおうかなぁ」
    「何の覚悟よ」
    「ほら、『ピク』のあの写真」
    「へ? ・・・あ、」
    思い出した。
    線路に縛りつけられたヒロイン。あたし、自分が縛られるところを想像して。
    ・・山下くん、あたしがあんな風にされたいって思ったこと、知ってるの?
    七海の顔が真っ赤になる。
    「あ、あの写真がどうしたのよ」
    「ほら、ここなら、ちょうどいい具合に廃線跡の線路もあるし、鴫野さんもいるし」
    「罰ゲームって、もしかして」
    「うんっ」そう答える山下の顔も赤くなっているようだ。
    「森尾さん、あの写真みたいにしようよ」
    「本気で言ってるの?」
    「けっこう、本気、かな。・・森尾さんも、ほら、興味あるって言ったでしょ」
    「う~~っ」七海は頭をかきむしる。
    どうしよう?
    山下に「バカ」と言えば済ませられる話である。
    でも。でも。でも。
    ええいっ、女は度胸!!
    七海は立ち止まって片手を上げた。
    「えー、皆さん!」
    全員が振り返った。
    「森尾七海、罰ゲームやりますっ。・・鴫野センパイ、縛って下さい!」
    ・・
    「僕は構わないよ」広大が言った。
    「でも、クラブ活動の中でこんなことやってもいいのかなぁ」岩岡が心配する。
    「鉄道誌の記事の確認だから問題ない、ってことにしません?」山下が言った。
    「お願いします!」七海が頭を下げた。
    「・・しゃあないなぁ」岩岡が苦笑いする。
    「なら、さっさとやろう」広大が背中の荷物を下ろした。
    ・・
    男子全員で線路に沿って4~5メートル分の草を抜いた。
    そこへ七海がレールの間に膝をそろえて座る。
    どきどき。
    「鴫野センパイ、お願いしますっ」
    広大が縄束を手に、七海の後ろに立った。
    ごくり。見守る男子達がつばを飲み込む。
    「じゃ、両手を後ろで組んで」
    「はいっ」
    七海の手首が縛られて、さらに胸の上下に縄が回された。
    はあ~っ。
    「足を揃えて」
    「はい」
    太ももから足首にかけて縄が巻きつき、下半身の自由が奪われた。
    「すごいなぁ。鴫野さんが縛るの、初めて見た」誰かが話しているのが聞こえる。
    あたし、本当に縛られてるんだ。鴫野センパイに、縛られてるんだ。
    静まれ、あたしの心臓!
    「そのまま、後ろに倒れて」
    「・・はい」
    七海は仰向けに横になった。
    赤く錆びた鉄のレールが背中に当たる。
    広大はそのレールに縄を掛けて七海の身体を固定した。
    あぁ、ぎゅっと締まってる。動けないよぉ。
    「さあ、これで森尾さんは囚われのお姫様だよ。・・気分はどう?」
    「し、しっかり縛られちゃいました。・・何かすごく、気持ちいい、です」
    やだぁ、あたしったら何を口ばしってるの。男の子ばかりの前で。
    後から羞恥の気持ちが追いかけてくる。
    ・・でも、やっぱり、悔いのないようにしなきゃ。
    「あの、センパイ。口も、お願いします」
    「口って、猿轡?」
    「はいっ。・・口もふさいで、喋れないようにして下さいっ」
    広大はリュックの中から白布を出して広げた。
    「本当は口に詰め布をして掛けるんだけど」
    布を細く巻いて七海の口に噛ませ、さらにその上から別の布を被せた。
    あぁ、これであの写真と同じね。
    雑誌の写真が脳裏に浮かぶ。七海は目を閉じた。
    彼方から列車がやってくる。
    カタンカタン、カタンカタン・・。レールに伝わる振動音。
    その音と振動が次第に大きくなる。
    がしゅ、がしゅ、がしゅ・・。
    ああっ、あたし、轢かれるっ。誰か、助けて!
    七海は首を左右に振った。
    汽車はもう目前に迫っている。
    絶対絶命。
    ・・
    七海は目を開けた。
    広大以外の3人が心配そうに自分を見下ろしていた。
    あれ、あたし、ちょっと陶酔し過ぎたかしら?
    「大丈夫?」山下が聞いた。
    七海は慌てて、大丈夫よ、というふうに首を縦にかくかくと振る。
    「そろそろ解こうか・・」広大が言いかけた。
    「ね、せっかくだから、皆で写真撮りましょうよ」山下が言う。
    「森尾さん、いい?」
    うん、いい、いい。
    七海は、再び首をかくかくと振った。
    その写真、あたしにもくれるんだよ。
    ・・
    三脚を立てて全員で記念写真を撮った。
    その後、広大が七海を開放した。
    七海は立ち上がると、身体についた土を払い、両手を伸ばして大きく深呼吸した。
    それから「ああ、気持ちよかった!」とわざと明るく言った。
    「みなさん、あたしの罰ゲームにつきあってもらって、ありがとうございましたっ」
    ・・
    再び山道を歩き出す。
    予定の電車には何とか間に合いそうだ。
    広大の隣に七海が来た。
    「鴫野センパイ、どうもありがとうございました」並んで歩きながらお礼を言う。
    「僕はいいけれど、森尾さん、どうしてあんなことを?」
    「えへへ」
    「山下と何か話してたみたいだったけど、もしかして山下に頼まれたからやったの?」
    「センパイ、・・あたし」
    七海は他の者に聞こえないように、小さな声で言った。
    「あたし、鴫野センパイのこと、好きでした。鉄研に入ったときから、ずっと憧れてました」
    「森尾さん?」
    「でも、センパイ、彼女いるし、ずっと片思いのままでした」
    「・・」
    「なら、どうして、今になってこんな告白するのかって思ってますよね?」
    「・・」
    「実は家の仕事の関係でもうすぐ引っ越すんです。10月には転校します」
    「そうか」
    「だから、最後に鴫野センパイに、何か思い出になることを・・、できたら縛って欲しいって思ってました」
    「なら、山下に言われたのは」
    「山下くんは、アイディアをくれただけです。皆の前ですごく恥ずかしかったけど、山下くんがあたしを罰ゲームで縛るって言ってくれたおかげで、こうしてセンパイに縛ってもらえました」
    「山下、森尾さんのことを意識してるっていうか、好意を持ってる、と思うけど」
    「はい。山下くんが多分あたしを好きだって分かってます。・・でも、あたしは山下くんのことは何とも思ってませんから」
    「そうなの」
    「本当にありがとうございました。今日、センパイに縛ってもらったこと、忘れません」
    「ねぇ、森尾さん」
    「はい?」
    「その、転校するっていうのは、山下は、皆は、知ってるのかい?」
    「いいえ。まだ誰も。・・あたし、自分から言いますから、センパイは黙ってて下さいね」
    七海はそう言ってにっこり笑った。
    「じゃあっ」
    ぺこりと頭を下げると、前の方に走っていった。
    列の前の方では山下がこちらを見ていて、七海が前に行くとさっそく話しかけている。
    七海は屈託のない笑顔で山下と話をしている。
    そしてきゃははと笑いながら、山下の背中をどんと叩いた。
    ・・仲のいい二人に見えるけど。
    広大は山下のことをちょっと可哀想に思う。
    ・・山下、お前、フラれたんだぞ。
    山あいに西日が赤く照っている。
    一行はその光を背中に浴びながら山を下っていった。

    秋の撮影会・記念写真



    ~登場人物紹介~
    鴫野広大: 15才。天晴中学3年生。鉄道研究会副部長。縄師修行中。
    森尾七海: 14才。2年生。鉄道研究会ただ一人の女子部員。明るくて元気。
    山下守: 13才。2年生。鉄研部員。七海のことが好き。
    岩岡哲也: 15才。3年生。鉄研部長。廃線跡マニアらしい。
    久保田義行: 12才。1年生。鉄研部員。

    10話目にして、ようやく鉄道研究会ネタを出すことができました。
    女の子部員に振り回される、他の男子部員達。
    中学生日記っぽい雰囲気になっているでしょうか?

    鉄道線路に縛り付けられたヒロインは、古典的なDID(Damsel in Distress)の代表といえます。
    連続活劇映画などでは、ヒロインは少し知恵の足りない女性として描かれることが多いように思います。
    彼女は毎回必ず悪漢の稚拙な罠にかかって捕まり、縛り上げられて、もがきながら助けを求めます。
    正義の味方がドタバタ劇を演じながら苦労してヒロインを助けても、次の回では再びあっけなく悪漢に捕まってしまいます。
    これがヒロインの扱いだといわんばかりの、お約束。
    実に魅力的ですよね。

    イラストは『縛った女の子と一緒に記念撮影』のイメージで描きました。
    それにしても男子部員の絵の適当さ加減には、我ながら呆れてしまいます^^。

    ありがとうございました。




    中学生縄師 Act.9 郁子

    中学生縄師Act.9

    「わはははは」野瀬が豪快に笑いながら、ユカの頭の上からビールをかけた。
    「もぅおぉっ。やったなぁ~!」
    ユカが濡れたTシャツを脱いで野瀬に飛びかかった。
    「覚悟しなさい、智明!」
    野瀬を押し倒して馬乗りになり、野瀬の顔面をビールでまみれたTシャツでこする。
    「う~、暑い」
    チューハイをあおった舞華がグラスを置いて立ち上がった。
    タンクトップの裾を下乳が見えるまで捲り上げて括った。
    さらにショートパンツを脱ぎ捨て、タンクトップとショーツだけの姿になる。
    そのまま広大の脇にすり寄って、肩にしなだれかかった。
    「ね♥、広大くんも、少しくらいなら飲めるでしょ?」
    「もうっ、舞華さんまで飲みすぎです!」
    史代があわてて間に入って舞華を押し退ける。
    「舞ちゃん、こっちおいでよ。一緒に智明を攻撃しよ~!」ユカが呼んだ。
    「よぉ~し」
    舞華が駆け寄って野瀬の腰の上に乗った。
    「あ、舞ちゃん、涼しそう!」
    「えへへ、楽だよぉ」
    「あたしも脱いじゃお♥」
    ユカもジーンズを脱いで、ブラとショーツの下着姿になる。
    「えい!」
    そのまま野瀬の顔の上に尻を乗せた。
    「ぐわ」
    呼吸困難になった野瀬がもがいている。
    「・・もう、いやだな、大人って」史代がつぶやく。
    「松宮。海岸へ行こうか」広大が誘った。
    え? 二人で散歩? 海?
    「うん!」史代は喜んで立ち上がった。
    ・・
    ここは北大路家の別荘の庭である。
    舞華が企画した『広大くんガンバ・2泊3日夏の緊縛合宿』が開催されていた。
    メンバーは、鴫野広大、幼馴染の松宮史代、緊縛の師匠である野瀬智明、野瀬の緊縛モデルのユカと広大の練習モデルの北大路舞華である。
    最初の夜は野瀬がユカを縛って『ここでしか見せないよ・ぎちぎちスペシャル』を披露することになっていたが、夕食のバーベキューでアルコールが進みすぎたせいか場は乱れていた。
    広大と史代はそっと別荘を抜け出した。
    ・・
    別荘地からゆるやかな坂道を降りると、松林と海水浴場が広がる海岸であった。
    広大と史代は暗い道を懐中電灯の明かりを頼りに歩いている。
    ドキドキ。
    史代の胸が高鳴る。二人で夜の海岸!
    広くんとキス♥なんかしたりして。もしかして、その先まで?? きゃぁっ。
    あ、いけないっ。下着、汗臭いままだよぉ。
    シャツとスカートの上から自分の身体をまさぐって過剰な心配をする史代である。
    「・・ここなんだけど」
    広大は松林の入り口で言った。
    「来るときにいい松の木が見えたんだ。手頃な高さに太い枝があって」
    え?
    道路から50メートルほど入った場所に、2メートルくらいの高さに枝が広がった松の木があった。
    よくこんな木見つけたわねぇ。
    「ほら、丈夫だよ」
    広大は両手でぶら下がってみせる。
    「これなら、4~5人同時に首を吊ったって折れない・・」
    「もう、そんな例え方しないでよ」
    史代は溜息をつきながら言った。
    「・・あたしをここに吊るしたいんでしょ?」
    「いいかな」
    「いいわよ。一つだけお願い聞いてくれたら」
    「何?」
    「後で、広くんと海岸を歩きたいな」
    「・・」
    「いやなの?」
    「そうじゃないけど、二人で夜の海岸なんて、恋人同士みたいだなって」
    「え、そうかしら♥」
    「うん。ほら、映画なんかで、よく、二人で抱き合ってキスしたり・・」
    「きゃぁっ、何言ってるのよぉ。いやだぁっ」
    史代は真っ赤になって広大の背中を叩いた。広大がよろける。
    「駄目ダメぇ、駄目だよぉっ。あたし達、まだ中学生だよぉ!」
    「そうなの? てっきり、松宮もそういうことをしたいかなって」
    「もうっ。そういうのは、もっと大人になって、自然にできるようになってからだよぉ」
    ううぅ。
    史代は内心悔やんでいた。はずみとはいえ、せっかくのチャンスを。
    「じゃあ、縛らせてね」広大がいそいそと背中のリュックを下ろして、チャックを開ける。
    えーん。あたしって、どうして、肝心なときに、こうなっちゃうのよ~っ。
    史代は心の中で泣きながら、両手を後ろに回した。
    ・・
    きゅ、きゅ。
    闇の中で広大の使う縄が軋む。
    広大は史代を高手小手に縛ると、背中の縄を頭上の枝に繋いだ。
    「体重を掛けてみて」
    「うん」
    史代が膝を曲げて縄にぶら下がるようにしたが、枝は少したわんだだけだった。
    「大丈夫だね。・・次は右足」
    広大は史代の右の足首に縄を巻いて縛り、その縄をぐいと持ち上げた。
    「んんっ」
    頭の高さまで足首を吊り上げて固定する。
    史代のデニムのミニスカートから片方の太ももが上方に延びている。
    「そのまま左足の体重を抜いて、ぶら下がってみて」
    恐る恐る左の膝を曲げてぶら下がる。
    みし。縄が軋んだ。
    「痛くない?」
    足首を絞める縄が痛かった。でも。
    「大丈夫だよ。短い間なら」
    「すぐに体重を分散させるからね」
    広大は史代の右足の膝の裏を自分の肩に乗せて支えた。
    足首の痛みが和らぐ。広くん、優しい。
    広大は右足の脛と膝、太ももに縄を掛けて枝から吊った。
    さらに、腰と腹の部分にも縄を追加してそれぞれ吊るした。
    これで史代は、松の枝から完全に横吊りになった。
    「これで安定したね」
    「うん。・・でも、こっちの足がぶらぶらしてるけど?」
    史代は自由な左足を動かしてみせる。ここは縛らなくていいの?
    「そうだね。・・でも、左足を縛らなくても、松宮は何もできないだろう?」
    「うん、あたし、もう、広くんの思いのままだよ」
    「じゃあ、しばらくこのままで松宮を鑑賞しようかな」
    広大は黙って手近な松の根に腰を下ろした。
    そのまま1~2分が過ぎる。
    「あ、波の音」史代が吊られたままで言った。
    「ほんとだね」
    海岸に寄せる波の音が聞こえた。
    二人は再び無言になる。
    史代は突然、広大に見つめられていることを意識した。
    「広くん・・」
    「何?」
    「恥ずかしいよ」
    「そうなの? 今まで何度も縛られてきたのに」
    「だって、ほら、パンツだって見えてるし」
    「見えてないよ」
    「いいから恥ずかしいの!・・お願いだから、そんなにあたしを見ないで」
    広大は黙って立ち上がって史代に近づいた。
    「僕は・・」
    「?」
    「僕は縛られた松宮、何度見ても、綺麗だと思うよ」
    広大の顔が近かった。
    「あ・・」
    史代は目を閉じた。広大の顔がさらに近づいた。
    あぁ♥、とうとう!
    「あれアれあれっ」
    突然、女性の声がして、史代は心臓が止まるかと思った。
    広大もぎくっとした顔をしている。
    小柄な女性が草の陰から立ち上がって、大きく開けた口を両手でふさいでいた。
    タンクトップにショートパンツを穿いていて、なぜか昆虫採集の網とスケッチブックを持っている。
    「スみません、スみません。驚かしてしまって。・・あれ? アれれ?」
    女性は四つんばいになって、辺りの地面をまさぐり始めた。
    「えっと、眼鏡、メガネ・・」
    広大が懐中電灯で照らすと、女性のものらしいメガネが近くに転がっていた。
    「あの、メガネ、ここです」
    拾って渡す。
    「あ、スみませんっ。・・あの、ぶしつけなんですけど、もしかして中学生縄師のコーダイさんですか?」
    「ええ、まぁ」
    「きゃぁっ、ティンカーベルのおかげだわ!」
    「?」
    「あ、あのアのあの、お願いがあります」
    「はい?」
    「アたくしも、この人みたく、縛ってもらえませんか!」女性はそう言って吊られた史代を指差した。
    「え」
    突然の要求に広大が固まった。
    「あ、あの、アたくし、栗本、栗本郁子といいます!」
    郁子と名乗った女性はぼさぼさの髪を両手で撫でつけながら、慌てて喋る。
    「ウェンディーになって、フック船長に縛られたいんですぅっ」
    ・・ティンカーベルにウェンディ?
    史代は気付いた。もしかして。
    「あの、もしかして、漫画家のくりもとみはる先生ですか?」
    「あ、はい。アたくし、くりもとみはるですぅ」史代の質問に郁子が返事をする。
    「きゃ、あたし大ファンです! サインして下さいっ。ってその前に広くん、解いてお願い!」
    ・・
    くりもとみはるは月刊『乙女コミック』に連載を持っている人気少女漫画家だった。
    作品の一部はアニメ化されてテレビ放映されている。
    「くりもと先生は、童話のピーターパンのファンでも有名なの」史代が説明した。
    「で、どうしたらいいのかな?」広大が史代に聞く。
    郁子は両手を胸の前に当てて、期待に満ちた顔で広大を見ている。
    「そうね。せっかくだから、ご希望を聞いてあげたら?」
    「わかった。・・じゃあ、くりもと先生、どういう風にして欲しいですか?」
    「え、縛ってもらエますか? きゃぁっ」
    郁子はしばらく飛び跳ねて喜んだ後、スケッチブックを開いて鉛筆でさらさらと絵を描いた。
    「こんな感じで・・」
    それは、海賊船の甲板から海へ向かって突き出した板の先端に立たされた少女の姿だった。
    少女は後ろ手に縛られていて、目隠しをされている。
    ほんの少しでも足を踏み外せば、海へまっ逆さまという構図である。
    「えっと、さすがにこれは」
    ここは海岸の松林の中である。こんな都合のよい木の板はなさそうだった。
    「ねえ、別荘のプールにこんな台なかった?」史代が思い出した。
    「あ、そうだね」
    確かに、プールに小さな飛び込み台があった。
    「少し歩きますけど、ご希望の通りにできますよ」
    ・・
    別荘への道を歩きながら郁子は説明した。
    彼女は近くのホテルに缶詰で仕事をしていたが、疲れて窓の外を見たらティンカーベルが飛行していたので、虫取り網と写生用のスケッチブックを持って追いかけてきたという。
    「ティンカーベル?」
    海岸の近くまで来ると、林の中でタイガーリリーが悪人に縛られているのを見つけ、助けなくてはと隠れた。
    「タイガーリリー?」
    しかし二人の様子を伺ってもしかしてこれは有名な中学生縄師ではないかと思ったところ、『お腹に目覚まし時計を飲んだワニ』が近くを通ったので驚いて立ち上がってしまったのだった。
    「ワニ?」
    ・・ねえ、松宮って、こんな人のファンだったの?
    広大が小声で史代に聞く。
    ・・だって漫画は普通なんだもん。あたしだって、こんな人だとは。
    史代も小声で答える。
    別荘のプールサイドに着くと郁子は飛び込み台を見て喜んだ。
    「これですかぁ? イメージにぴったりですぅ」
    「もう一人呼んできますから、待ってて下さい」
    広大は中庭に戻り、一人で酒を飲んでいた野瀬を強引に連れてくる。
    舞華とユカは、半裸で互いに絡み合ったまま、芝生の上で寝こけていた。
    「おいおい、何だい?」野瀬が頭をかきながら郁子を見た。
    「こちらフック船長です」広大がそう紹介すると、とたんに郁子が目をきらきらさせた。
    ・・
    郁子が飛び込み台の手前に立った。
    「野瀬さんはここに立っていて下さい」広大が野瀬を郁子の背後に立たせる。
    「それはいいけどな、どうしてこんな格好をさせられるんだ?」
    そう聞く野瀬は、片手に鉤(カギ)をつけて、海賊の帽子をかぶらされていた。
    郁子が「フック船長にはこれ」と言って、どこからともなく取り出した小道具である。
    いつもこんなものを持ち歩いているのだろうか?
    いよいよ郁子に縄を掛ける。
    背中で組ませた手首を合わせて縛り、タンクトップの胸の上下に縄を回した。
    「アぁん」郁子が小さな声を上げる。
    あまりきつくならないように注意して締め上げて、縄尻を長く伸ばした。
    顔面に白布で目隠しをする。
    「あああ、アたし、本当に縛られてるぅ・・!!」
    郁子がいやいやをするように身体をくねらせた。
    「あのアの、スみません、しばらく妄想するので待ってもらえますか・・」
    「はぁ?」
    郁子は深呼吸した。
    「ふっふっふ。お嬢ちゃん、そのまままっすぐ歩くんだぁ」芝居がかった声で喋りだした。
    「ピーターパンはもう来ないさ。覚悟するんだなぁ」
    「ああ。アたし、縄で縛られてしまって、もう何の自由もないんだわ」今度は高い声で喋る。
    「もう助からないのね。・・さようなら、ピーター」
    広大の方を振り向いて言った。
    「スみません、妄想、終わりました。・・じゃ、落ちます」
    「え?」
    郁子は後ろ手に縛られたまま前方へ歩いて行った。
    そのまま飛び込み台の先端を通り過ぎ、プールに落下した。
    闇の中に水音が鳴る。
    「いかん!」野瀬が服を着たまま後から飛び込んだ。
    「広くんっ」史代が叫んだ。
    「大丈夫。松宮はこれで照らして」
    広大が懐中電灯を史代に手渡し、自分は郁子に繋がった縄を手繰り寄せた。
    ライトの光の中に、ゆっくりと郁子の身体が近寄ってくる。
    広大は水の中に降りて郁子を押し上げた。史代が上から引き上げる。
    「ぶわっ」
    少し離れた水面で野瀬がもがいている。
    広大はそちらへ向かい、野瀬の服を掴んで助け上げた。
    プールサイドにあがり、郁子の縄を解く。
    幸い郁子はすぐに意識を取り戻し、起き上がることができた。
    「ああ、ピーター! 助けてくれたのねっ」
    広大に抱きつく郁子を、さすがに史代も押し退けることはできなかった。
    ・・
    「スみません、スみません」
    郁子は何度も謝って去っていったが、翌日ウェンディの衣装を着て再び別荘に現れ、自分を縛ってくれるよう頼んだ。
    野瀬が面白がって郁子を柱に縛りつけた。
    仕事をエスケープした漫画家を担当編集者が迎えに来るまでの間、郁子は陶然とした表情で縛られていたのであった。
    ・・
    夜の海岸。
    「ね、広くん。お願いがあるんだけど」史代が言った。
    「何だい」広大が返事する。
    「家に帰ったら、庭で一緒に花火しようよ」
    「花火? 今してるじゃないか」
    「わはははは」野瀬がコーラの缶を振ってユカに向けて開けた。
    「やったなぁ~!」コーラを浴びたユカが缶を奪い取り、残った中身を野瀬のシャツの背中に注いだ。
    「広大く~ん♥」舞華がビキニの水着姿で広大の膝に絡み付いていた。
    「きゃははは。ほらホら、ティンカーベルですぅっ」人気少女漫画家くりもとみはるが火の点いた花火を手に走り回っている。
    「こんなロマンチックのかけらもない花火じゃイヤなのっ。もう!!」
    史代はほっぺたをふくらませて文句を言った。
    合宿は二日目の夜を迎えていた。
    郁子が大量の花火を持って三たび別荘に来たので、皆で花火をしている最中である。
    史代の期待していた広大との甘い時間は、どうやら今回も難しそうな状況であった。

    妄想中



    ~登場人物紹介~
    鴫野広大: 15才。縄師修行中の中学3年生。
    松宮史代: 14才。広大の幼馴染で同級生。広大には小学生のときから縛られているのにキスもまだという関係。
    栗本郁子: 25才。ピーターパンの世界を溺愛する人気少女漫画家。ペンネームはくりもとみはる。
    北大路舞華: 20才。広大の緊縛練習モデルの女子大生。お金持ちの家の令嬢。
    野瀬智明: 32才。プロの縄師。広大の縛りの師匠。
    ユカ: 24才。野瀬の専属緊縛モデル。野瀬の恋人?

    史代の真夏の夜の夢(?)、そしてMっ気たっぷりの不思議ちゃんのお話です。
    本来であればアクナス第2部をお出しすべきところですが、本話を夏休みの最中に出したかったので先にアップさせていただきました。
    アクナスは次回の更新で上げますので、恐れ入りますがもう少しお待ち願います。

    今回の舞台は広大の緊縛合宿です。
    邪魔の入らない別荘で朝から晩まで女性陣を縛りまくりという夢のような環境のはずですが、ただ酒を飲んで乱れているだけの描写になってしまいました:P。
    史代・舞華・ユカが合宿の中でどんな緊縛を受けたのか、作者の私も気になるところです。
    それにしても、今回、舞華さんはただのお色気担当でしたね。
    次の機会では、きちんと身動きできなくされた姿で登場してもらおうと思います。

    ありがとうございました。




    中学生縄師 Act.8 須美&真希

    テレビのトーク番組で、レミーこと宇田玲実が司会の黒鰻徹子と対談している。
    黒「レミーさん、チョコレートのコマーシャルは大変話題になっていますわね」
    宇「ありがとうございます」
    黒「普段からセクシーでいらっしゃるのに、あんなお姿を披露なさって、どれだけの殿方が悩殺されたのかと思いましたわ」
    宇「うふふ」
    黒「聞くところによりますと、レミーさんを縛って下さったのは、ずいぶん年の若い方だったとか」
    宇「話しちゃっていいのかな?(横を向いてスタッフに確認)・・はい、実は私よりも年下の男の子だったんです」
    黒「レミーさん今、おいくつでしたっけ?」
    宇「17です」
    黒「え、じゃあ、その方も高校生?」
    宇「いえ。撮影は3月でしたから、彼、当時は中学2年生でしたね」
    黒「まぁっ、中学生!? どういう男性なのかしら」
    宇「普通の中学生だけど、とっても素敵な紳士でしたよ」
    黒「あたくしもお会いしたいものだわ。もしこのコマーシャルをシリーズに、というお話になったら、またそのその方に緊縛して欲しいですか」
    宇「そうなったら嬉しいですね。(画面に向かって手を振りながら)よろしくね、コーダイくん♥ ・・きゃ、名前言っちゃったっ。ごめんなさい!!」
    生放送でレミーが名前を出してしまった、当時中学2年生の『コーダイくん』。
    ワイドショーや週刊誌ではその正体が取り沙汰され、鴫野広大はたちまちマスコミに発見されてしまった。
    レミーの所属事務所が火消しに動き、まだ義務教育中であるという理由から、広大の写真などプライベートが広まることは避けられた。
    しかし広大のもとには、ドラマ・映画・グラビア・コマーシャルからAV、風俗、有名無名のアマチュア写真家にいたるまで依頼や問い合わせが殺到することになった。
    ・・

    中学生縄師Act.8

    広大が制服姿の女子高生2人を並べて縛っている。
    「駄目ですっ、痛い・・」真希が音を上げた。
    広大は縄を持つ手を止める。
    先に縛られた須美も辛そうな顔をしている。
    この人は高手小手は無理だな。須美さんも長い時間は止めた方がいいみたいだな。
    「縛り方を変えましょう。須美さんも一旦解きます」
    広大は二人の縄を解き、須美の手をもう一度背中で組ませた。
    手首の高さをへその位置まで下げて、胸の上下に回した縄に繋ぐ。
    低い位置で縛った両手がふらふらしないように手首と肘の間にも縄を掛けて固定した。
    手首が垂れ下がって甘く見えるから、あまり好きじゃないけど。
    「はん・・」脇の下に締め縄を通して絞ると須美は小さな声を上げた。
    「じゃ真希さん」真希にも同じ縛りを施した。
    「あぁ・・」真希も縄を締められて声を出す。
    「できました。気分はどうですか?」
    「恥ずかしいです」「あたしも」
    「・・とうとう縛られちゃったよぉ。どうしよぉ、シズエ~っ」真希が声を上げた。
    「わかんないよぉ。でも頑張るしかないよ」須美が返す。
    「あーん、全然動けないっ。もう、パニックだよぉ」
    「やだ、チズコがそんなこと言ったら、あたしも不安になるじゃないのぉ」
    二人は縛られたままでぴょんぴょん跳ねるように騒いだ。
    ふう。広大はその横でため息をつく。
    ここはグラビア撮影のロケバスの中である。
    広大が縛っているのは『PILLARS』を名乗る新人グラビアアイドルユニットで、15才の山際須美と16才の望月真希だった。
    二人を売り出すために、着衣緊縛を前面に出す作戦が立てられていた。
    彼女達はグラビアアイドル常套の水着ではなく、様々なコスチュームで緊縛されてメディアに登場することになる。
    この日は、生まれて初めて縛られるという二人のために、話題の中学生縄師である広大が依頼を受けて来ていたのである。
    前回の仕事で一緒に来てくれたプロ縄師の野瀬智明は都合で同行できず、広大一人での仕事だった。
    「調子はどうだい、広大くん」
    カメラマンの山辺が入ってきて聞いた。
    「大丈夫です。あんまり厳しいのは無理ですね」
    「そうか。この娘ら、どうやら事前のテスト緊縛も受けてないらしいからな」
    山辺は半べそになりかけている須美と真希を横目で見ながら、肩をすくめてみせた。
    「まあ、緊縛は広大くんにまかせるから、二人がノッてくれるような縛りを頼むよ」
    そう言って山辺はバスを出て行った。
    二人がノッてくれる縛り? どういう意味だろう。
    広大が考えているうちに「現場に移動しまーす」とスタッフから呼びかけられた。
    ・・
    バスを出て、駐車場から公園の中に入る。
    モデルの二人は後ろ手に縛られたままで、その上からブレーカーを羽織っての移動である。
    あらかじめロケハンした場所に着くと、ただちに撮影が始まった。
    山辺が二人の立ち位置を決めてポーズを指示する。
    「じゃ、二人ともそのままこっち見て。少し微笑んでくれる」
    須美と真希はぎこちなく笑う。
    「もっと自然に、明るくっ」
    山辺は指示するが、二人はこわばっていて明らかに動きが悪かった。
    「こりゃ駄目だな。ガチガチだよ」広大の隣で誰かがつぶやく。
    山辺は二人のいい表情を撮ろうとしばらく頑張っていたが、やがて諦めてカメラを置いた。
    「ちょっと休憩して気分転換しよう。広大くん、解いてあげて」
    ・・
    近くの東屋に入り、広大は須美と真希の拘束を解いた。
    二人は不安気な表情でベンチに座り込む。
    グラビアアイドルを目指すと決めたときから、手ブラだってセミヌードだって覚悟していた。
    念願のグラビアデビューが決まって喜んだら、縄で縛ると言われた。
    さすがにショックだったが、仕事だから頑張ろうと思った。
    いざ、初めての撮影に臨んだら、緊張に恥ずかしさと緊縛の屈辱が加わって、訳が分からなくなった。
    一人がパニックになると、たちまちもう一人に伝染し、増幅し合った。
    何とか指示された通りにやろうとしたがうまくできなかったし、カメラマンにも満足してもらえてない。
    あたし達、もうお仕事させてもらえないかも。
    「ずいぶん緊張してるみたいだけど、大丈夫ですか?」広大が聞いた。
    「駄目みたいです・・。ねぇ、チズコ、どうしたらいい?」須美が泣きそうな声で言った。
    「わかんないよぉ。やっぱり縛られるの、無理だよぉ」真希も言い返す。
    「あ~んっ、落ち着かなきゃぁ」
    二人は握り合った手をばたばた振り回している。
    ふう。広大は再びため息。
    須美さんと真希さんがリラックスできたらいいんだけどな。
    ん? ・・あ、そうか。二人がノッてくれる縛りって。
    「ちょっと遊びましょうか」広大は二人に言った。
    「?」
    「きっとリラックスできますよ」
    「本当ですか!?」須美と真希が身を乗り出してきた。
    「じゃあ、また縛るけど、言う通りにして下さいね」
    「はいっ」
    「ここに向かい合って立って、右手を頭の上で握り合って下さい」
    須美と真希は不思議そうな表情でそれに従う。
    すると広大は二人の合わせた手首から肘まで縄を巻いて縛ってしまった。
    続いて右足どうしを密着させて、足首と膝、太ももの付け根を連結して縛る。
    さらにその上から縄をぐるぐる巻いて軽く締め上げた。
    「何?」
    「やだ・・、パンツぎりぎり」
    太ももが縄でソーセージのようにくびれている。
    太ももの内側、女の子の身体の一番柔らかい部分に食い込む縄の感触。
    「痛くないですね?」
    広大に聞かれて二人は首を振る。
    痛くはない。痛くはないが、動けなかった。
    反対側の手足は自由なのに、密着した側の半身が動かせない。
    体重が乗った軸足の関節どうしが相反する向きで拘束されたので、腰も膝も曲げることができないのだ。
    何だ何だというように山辺やその他のスタッフが集まってきた。
    「面白いな、広大くん」
    山辺が喜んで須美と真希の周りをぐるぐる回って写真を撮る。
    二人は困った表情で立ち尽くしている。
    「じゃあ、これから須美さんと真希さんを苛めて遊びますよ」広大が二人にささやくように言った。
    「え」二人の頬が赤くなる。
    「これ持って下さい」二人の空いた左手に鞄が持たされる。
    「そのまま、僕の方に向かって歩いて下さい。真希さんは後ろ向きですよ」
    「・・やん」「・・ひゃん」
    二人はしばらくもがきながら何センチか移動したが、やがてギブアップした。
    「あ、あるけない、ですぅ」
    その顔は笑っていた。取り巻くスタッフも笑っていた。
    「よーし、このまま撮影再開!」山辺が宣言した。

    グラビア P1

    ・・
    広大は縄を解いた須美と真希を背中合わせに立たせた。
    両足を肩幅より開くようにさせ、再び片足ずつ縄を巻き始めた。
    「あぁん、また太もも縛るんですか?」
    「はい。須美さんも真希さんも素足が綺麗なんですから、こうしないともったいないです」
    「もう」
    広大は縛りながら話しかける。
    「お二人の本名は、シズエさんとチズコさんなんですね」
    「あ、言っちゃってましたっけ?」
    「須美と真希より、ずっといい名前ですね」
    二人は嬉しそうな顔をした。
    「やっぱりそう思います?・・あたし達もまだ須美と真希って馴染んでなくって」須美が言った。
    「あたしなんて望月真希だから、モチマキですよぉ」真希も言った。
    「そうか。なら山際須美はヤマヅミですね」
    「そうそう!」
    「須美と真希を合わせて呼んでも面白いな。・・スマキ」
    「あはは。ひどぉーいっ」二人は声を上げて笑った。
    「はい、そのまま前に屈んで両手を足の下で握り合って下さい」
    二人は尻と太ももを押し付け合った状態で、太ももどうしが縛られた。
    さらに股の下で繋いだ左右の手首も縄で連結されて離れられなくなった。
    「これくらいかな」広大は二人の短いスカートをさらにまくり上げて、横から尻が半分見えるようにした。
    「ちょ、これ・・」
    「やぁーん」
    再び動けなくなった二人が情けない声を上げる。
    また、こんなポーズ?
    恥ずかしいな。
    恥ずかしいけど、楽しい!
    「コケないように、うまく二人でふんばって下さいね」広大はそう言って離れた。
    「やるなぁ、広大くん」
    山辺が再びカメラを構えた。

    グラビア見開き P2

    ・・
    休憩になり、須美と真希はバスに戻って衣装をセーラー服に替える。
    「鴫野さん」
    広大は須美と真希の方から話しかけられた。
    「あの、次は一番最初の縛り方で縛って下さい。腕を高く捻られる縛り方で・・」
    「え、あの痛かったやつですか?」
    「はい。二人で話してたんです。さっきはあたし達を元気にするために、あんな風に縛ってくれたんですよね」
    「ええ、まぁ」
    「皆さんがいい写真を撮ろうって頑張ってるのに、あたし達がわがまま言ってちゃ駄目だって」須美が言った。
    「あたし達、緊縛アイドルになるんだから、どんな緊縛でも頑張って受けようって」真希も言った。
    「偉いなぁ。・・じゃあ、それで縛ります」
    広大は須美と真希を高手小手にして、組んだ手首を肘の上まで吊り上げて縛った。
    二人は少し辛そうな顔をしたが、もう音を上げなかった。
    そしてそのまま最後まで笑顔で頑張り通した。

    グラビア P3

    ・・
    解散するときに山辺は広大に握手を求めた。
    「いい写真が撮れたよ。ありがとう。・・君はこの先、どうするんだい?」
    「この先ですか?」
    「中学生で珍しいうちはもてはやされるけど、その先プロでやってくつもりなら経験を積まないと駄目だ」
    「はい」
    「未成年のうちはクラブで働くのも難しいだろう。俺は亜文化社のSMグラビアも持ってるんだ。よかったら毎月入れるように口利きしてあげるよ」
    「それは・・」
    広大は少し考えて答えた。
    「せっかくのお話ですけど、僕はまだまだ未熟なので、もっと修行を積んでからお願いします」
    「そうか」山辺はにやっと笑った。
    「なら、これからも君なりに頑張れ」
    「はい」
    「・・山辺さん!」
    須美と真希がやってきた。
    「今日はありがとうございましたっ」
    「とても勉強になりました」
    「おうっ」山辺が手を振って応える。
    「それから鴫野さんも、本当にお世話になりました!」
    「いや僕は何も。それに僕の方が年下なんだから、もっとタメ口で話して下さい」
    「は? 鴫野さん、あたし達より年下、なんですか?」
    「知らなかったのかい。広大くんは中学3年生だよ」山辺が教える。
    「えっ、中学生」「中学生で女の子を緊縛?」
    どうやら二人は広大の正体を知らなかったようだった。
    ・・中3だって。どうする? ・・いいよ、やっちゃお♥
    須美と真希は小声で何かを相談して、それから広大に向き直った。
    「鴫野さん、大好きですっ」
    「また縛って下さい!」
    そう言うなり、彼女達は左右から広大の頬に唇を押し付けた。
    「おいおい。俺には挨拶だけで、彼にはキスかい?」山辺がぼやいている。
    ・・これは松宮には言っちゃだめだなぁ。
    広大はキスをされながら、ぼんやりと考えていた。

    グラビア P4 グラビア P5



    ~登場人物紹介~
    鴫野広大: 14才。縄師修行中の中学3年生。レミーの失言で一躍有名人?
    山際須美・望月真希:高校1年生(15才・16才)の新人グラビアアイドル。思いもしなかった緊縛アイドルを目指す羽目になり、広大に縛られることに。
    山辺幸一: グラビアカメラマン。
    宇田玲実: 愛称レミー。Act.5 で広大に縛られたトップモデル。

    広大のお仕事2回目です。
    今回のポイントは、太ももです。じゃなくって、明るい緊縛です。
    高校生くらいの女の子が、明るく元気に、そして恥ずかしそうに縛られている姿は、私の理想とする着衣緊縛のひとつです。
    緊縛グラビアアイドルとしてデビューした須美さんと真希さんの人気が出るよう作者としても祈りたいと思います。
    そしてもう一つ、彼女たちには、人気が翳ってもすぐに脱いだりしたらあかん、あくまで着衣緊縛を貫くのやで!、と要望しておきましょう:P。

    イラストは雑誌のグラビア風にしたら楽しくなってしまって、枚数が増えてしまいました。
    ページ毎に絵柄が違うのは気にしないで下さい。
    背景は自分で撮った近所の公園です。青空の下、明るい緊縛のイメージですが、如何でしょうか?

    ありがとうございました。




    中学生縄師 Act.7 史代・小学生編

    中学生縄師Act.7

    「舞華さん、いつも広大の練習に来てもらってすみませんね」
    鴫野真弓が言った。真弓は広大の母親である。
    「あ、いいえ。あたしの方こそ、広大くんの押しかけドレイみたいなものですから」
    北大路舞華が答える。舞華は広大の緊縛練習モデルをしている女子大生である。
    「舞華さん、いつも綺麗で素敵だから憧れちゃいます」
    松宮史代が言った。史代も緊縛練習モデルをしていて、広大の幼馴染である。
    「史代ちゃんだって可愛いわよ。ね、広大くんとどこまでいったのかな?」
    「いやだ、何もありませんよぉ」
    「親同士は、何でも許してるんですけどね~」
    「もう、おばさんまで」
    「本当? もしかしてキスのひとつもしてないの?」
    「う」史代がこわばった。
    「じゃ、もしかしてあたし、この間、広大くんのファーストキッスを奪っちゃったのかしら」
    「ううう」
    「うわぁ、ごめんなさい!」
    「いえ、もういいんです」
    「大丈夫よ、舞華さん。史代ちゃんはそんなことじゃ、めげないもんね」
    「はい、頑張りますっ。・・でも、広くん、も少し積極的になって欲しい、です」
    「そうね。確かに彼、奥手っぽいものね。女を縛るのは上手なのに」
    「広くん、やっぱりあたしのこと、あんまり好きじゃないのかなぁ」
    「ほほほっ、大丈夫よ。広大には史代ちゃんしかないわ。母親の私が保証するわよ」
    「そうですか?」史代の顔がぱっと輝く。
    「史代ちゃん、本当に広大くんのこと好きなのねぇ」
    3人の雑談が続く。
    「それにしても、こんな状況でもぺちゃくちゃお喋りするのは楽しいですね」
    「ほんと。広大ったら、何してるのかしらね」
    「戻ってきませんね、広くん」
    「・・んんっ」
    真弓が胡坐(あぐら)縛りの縄を確かめるようにしてもがいた。
    「これは絶対に抜けるの無理ね。あの子も上手になったもんだわ。・・舞華さん、辛くない?」
    舞華が吊られた身体をくねくね動かしながら言った。
    「ぜんぜん大丈夫です。広大くん全部の縄にうまく体重を分散してくれてますから。・・史代ちゃんは?」
    史代が床に転がったまま、舞華と真弓の方に首をもたげて言った。
    「広くんの縄だから、平気です。・・ね、あたし達って、広くんが戻るのをこのまま待つしかないんですよね」
    「そうね。広大くんが戻らない限り、あたし達に自由はないわね」
    「ま、この際、放置される気分を3人でたっぷり味わいましょ(笑)」
    ここは鴫野家の半地下にある、ガレージを改造したスタジオである。
    この日は朝から舞華と史代が広大の緊縛練習で縛られていた。
    舞華は天井から横吊りにされ、史代も縛られて床に転がされた。
    そこへ真弓が様子を見に来て、母さんも久しぶりに縛ってくれると頼んだ。
    真弓は柱を背に、胡坐に組んだ足首を胸元に引き寄せるようにして縛られた。
    こうして3人とも縛られて動けなくなったところで、階上で電話が鳴り、広大がそれに出て行ったのである。
    ・・
    「史代ちゃん、広大くんにはいつから縛られてるの?」舞華が聞いた。
    「えーっと、初めて縛ってもらったのは小学5年でした」史代が答える。
    「うちの人が亡くなる前の年だったわね」真弓が言った。
    「小5か~。よく縛らせてあげたわねぇ。いくら幼馴染で仲がいいっていっても」
    「えへへ、ずっと前から約束してたんです。広くんが縛れるようになって、お父さんがいいって言ったら縛ってもらうって」
    「じゃ、広大くんはもっと小さいときから緊縛の勉強をしてたの?」
    「主人が教えてましたわ。仕事で使うモデルを縛らせて」
    「広くん、自分よりずっと大きなモデルさんを一生懸命縛ってたなぁ」
    「そう。広大はね、小学生んときはチビだったのよ。史代ちゃんよりも小さかったわね」
    「そうでしたね。今はあたしの方が、ぜんぜん身長低くて悔しいんだけど」
    「あたしも小学生のときの広大くん、見たかったな。・・広大くんって、小さいときはどんな男の子でした?」
    「そうねぇ、電車が好きな普通の子供だったけど、いつの間にか縄を持ってたわね、あの子」
    「あたし、広くんが幼稚園のときからお人形とか縛ってたの、知ってますよ」
    「さすがねぇ。お父さんを見て覚えたのかしら」
    「あの人は自分の仕事を隠しませんでしたからね。このスタジオにも広大は自由に出入りしてましたわ」
    「史代ちゃんも、広大くんのお父さんのお仕事は知ってたの?」
    「知ってました。広くんについてこの部屋にも来てましたし」
    「女の人を縛るなんて、嫌だと思わなかった?」
    「それは全然。ここに来たらいつも綺麗なお姉さんが縛られてたし、それが当たり前だって思ってました」
    「そういう環境で育ったのねぇ。何だかうらやましいわ」
    「でも、最近は野瀬さんの撮影を見学して、すごいって思ってます」
    「野瀬さんの?」
    「はい。すごく厳しいというか、モデルさん、裸にされて身体の形が分からなくなるくらいに縛られて、かわいそうで、それでも気持ちいいって・・」
    「ははぁ、そういうのは中学生の女の子には衝撃的かなぁ。あたしは、ちょっと興味あるけど」
    「主人はアート系の着衣緊縛が多かったんです。ハードなのもやってましたけど、それは子供達には見せてなかったと思いますわ」
    「SMにもいろいろあるわね~。・・そういえば、お母さんも緊縛モデルをされていたんですよね」
    「ほほほ、昔のことですわ」
    「とっても綺麗だったんですよ、広くんのお母さん」
    「おほほほ」
    ・・
    小さな広大と史代がスタジオの隅にぺたりと並んで座っていた。
    目の前では広大の父親が仕事をしていて、真弓が藍色の浴衣で縛られていた。
    首を垂れてうなだれたポーズ。はだけた浴衣の肩に後れ髪がかかっている。
    やがて片方の足が頭より上まで吊られた。
    着物の裾が割れて、白い太ももが高く伸びる。
    「はぁ・・」真弓が小さな声を漏らした。
    広大と史代はその様子をじっと見ている。
    「おばさん、綺麗」史代がつぶやくように言った。
    「史ちゃん」広大が言う。
    「なあに」
    「僕も父さんに教わって、縄師になる」
    「うん」
    「僕が縛り方を覚えたら、史ちゃんを縛らせてくれる」
    「うん!」
    二人は真弓の姿を見上げながら、手を繋いだ。
    ・・
    「きゃあ♥、ある意味プロポーズよりすごい告白っ。広大くん、やるわねぇ~!!」舞華が喜んだ。
    「やだ、私が縛られている間に広大がそんなこと言ったの? それ、いつのこと?」真弓が聞いた。
    「えっと、小学3年」史代が顔を赤らめて言う。
    「あの子ったら、もう」
    「言ってませんでしたっけ?」
    ・・
    広大が4年生になると縛りの練習が始まった。
    父親が実際にモデルを使って、広大に縛り方を指導する。
    基本的な縄の結び方緩め方から始まり、人間の関節の構造や筋肉のつき方まで説明した。
    モデルの身体に何度も縄を掛けては緩めて、縄の締まり具合と力加減を覚えさせた。
    「・・縛られた女性は、すべてを縄師にまかせているんだ。心も、体も、命も。それをいつも意識すること」
    「はい、父さん」
    「その責任を負える覚悟がないなら、女を縛っちゃ駄目だ」
    子供に真剣に教えるその様子に、縛られているモデルがくすくすと笑う。
    「先生。広大くん、まだ九つですよ。そんな難しいこと教えてどうするんですか」
    「大事なことなんだよ。・・・じゃ、広大、やってみろ」
    「はい」
    広大がモデルの胸の上に縄を巻いた。要所で父親が手助けする。
    「あっ。広大くん、・・上手よっ」
    真弓がお茶を持ってスタジオに下りてくると、史代がドアの陰から中を見ていた。
    「史代ちゃん」真弓は小声でささやく。
    「あ、おばさん」
    「中に入って見ててもいいのよ」
    「だって」
    「史代ちゃんも、広大に縛って欲しいの?」
    史代は黙ってこっくりした。
    「ごめんね。広大がもう少し勉強して、史代ちゃんを安全に縛れるようになるまで、待ってね」
    「はい」
    「じゃあそれまでは、ここでおばさんと一緒に見てよっか」
    真弓と史代はドアの外に並んで座って、広大の縛りの練習を眺めた。
    ・・
    史代は自分の父と母に、広大が父親と同じ縄師を目指していること、そのときは史代も縛ってもらうことを伝えた。
    史代の両親は驚いたが、もともとそうなる予感はしていたので反対しなかった。
    縄師という職業に偏見はなかったし、古くからの隣同士で広大の父と母の人となりも理解していた。
    広大も史代も一人っ子であり、お互い家族ぐるみで接してきた関係だった。
    「史ちゃんは、大きくなったら広大くんのお嫁さんになるの?」
    「うん!」
    「じゃあ、史ちゃんも広大くんの修行のお手伝いをするのね」
    「うん!」
    母の問いに屈託なく返事する史代の様子に、父も苦笑いしたのだった。
    史代の両親は鴫野家を訪ね、広大の夢を応援すること、史代を大事に縛って欲しい旨伝えた。
    こうして二人の関係は双方の親の公認となった。
    ・・
    広大は父親に教えられて技術を習得していった。
    生徒としての広大は、父親のプロの縄師の目から見ても筋がよかった。
    ただし当初は広大が単独で縛ることは許さなかった。
    練習には必ず父親が立会い、プロのモデルを練習台として広大に縛らせた。
    吊りなどの派手な技に走らず、女体を安全確実に拘束するための基礎的な緊縛術を徹底的に教えた。
    やがて広大が5年生になったとき、父親は広大が一人だけで縛ることを許した。
    広大は史代を最初に縛りたいと頼んだ。
    ・・
    鴫野家のスタジオには広大と史代の二人だけがいた。
    ピンクのワンピースを着た史代は緊張した様子で椅子に座っている。
    「始めてもいい?」
    広大が縄束を手にして聞いた。広大も緊張しているようだった。
    「うん」
    「手を後ろに回して」
    「うん」
    「痛かったら言って」
    「うん」
    広大は史代の両手を後ろで合わせ、手首を縛った。
    胸の上下に縄を回して、手首の縄を固定する。脇の下に締縄を施して引き絞る。
    史代は目をつぶって、じっと前を向いている。
    「痛くない?」
    「平気。痛くないよ」
    史代は目を閉じたまま、少し笑って言った。
    「足も縛るけど、いい?」
    「うん、いいよ」
    広大は史代の膝と足首もそろえて縛った。
    史代を縛った縄の状態を何度も確認し、そして言った。
    「・・できた」
    「うん」
    「どう? 史ちゃん」
    「何だか気持ちいい、とっても」
    「そう。よかった」
    「・・」
    「高手小手とか、もっとできるんだけど、最初は優しく縛れって、父さんが」
    「・・」
    「史ちゃん?」
    史代は深呼吸をして広大の縄を全身で感じようとしているようだった。
    やがて目を開けて広大を振り向いた。
    「広くん」
    「?」
    「広くんが縛ってくれて嬉しい」
    広大は少し微笑んだ。
    「・・これからも練習、縛らせてくれる」
    「うん!」
    「じゃ、解くから」
    「うん」
    広大は史代の縛めを解く。
    「大丈夫?」
    「うん」
    「どこか痛いの?」
    「大丈夫。・・ちょっと、お腹、痛いかな」
    「え、史ちゃん?」
    「平気だよ、広くん」
    史代は家に帰り、腹痛がひどくなって寝込んだ。
    そしてトイレで気が付いて母親を呼んだ。
    次の日、松宮家と鴫野家の夕食では赤飯が出た。
    ・・
    「初めて縛られたその日に初潮が来たのね」舞華が言った。
    「史代ちゃんのお母さんから聞いてびっくりしちゃった。広大が何やったのかって思ったわ」真弓が言った。
    「たまたま重なっただけで、広くんに縛ってもらったせいじゃないです。でも、死ぬまで忘れないです」史代がしみじみと言う。
    「長いこと待って縛ってもらって、その日に大人になったんだもんね。・・あ~あ、史代ちゃんがうらやましいわ」
    「広大ったらね、おすそ分けでもらったお赤飯見て、自分のお祝いかと思ったのよ」
    「え、何を?」
    「僕が史ちゃんを縛ったのは、そんなにおめでたいの? って聞いたのよ」
    ぷっ。
    女性3人は同時に吹き出した。
    ・・
    広大がスタジオに戻ってきた。
    舞華・史代と真弓は、広大が出て行ったときとまったく変わりない状態で縛られたままである。
    「電話、野瀬さんからだったよ。また仕事の話なんだって。それが・・」
    興奮ぎみにそこまで話しかけて、広大は女性達の視線に気付いた。
    3人とも、にこにこ笑いながら広大を見ている。
    「あ、っと・・遅くなっちゃったかな」
    「大丈夫だよ。広くん」
    「母さんも久しぶりに縛ってもらって楽しかったわ」
    「うん。広大くんは縄師だし、あたし達をどう扱ったっていいんだからね。・・それより」
    舞華はそう言って、話を区切った。急に真面目な顔になる。
    「広大くん、キミに大切なことを言っておかないと」
    「?」
    「キミは史代ちゃんをもっと大事にしないと駄目」
    「そうそう。舞華さん、いいこと言うわ。・・広大。あんたね、史代ちゃんを縛ったら縄だけ見てんじゃなくて、たまには優しく抱きしめてあげるとかしてあげなさい」
    「広大くんのこと、こんなに思ってくれる女の子は他にいないんだよ?」
    「??」
    縛られたままで突然始まった舞華と真弓の説教に、広大はきょとんとしている。
    「あ、あの、おばさん舞華さん、ありがとうございます。・・広くん、そういうコトで、よろしくお願いね!」史代が恥ずかしそうにつけ足した。
    「???」

    緊縛放置中



    ~登場人物紹介~
    鴫野広大: 14才。縄師修行中の中学3年生。緊縛の練習で史代と舞華を縛っている。
    松宮史代: 14才。隣家に住む同い年の幼馴染。小学5年生のときから広大に縛られている。
    北大路舞華: 20才。広大の緊縛練習モデルの女子大生。自称・広大くんの押しかけドレイ。
    鴫野真弓: 34才。広大の母。かつて広大の父親の緊縛モデルをしていた。
    広大の父親: プロの縄師で3年前に病没。小学生の広大に緊縛術を教え込んだ。

    連載を始めたときからやろうと思っていた、史代初緊縛のエピソードです。
    ほんわかとした雰囲気になっているでしょうか。
    広大のお父さんは、渋い縄師名を名乗らせてあげたかったのですが、思いつかなかったので無名で通すことにしました。

    さて、本話を実写ドラマで再現するとしたら、作者としては萌えポイントが二つあります。
    ひとつはもちろん、小学生による小学生の緊縛です。
    他のTVドラマでよく見かけるダレダレの縛りは、たとえ縛り手が小学生であっても許しません。
    リトル広大役の男の子には、史代役の女の子だけでなく緊縛モデルの大きなお姉さんを父親と一緒に縛るシーンもありますから、十分練習してもらって期待に応える縛りを披露してもらいましょう。

    そしてもうひとつのポイントは、史代(中学生)、舞華と真弓の3人が最初から最後まで縛られていることです。
    今回この3人は狂言回しのような役どころで、緊縛放置の状態でお喋りしながら昔を振り返ります。
    したがって出演の女優さんも、3人そろって長時間縛られたままでの演技になります。
    なお途中で縛り直すと縄の形が変わってしまいますから、女優さんたちには、気の毒ですが、全シーンの収録が済むまで縛られたままで過ごしていただきます。
    私は、映画などで縛られた女優さんのコメントで「休憩中でも解いてもらえなくて、大変でした」なんていうのを見ると喜んでしまうのですが、ここでも是非それをやってあげたいと思います。
    並んで縛られた女優さん同士で「がんばろーねー」などとはげまし合う姿も、想像するだけで萌え萌えです。

    いやぁ~、こういう妄想は楽しいなぁ。・・モウ誰モツイテキテクレナクテモ、イイヤ:P。

    今回イラストは5人分を描きました。
    このうち、小学生の広大はイラストで男を描いた二つ目です。
    相変わらず下手で自己満足ですが、これも楽しみでやってますので、笑って許して下さい。
    ありがとうございました。


    (2010.7.18 追記)緊縛放置中の真弓・舞華・史代のイメージをイラストに描いて下さった方がおられます。
    こちらをご覧下さい。




    中学生縄師 Act.6 明子

    中学生縄師Act.6

    大谷明子は新学期から担任している3年3組の生徒のことで悩んでいた。
    その生徒とは、もちろん鴫野広大である。
    進路希望アンケートの『将来つきたい職業』に『縄師』と書かれているのを見たときは腰を抜かさんばかりに驚いた。
    正しくはすぐに腰を抜かしたのではなく、『縄師』の意味が分からなかったので辞典で調べたが載っておらず、同僚の教師に聞いて初めて理解し、インターネットで検索して腰を抜かした。
    こんな仕事を中学生が目指しちゃいけないわ。
    困ったことに、広大は学校の内外で女子生徒や一般の女性を縛っているらしい。
    被害者からの届けやクレームが学校にまったくないことが、かえって不審感の増すところでもあった。
    生徒の何人かにそれとなく話を聞いた。
    「あ、鴫野のこと? うん、縛り方に詳しいです」(それだけ?)
    「去年3年だった川島さんも、勉強疲れでノイローゼになったときに縛ってもらったらしいです」(学年トップの成績で卒業した、あの川島さん?)
    「一度見せてもらったけど、魔法みたいに縛るんです。それでその女子も喜んで・・」(おかしいわよ、それ)
    広大の2年生のときの担任に話を聞いた。
    「ああ、彼は真面目に将来を考えていますよ」(真面目に縄師って言われても)
    「何か、ロープアートの勉強をしているらしいですな」(ロープアートって何よ)
    校長に話をした。
    「鴫野くんですか。彼はお父さんを亡くしてもしっかりしていて、偉いですね。お父さんが緊縛師というのですかな、そういう仕事をされていて跡を継ぎたいとのことですから、応援してあげたいものですな」(いったい何なのよ、この学校は)
    直接本人に話を聞こう。
    ・・
    「鴫野くん、縄師ってどういう仕事なのかな」
    放課後の教室で向かいあって座った広大はむすっと答える。
    「えーっと、主に縄などを使って女性を緊縛する仕事、です」
    「それって犯罪にならないの?」
    「もちろん、相手の合意を得ないで行えば犯罪です。合意を得ていれば犯罪じゃないですよ。格闘技と同じです」
    「それはそうかもしれないけど、おかしくない?」
    「何がですか」
    「だって、縛られて喜ぶ人なんていないと思うけど」
    「喜ばれるから、存在する職業ですよ。縄師をやって立派に稼いでいる人は何人もいます。それにアンケートにも書きましたけど、僕は縄師になって女性を幸せにするのが夢です」
    「わからないわ。女性を縛ってどうして幸せにできるの? 不幸になるならわかるけど・・」
    「広くん、まだ行かないの」同じクラスの松宮史代が入ってきた。
    「あ、松宮さん。鴫野くんは今先生と話しているからちょっと待ってね」
    「はい」
    「松宮ぁ、このセンセ、縄師は女性を不幸にする、なんて言うんだよ」
    「まあ、大谷先生。それはおかしいです」
    「松宮さんまで、そんなこと言うの?」
    「ねえ先生。ファッションデザイナーとか美容師とかは女性を綺麗にする職業ですよね」
    「ええ、そうね。立派な職業だわ」
    「鴫野くんが目指しているのも女性を綺麗に、素敵にする職業なんですよ」
    「ええ???」
    「ともかく、鴫野くんの言ってることは、絶対に間違ってません。もう行きましょ」
    「あ、センセ、すみませんけど、これからちょっと、塾、に行きますので」
    広大は立ち上がった。
    「さようなら」「急ごう、能瀬さん待ってる」「ね、今日は水着にしようかなって思うんだけど」「え、それはちょっと・・」
    二人は喋りながら教室を出て行った。
    残された明子は腕を組んで考え込んでしまった。
    広大と史代の言ったことは理解不能だった。
    来週から家庭訪問だわ。この機会に保護者の考えを聞かないと。
    ・・
    広大の家では母親の鴫野真弓が明子を迎えた。
    「鴫野くんの進路のことなんですけど」
    「あら、広大の成績で何か問題でしょうか?」
    「いいえ、成績は問題ありません。ただ・・」
    明子は真弓に進路希望アンケートを見せた。
    「ああ、職業縄師ですか。・・実は、亡くなった父親も昔、縄師をしておりまして」
    「そのことなんですけど、ご主人はどういうご事情で、その、縄師、をなさっていたんでしょうか」
    「詳しいことはわかりませんが、若い頃から趣味でしていたことが職業になってしまったようですね」
    「趣味ですか」
    「はい。私も以前は同じ出版社でモデルをしておりまして、いやお恥ずかしいですけど、その緊縛モデルをしていた頃に主人と知り合った訳でして、ほほほ」
    「まあ、それは、よほどお金に困ってらっしゃったのですか」
    「いえ、そうではないんです。私、モデルの仕事は好きでやってましたから」
    「は?」
    「主人もよく申しておりましたが、緊縛されて女性は美しくなる、自分はその助けをしたいと。私も縛られて自分が綺麗になる、と感じていたものですから、縛られるのが大好きで。いやだ、恥ずかしいわ」
    「はあ、そうですか」
    「・・あの、先生、もしかして、縛られたことは」
    「いえ、ありません」
    「そうですか。緊縛写真とかご覧になったことは?」
    「そんなもの、もちろん見るわけがありません」
    「あら、まあ・・。ちょっと待っていて下さい」
    真弓はそう言って部屋を出て行き、やがて紙袋を持って戻ってきた。
    「主人の残した写真集をいくつかお貸しします。つまらないと思ったらすぐに返して下さって結構ですから」
    ・・
    その夜、明子は写真集を見た。
    最初の写真集の表紙は白いドレスを着た女性が微笑む写真だった。
    ページを開くとその女性がドレスのまま後ろ手に縛られて、大きな鏡の前で身をよじらせていた。
    恥ずかしそうな表情でこちらを見ている。
    さらに次のページで、女性は縛られたまま片足を自分の頭よりも高く吊り上げられていた。
    バレリーナのように爪先までぴんと伸びた足。
    確かに綺麗だと思った。
    ページをめくって行くと、バストが露出したものや全裸の写真もあったが、先に縄師について調べたときに感じた猥雑な印象はまったくなかった。
    次の写真集はモノクロで、高校の制服を着た少女が縛られていた。
    モデルの女性はいくら何でも本物の女子高生ではないと思ったが、瞳が大きくて十分可愛い美少女だった。
    その縛り方は最初の写真集よりも厳しく、少女の身体に絡みつく縄には迫力があって、明子は息をのんだ。
    その写真集には、足の裏が後頭部につかんばかりに逆海老に身体を反らして縛られたり、頭を下に吊られたりした写真などが続いていた。
    可哀想とは思ったが、いやらしいとは感じなかった。
    3冊目では和服の女性が縛られていた。
    この人! ・・それは広大の母親の真弓だった。
    真弓は背中で拝むように両手を合わせて縛られていた。なんと柔らかい身体だろう。
    着物の裾が大きく割れて開き、そこから縄の食い込んだ太ももが見えている。とてもセクシーだと思った。
    ページをめくると、真弓は薄い水色の着物で、背の高い磔柱に縛りつけられていた。
    逆光の中で見上げるように撮った写真では、両手を左右に開いて固定された真弓の姿がシルエットのように見えた。
    目が離せなかった。
    残酷美とでもいうのか。女性は責められてこんなにも美しく見えるものなのか。
    明子はため息をつきながらいつまでも写真集を見ていた。
    ・・
    日曜日、明子は写真集を持って鴫野家を再訪した。
    「これをお返しに」
    「まあ、わざわざ。学校で広大に渡して下さってもよかったのに」
    「私、お詫びしないといけないと思いまして」
    「はい?」
    「先日はずいぶん失礼なことを言いました。・・これを見て、その、感心しました」
    「それはそれは」
    「こういう写真はあまり見たことがなかったものですから。何というか、とても美しい写真だと思いました」
    「よかったです」
    真弓は笑った。
    「そうだ先生、ちょうど今日は広大がおりますし、縄を受けてみません?」
    「!?」
    「大谷先生、縛られたらきっと綺麗だわ」
    「あの、私そんな、自分が縛られたいとは」
    「ほほほ、何事も経験ですわよ。・・広大っ、こぉーだーい!」
    明子の答えを待たずに真弓は広大を呼んでいた。
    ・・
    顔を真っ赤にして座っている明子を横に、広大と真弓、それに隣家から呼ばれた史代までがいて相談している。
    「うん、センセはやっぱり高手小手が似合うと思うな」
    「明日は学校があるし、先生の肌に目立つ痕を残したら駄目よ、広大」
    「大丈夫、注意する。服装はどうするの?」
    「私の昔の衣装があるわ。セーラー服でも、女囚服でも、何でも揃うわよ♥」
    「あたし、先生はやっぱり白いブラウスとタイトスカートが似合うと思います」
    「ブラウスね。大谷先生、おっぱい大きいから合うやつあるかなぁ。・・ね、先生、スリーサイズお聞きしてもよろしい?」
    「・・あ、きゅ、92-66-83 です」
    「うわぁ、うらやましい!」
    「あの、私、着替えなくても、今のセーターのままで・・」
    「駄目ですわよ。こういうことは、きちんとしないと」
    「センセ、もうあきらめて下さい。母は一度ノッてしまうと止まらないので」
    「失礼ねぇ、広大。先生が縛られて下さるのは、あんたの進路指導の一環でもあるのよ」
    「いえ、お母様、そんなつもりでは・・」
    「いいな、広くん、あたしも一緒に進路指導して欲しいな」
    「史代ちゃん、ごめんね。今日は先生に広大の腕を理解してもらうのが目的だから、あなたはまた今度、ね」
    「ええ、わかってます。今日は大谷先生が広くんに縛られるのを見学します」
    ひえー。明子の心の中の悲鳴とは無関係に、事態は勝手に進んでいった。
    ・・
    広大が明子の胸の上下に縄を回すと、大きな胸がくびれて巨乳がいっそう強調された。
    「ひゃ、・・くぅっ」
    その刺激に思わず声が出る。
    「し、鴫野くん。お願いだから、できたらあまり胸が目立たないように。・・その、大きくて、恥ずかしいから」
    広大は少し考えて言った。
    「分かりました。別の縛り方にします」
    「ご、ごめんね」
    「いえ。胸縄を使わずに腕だけを拘束します。中国でよく見かける縛り方です。最近覚えたんですけど」
    広大は話しながら、縛り方を変える。
    「大丈夫ですよ、センセ。これでも拘束感と無力感はしっかり味わえますから」
    ああ、そんなことは頼んでないのに。
    ・・
    「痛くないですか」広大が縛りながら聞く。
    「いえ、大丈夫・・」辛うじて答えた。
    縄が自分を締め上げていくのが分かる。すでに拘束感は十分だ。
    「はい、完成です。今、鏡を置きますから」
    「先生、ちょっとそのまま、ね」
    真弓がブラシで髪をとかし、コットンで頬と額を軽く拭ってくれた。
    「背筋を伸ばして、堂々と正面を見るんですよ」
    「は、はい・・」真弓のアドバイスに何とか頷いて答える。
    その間に広大が姿見を二つ運んできて、明子の前後に置いた。
    「どうぞ、自分の姿を見て下さい」
    「!」
    鏡の中に、眼鏡を掛けた女性が椅子に座り、後ろ手に縛られている姿が映っていた。
    2枚の合わせ鏡の要領で、背中の高い位置で固定された手首も見ることができた。
    左右の腕はほとんどXの字の形に交わっている。
    「センセ、柔らかいから思った以上に綺麗に縛れました」広大が言った。
    確かに綺麗だった。
    二の腕が縄で締まって、正面から見た上半身のシルエットがスマートに見えた。
    その腕は背中で組んで固定されているので、自然と胸を張った姿勢になり、今まで大きいだけと思っていたバストが綺麗に突き出していた。
    そして顔。私、何でこんなに切なげな表情をしてるんだろう。
    セクシーだと思った。
    自由を奪われた状態で見る自分自身。
    捻り上げられた両手も、張り出した乳房も、真っ赤な顔も、何もかもセクシーで美しいと感じた。
    ああ。
    「先生、色っぽくて素敵です♥」
    「いやだ、松宮さん・・、恥ずかしいよ・・」
    史代に言われて気がついた。
    私、縄で縛られてる。生徒に縛られて見られてる。
    ああ。
    ・・
    月曜日、ホームルームが終わって教室から出た広大を明子が追いかけてきて声を掛けた。
    「鴫野くんっ。女性を幸せにする夢、応援するわね!」
    「はい。ありがとうございます」
    明子が職員室の方へ歩み去ると、すかさず史代が駆け寄ってきて聞いた。
    「ね、何言われたの?」
    「縄師の夢、応援するって」
    「そっか」
    「センセ、今日は何か颯爽(さっそう)としてるな」
    「そうね、広くんに縛ってもらって、すっきりしたって感じ?」
    「何か悩みでもあったのかな」
    「悩みって?」
    「さぁ」

    明子緊縛



    ~登場人物紹介~
    鴫野広大: 14才。亡くなった父親を継ぐべく縄師修行中の中学生。4月から3年に進級。
    大谷明子: 25才。天晴中学3年3組担任教師。巨乳がコンプレックスらしい。広大の進路希望アンケートを見て困惑する。
    松宮史代: 14才。広大の幼馴染で同級生。3年生でも広くんと同じクラスで嬉しいな。
    鴫野真弓: 34才。広大の母。緊縛モデルをしていて父親と知り合った。

    広大と史代は3年生に進級しました。
    まことに都合がよいことに、担任は縄がよく似合う、胸の大きな眼鏡の先生です。
    彼女は初めは広大の『縄師』志望に反対しますが、広大に縛られてからはめでたく広大の理解者となってくれました。
    まあ、女性を縛ることが得意な中学生がいても誰も不思議に思わない世界なので、こうなるのが当然の帰結なのです:P。

    さて、次回の中学生縄師では小学生時代の広大と史代に登場してもらおうと思います。
    ありがとうございました。




    中学生縄師 Act.5 レミー

    中学生縄師Act.5

    野瀬智明から連絡があったのは学年末試験も終わった頃だった。
    野瀬はプロの緊縛師で、広大の縛りの師匠である。
    「コマーシャルの撮影なんだが、代理店の知り合いで広大に興味を持ってくれたのがいてね」
    10代後半~20代の男女をターゲットに発売されるチョコレートの広告で、キャッチコピーは 『BitterSweet Prisoner』。
    少女が拘束された姿をイメージコンセプトにするので、モデルの緊縛を広大に頼みたいとの話だった。
    「広大の名前と顔は一切出さないと言ってくれてるが、どうする?」
    それは鴫野広大がプロとして女性を縛った最初の仕事になった。
    ・・
    野瀬と一緒にスタジオに入った。
    CMプロデューサー、ディレクター、その他のスタッフに紹介してもらう。
    「君が縄師の息子っていう? 本当に縛れるの?」
    ディレクターは広大を見て馬鹿にしたような言い方をする。
    「一応、人並み以上にはね」野瀬がにやにやしながら答えた。
    「そうですか? 使えなかったときは野瀬さん頼みますよ。・・そうそう、レミーはまだなんです。待っていて下さい」
    広大が無表情なのに気づいてディレクターは聞いた。
    「ねぇ君、レミーは知ってるよね。トップモデルの宇田玲実」
    「いいえ、そういうのはあまり詳しくなくて」
    ディレクターはやれやれという顔で肩をすくめる。
    野瀬はにやにや笑ったままだった。
    宇田玲実はグラビアやコマーシャルに多数出演している17歳のモデルで、レミーの愛称で呼ばれていた。
    清楚な美少女からセクシーな大人の女性まで扮することができ、女性ファッション誌などでは絶大な人気を誇っていた。
    ・・
    レミーは1時間遅れてスタジオ入りした。
    「申し訳ありません、前の仕事がずれ込みまして」
    プロデューサーやスポンサーの担当者に挨拶をしてから、レミーは広大に歩み寄ってきた。
    「あなたが、私を縛る子ね」
    「鴫野広大です。よろしくお願いします」
    「私は5歳からこの世界にいて、いろんな人を見てきたから、別にあなたが中学生でも驚きません」
    レミーはそう言って広大をにらむように見る。
    「最初にこれだけは言っておくわね。私は、どんな仕事でもきちんとこなすことが信条なの。やるからには、あなたにもいい加減な仕事をされると許さないから」
    「大丈夫です。手を抜くようなことは絶対にしません」
    「そう。じゃ、よろしくお願いね」
    レミーは背を向けて離れていこうとする。
    「あの、宇田さん」広大が声をかけた。
    「レミーでいいわよ」彼女は振り返って言う。
    「じゃあレミーさん、ひとつだけ教えて下さい」
    「何?」
    「レミーさんは、今まで誰かに縛られたことはありますか?」
    「いいえ、ないわ」
    「じゃ、今日が初めてなんですね」
    「そういうことになるわね。だからと言って何も特別なことはないはずよ」
    「一応、無理はしないように気をつけますから」
    「いらない気遣いで手を抜いたりしないでね。私、女優になることが目標なの。どんな役でもきちんとやるつもりなんだから」
    「わかりました。じゃあ、遠慮なく進めることにします」
    「では、準備がありますので」
    レミーはそう言って離れていった。
    「・・たいしたプロ意識だね」横で聞いていた野瀬が言った。
    「そうですね。僕もあんな風に立派なプロになりたいと思いました」
    「で、どうするの。縄師広大としては」
    広大はいたって真面目な表情で言った。
    「もちろん、きっちりやります。要らない気配りはしちゃ駄目だと思いました」
    広大よ、女は縛られたら変わるもんだぜ。野瀬は内心思った。
    プロのモデルといっても17やそこらの小娘が本当に平気でいられるのか、楽しみだね。
    ・・
    レミーは赤い下着のような衣装とチョコレート色のウィッグをつける。
    コマーシャルは構成デザイナーによってコンテにまとめられていた。
    広大はそのコンテに従ってレミーを縛り、その後ビデオとスチールを撮影する。
    この日は、これを3種類の構図で繰り返す手順になっていた。
    撮影した3種類のうち、どれを実際のコマーシャルに採用するのかは後で決めるとのことだった。
    ・・
    最初の撮影は、巨大なチョコレートの菓子箱の前で両手を頭上で縛られたレミーが佇む構図であった。
    実際には背景は後で合成されるため、後方にはブルーバックのスクリーンが設置されているだけである。
    今回の緊縛撮影では綿ロープを使う。綿ロープは色合いが鮮やかで、肌に痕が残りにくい。
    レミーが前に差し出した両手を広大が縛ると、その両手はそのまま上方に引き上げられて固定された。
    撮影が始まると、レミーは表情を少しずつ変えながら体を動かしてポーズをとる。
    カット毎に入念なカメラテストとライトの調整がなされ、レミーの衣装やメイクも細かく手直しされる。
    それらの間、頭上のロープを緩めて手は降ろすものの、彼女の両手首はずっと合わせて縛られたままだった。
    広大と野瀬はスタジオの隅に座って、撮影を見物している。
    「案外、ヒマなもんですね」広大がつぶやいた。
    「まあな。ドラマの撮影なんかだと、もっと待たされるぞ」
    「野瀬さんはドラマの仕事も多いんですか」
    「たまにね。・・ま、アダルト以外のドラマで縄師の出番なんて、そんなにないんだが」
    1時間程かかって、ようやく撮影が終わり休憩に入った。
    「はぁ~」レミーはほっとしたような声を出した。
    「お疲れ様でした。どんな気分でしたか?」広大が縄を解きながらレミーに聞く。
    「私だけずっと縛られたままにされるのって、屈辱的ね」
    「いやですか?」
    「そんなことはないわ、仕事だし。・・あら、縄の痕がついてるじゃない。大丈夫って言ったのに」
    レミーは自分の手首を見て文句を言う。
    「普通の縄に比べたら痕がつきにくいってことです。それに、ちゃんと手順は考えてあるみたいですよ」
    「手順って?」
    「次の撮影は両手を背中に回して縛ります。手首の縄の痕は隠れて見えないってことです」
    「そうなの。やだわ」
    何がいやなのか。
    肌に縄目が残るのが嫌なのか、縄目が見えないように段取りがなされていることが嫌なのか。
    広大が考えているうちに、レミーは控え室に戻ってしまった。
    ・・
    2回目の撮影ではレミーは椅子に座って後ろ手に縛られた。
    背中で合わせた両手を縛り、縄を胴に回して腕が動かないようにする。
    縄が直接肌に掛かるのは手首と下腕部分だけとなるよう配慮した縛り方だった。
    「あぁ・・」
    広大が縄を締めるとレミーは小さな声を出した。
    「痛くないですか」
    「大丈夫。ぜんぜん動かせないわね」彼女は縛られた両手をもがくように動かして少し微笑んだ。
    さっきより色っぽくなったかな。
    広大はそう思いながら結び目を作る。斜め正面から見て一部が見えるように結び目を大きめに仕上げた。
    「できました。いくら暴れても絶対に緩みませんよ」
    「そう、みたいね。・・ね、あなた。撮影で私、こうした方がいい、みたいなアドバイスある?」
    「そうですね。さっき言ってた、屈辱的な気持ちを十分味わって、感じてみて下さい」
    「え」
    この子は何を言うのという顔をしてレミーは広大を見、やがてゆっくりと言った。
    「・・わかったわ」
    カメラが回り始めると再びレミーはポーズをとった。
    自分の拘束を確かめるように、首を振りながらゆっくりともがく。
    ときおり上方を見上げ、深呼吸のようなため息をして、それからうなだれる。
    左右の太ももをぎゅっと合わせて、爪先まで力を入れる。
    「さっきより全然いいね」スタッフがささやいている。
    「おい、広大よ。彼女に何を言ったんだ?」野瀬が聞いた。
    「特に何も。・・ただ、十分感じて下さい、とだけ」
    野瀬は考える。
    それであの演技ができるんだったらこの娘はいい女優になるな。さもなくば、被虐感を素で表現しているだけかだ。
    2回目の撮影は1回目より早く済んだ。
    カット毎の打ち合わせや調整がかなり少なくて済んだのだった。
    「素敵でした」
    広大が縄を解くとレミーは笑った。
    「さっきのあなたのアドバイスがよかったみたい」
    自由になった腕をぶらぶらと振る。
    「また縄の痕が増えちゃったな。・・あなた、名前は何だっけ?」
    「鴫野広大です。広くて大きいです」
    「広大くんね、覚えたわ。残り1回もよろしくお願いね」
    ・・
    3回目の撮影の前に広大が頼んだ。
    「あの、最後は縛り方をまかせてもらえませんか?」
    プロデューサーがスポンサーと相談し、それからレミーに聞いた。
    「いいわ。広大くんの思うように縛ってちょうだい」
    許可が出た。
    広大は自分の鞄から麻縄を出す。「縄もこれに替えさせて下さい」
    よく使い込まれていて、手入れの行き届いた綺麗な縄だった。
    ・・
    最後の構図は縛られたまま床に横たわるイメージだった。
    広大がレミーの胸の上下に縄を回す。
    腕と胴の間に絞り縄を施して拘束感を高める。
    「はぁ、・・んっ」
    レミーが耐え切れないような声を上げた。
    「足を片方だけ縛ります」
    膝で折り曲げた左足に縄を巻いて縛った。
    驚くほど手際のよい縛り方だった。
    「くっ、あぁ・・」
    レミーは仰向けになって、のけぞるような姿勢で耐えている。
    「すごいな」「この中学生、本物だぜ」取り巻くスタッフ達も驚きを隠せない。
    広大は結び目を処理し終えると立ち上がった。
    「完成です。撮影、頑張って下さい。レミーさん」
    「あ、ありがと・・」
    レミーはかろうじてそう答えた。
    3回目の撮影は、カット毎の手直しもなくノンストップで行われた。
    それだけレミーの状態がすばらしく、文句のつけようがなかった。
    拘束を解かれたレミーはしばらく立ち上がれなかったが、ようやく動けるようになると広大の手を握って礼を言った。
    「勉強になったわ! ありがとう!」
    ・・
    次の週、野瀬から広大に最後の撮影シーンで決定したとの連絡があった。
    コマーシャルは初夏の商戦に向けて、テレビや雑誌で展開されることになっていた。
    それが広大の周辺にどんな影響を与えるのか、そのときには何もわからなかった。

    緊縛広告



    ~登場人物紹介~
    鴫野広大: 14才。縄師修行中の中学2年生。野瀬の紹介でコマーシャルの緊縛をすることに。
    宇田玲実: 17才。愛称レミー。プロのモデル。広大に縛られて何かに目覚めた?
    野瀬智明: 31才。プロの縄師。広大の縛りの師匠。

    ついに広大に仕事の依頼が来ました。
    彼が縛るのは人気の美少女モデル。
    話ができ過ぎていますが、これくらいでないと面白くないですよね。

    筆者が好きな萌えネタのひとつに、女性の拘束を主題にした広告があります。
    成人向け商品ではなく一般商品の広告でというと、まずデビュー間もない頃?の松田聖子の腕時計のCFを思い出します。
    彼女は誘拐されて椅子に後ろ手に縛られていて当初は興奮しましたが、よく見るとユルユルの縛りで最後には自分で縄を外してしまうので大いに落胆したものでした。
    もう一つ忘れられないものに、1970年代だと思いますが、文房具?の広告写真で全裸の女性が大きな木の根に縄で縛り付けられているものがありました。
    女性は大量の縄で縛られていて、まったく自由を奪われており、縄の間から裸のバストが出ていたことを覚えています。
    子供時代の筆者は偶然このポスターを普通の文房具店(しかもイズミヤだったかのSC内!)で見たものですから、その衝撃は凄まじいものがありました。
    あのお姉さんは何でわざわざ裸で動けなくされているのか。それをよりによって広告ポスターにしてお店に貼り出しているのか。( 成人雑誌なんて見たこともない年齢ですよ )
    後年覚えたオナニーの "思い出しおかず" になったことは言うまでもありません:P
    残念ながら今となっては、どんな商品のどんな意図の広告であったのかまったく不明です。
    当然写真も持ち合わせておりませんので、情報お持ちの方(相当の年配の方でしょうね)がおられましたら、是非お教え下さりたくお願いしたいと思います。

    最近見た広告では、アムネスティの透明スーツケースが萌えますね。
    いや、人身売買禁止を訴える真面目な広告に萌えるのは不謹慎なんですが。

    さて、チョコレートの広告イラストは顔の描き方をいつもより凝ってみました。
    背景もチョコレート色にしたらずいぶん濃厚な雰囲気になって、初夏ではなく真冬にぴったりの広告になってしまいました。
    いつもながらイメージの通りに絵を描けないのは残念なばかりです。

    ありがとうございました。




    中学生縄師 Act.4 舞華 part2

    中学生縄師Act.4

    「もしもし、広大くん? 北大路舞華です」
    受話器を取った鴫野広大の耳に女性の声が聞こえた。
    「ああ、北大路さん」
    「あの話、どうなったかな」
    「えっと・・、何の話でしたっけ」
    「もう、とぼけないで。あたしがモデルで、広大くんの縛りの練習をするって話」
    「ああ、まだ決まってません」
    「楽しみにしてるのに、全然連絡くれないんだから」
    「あの」
    「何?」
    「僕、電話番号を伝えてなかったと思いますけど、どうやって」
    「そんなこと簡単よ。天晴中でしょ? あたしのパパ、PTAの理事なんだから」
    「そうですか」
    広大は電話を切ってからしばらく考え、それから再び受話器を取ってダイヤルした。
    「あ、野瀬さんですか。広大です」
    ・・
    舞華が待ち合わせの駅前に来ると、待っていたのは松宮史代だった。
    「こんにちは」
    「あなた、広大くんのガールフレンドだったわね」
    「松宮史代です。広くんは準備で忙しいので、代わりにあたしが迎えに来ました」
    「準備って」
    「舞華さんを縛る準備です。今日は本格的にするから、覚悟して下さいって」
    「願ってもないわ」
    「それから、広くんだけじゃなくて、師匠にも来てもらってます」
    「師匠って、広大くんの縄の先生のこと?」
    「はい」
    「うわあ、ますます楽しみ!」
    二人は広大の家に向かって歩き出した。
    「舞華さん、寒いのに、そんな格好で平気なんですか?」
    よく晴れた昼間とはいえ1月の屋外で、舞華は、はだけたモッズコートの下は薄いキャミソール、ボトムはデニムのショートパンツと生足にブーツという姿だった。
    「広大くんを誘惑するためよ。・・あ、冗談! 冗談だから、そんな顔しないで」
    史代はほっぺたをぷうっと膨らまして、舞華をにらみつけている。
    「これは女の心意気よ。史代ちゃんも広大くんの前では、もっと肌を出して、可愛くしたほうがいいわよ」
    「やっぱりそうですか?」
    史代はごく普通のトレーナーとジーンズ姿だった。
    「そりゃそうよ。チアリーダーはね、脚とかお腹とか見られて頑張ってるから、綺麗になるのよ」
    「そうか。・・ねえ、ミニスカートとショートパンツとどっちがいいでしょう?」
    「うん、それは彼の好みに合わせてあげるべきね」
    「広くん、どっちが好きかなあ」
    「男の子の好みが分かる方法があるわよ」
    「え、どうするんですか? 教えてください!」
    舞華のペースにのせられてしまった史代であった。
    ・・
    広大の家では母親の鴫野真弓が迎えた。
    「貴女が広大のモデルさん? よろしくお願いしますね!」
    真弓は舞華と史代を応接間に案内すると「ごめんなさい、急な仕事なもので・・、史代ちゃん、あとお願いね」と言って姿を消した。
    「今の広大くんのお母様?」
    「ええ。綺麗なお母さんでしょう?」
    「変なこと聞くけど、もしかして無くなったお父さんって、再婚したとか・・?」
    「いいえ。そんなことないです」
    「あれで、中学生の子供がいるの? あたしも負けてられないわね」
    「何を対抗してるんですか。・・広くんのお母さんは、昔お父さんのモデルだったそうです」
    「モデルって、縛りの?」
    「はい、緊縛専門だったって」
    「すごい。縄師の父親と緊縛モデルの母親か。広大くん、すごい血筋ねぇ」
    「あたし昔からお隣でよく知ってますけど、普通の優しいお父さんとお母さんでしたよ・・」
    「ようこそ、北大路さん」
    広大が現れた。
    「準備できましたから、下へどうぞ」
    ・・
    舞華は広大について半地下にある部屋に下りる。
    「ここは本当はガレージなんですけど、父が撮影に使っていたんです。しばらく物置になってたのを片付けました」
    シャッターを閉めて薄暗いガレージには、中央に照明器具が設置され、壁に沿った周囲にはいろいろな拷問器具のようなものが置かれていた。
    舞華は木製の三角木馬に近づいて手を触れた。それは古びていたが、よく使い込まれた雰囲気だった。
    三角形の鋭角の峰には、何かの液体が流れたような痕が残っている。
    「け、けっこう本格的なのね」
    「今日はそれは使いません」
    こんなの本当に使われたら、あたし死んじゃうわよ。
    「この人は野瀬さん。僕の師匠です」
    「よろしく」
    大柄な男性が会釈をした。
    「私は彼を指導するだけです。貴女を縛るのは広大が一人でやります」
    ごくり。
    舞華は唾を飲み込んだ。
    ・・
    ショーツとキャミソールの下着姿になった舞華を広大が縛り始める。
    後ろに回した手首に縄が巻きつく。
    胸の上下に縄が回り、バストが強調される。二の腕が締め付けられる。
    「こ、広大くん。ちょっと痛い」
    「今日は前みたいに気を使いません。北大路さんは僕に縛られるために来たんですから、立場をわきまえて下さい」
    「くっ・・」
    「辛かったら、声をあげてもいいですよ」
    「そんな・・」
    ・・
    下半身にも縄が掛かり始めた。
    膝で折った左右の足がそれぞれ縛られ、太ももがハムのようにくびれるのが分かった。
    初めて広大に縛られたときよりもずっと厳しい縛りだった。
    全身が締め上がる感覚。そしてそして自分の心の奥底までも締め上げられるような感覚。
    それは、はっきりと快感だと感じた。
    「あぁっ」
    舞華は小さな声をあげた。
    ・・
    がんじがらめに縛られて芋虫のように床に転がされる。
    もはや身体のどこに力を入れても、わずかにもがくことしかできない。
    「いいモデルを手に入れたな、広大くん」野瀬の声がした。
    「身体は柔らかいし、肌は弾力のある餅肌だし。それに、被虐性も高い」
    「そうですね。ただ、ちょっと自分勝手でわがままなんですけど」
    「それは、この身で分かってもらうしかない。見たとこ緊縛経験は浅い子だけど、いいんだね? これ以上進めても」
    「はい。それがこの人の希望ですから」
    え? あたし、どうなるの?
    広大は舞華の足を開かせて、確かめるように股間に手を当てた。
    「やっ、そんなとこ・・」
    そこは溢れるほど濡れているのが自分でも分かる。
    下着の上から触れるだけでも容易に知れるだろう。
    舞華は広大の前で初めて心の底から恥ずかしいと感じた。
    しかし広大は無表情なまま、新しい縄を繰り出して両足の間に割り込ませて行く。
    「はんっ」
    舞華の全身がびくっと震える。
    「うん、いい力加減だ。股縄は濡れると緩み易いから、チェックして締め直すこと」
    「はい」
    広大はそのまま舞華の左の太ももの縄を天井の滑車に繋いで引き上げた。
    ぎぃ。
    舞華の身体が逆海老にしなる。
    続いて背中の縄も一緒に引かれて、舞華は頭を下にして吊り上げられた。
    「ああっ。広大くん、もう無理・・。お、下ろして・・」
    「駄目です。限界かどうかはこっちで判断しますから」
    「で、でも・・」
    「でもも何もありません。そのまま苦しんで下さい」
    「ひ」
    広大は舞華の右の膝を引いて縄で背中に繋いだ。
    「これで一通りの完成です。どうでしょう?」
    野瀬が縄の結び目をチェックして「OK」と言った。
    ・・
    舞華は全身を縛る縄の感覚に翻弄されていた。
    自分のすべてが自分のモノでなくなったみたいだった。
    その代わりに与えられる、意識が飛んでしまいそうな快感。
    「ああ・・、んんっ・・」
    無意識に泣き声とも喘ぎ声ともつかない声が出ている。
    吊り上げられた左足を中心に、全身がゆっくり回転しているようだった。
    ゆっくりと頭に血が上ってくる。
    体重を支える左足の縄がしびれるように痛い。
    チアリーディングを始めた頃の股割りの光景をちらりと思い出した。
    前後二つに分かれた台に両足を乗せて、開脚の訓練をするのだ。
    背中に補助者の体重をかけて押し付けられる拷問のような訓練に、新入部員は全員悲鳴を上げたものだった。
    180度の開脚は必須。それをこなせた舞華には200度以上の開脚が強いられた。
    今は縄で縛られて逆さ吊りの拷問。
    あたしにもう自由はない。
    広大くんが許してくれない限り、ずっとこのまま苦しみ続けるのね。
    意識が朦朧としてきたようだった。
    あたし、広大くんのドレイなんだ。
    ・・
    気がつくと、床に敷いたマットレスの上に横たわっていた。
    広大が縄を解いている。
    「大丈夫ですか」
    縛めはなくなったのに、身体中に縄が絡み付いているような気がする。
    子宮の奥底まで刺激されるような感覚。
    「はあ・・、ああん」
    何て気持ちいいんだろう。
    舞華は無意識に自分の胸を両手で押さえて力を加えた。左右の乳房から快感の波動が広がった。
    「んんっ、・・・あぁ」
    「うちのユカも、こんな感じになるんだけど・・」野瀬が言いかけた。
    「縄酔いですね。見て分かります」広大はあっさりと答えた。
    「M女の縄酔いが見て分かる中学生なんて、あんまりいないぞ」
    「このまま落ち着くまで放置していいですか?」
    「そうするしかないな」
    コンコン。
    部屋のドアがノックされて史代が顔を出した。
    「終わりましたか? お茶を入れますから、皆さん上の部屋へどうぞ」
    「ああ、北大路さんが落ち着くまで待って」
    広大は横になった舞華の脇に膝をついていた。
    「後で上にあがるから。・・どうしたの?」
    「あ、あの、あたし、着替えて来たんだけど。えへ、どうかな?」
    史代はジーンズからショートパンツに穿き替えていた。
    「風邪ひかないようにね」広大があっさりと答えた。
    「もう!」
    「あぁ・・」
    そのとき舞華がうっすらと目を開けて広大を見た。
    「あ、北大路さん、気分はいかがですか」
    舞華は笑ってしなを作るようにして両手を伸ばし、広大の首にしがみついた。
    「広大くん、大好き♥」
    そのまま広大の頭を引き寄せて、唇を合わせた。
    うわ。広大は舞華の顔を押し戻そうととするが、舞華は広大にキスをしたまま離れない。
    「あぁ~、舞華さん! 駄目ぇ~っ」
    史代が舞華の手を引っ張って、強引に広大を引き剥がす。
    舞華は一瞬きょとんとし、それから史代に気がつくと今度は史代の首に抱きついた。
    「史代ちゃん♥、可愛い・・」
    そして史代にも唇を合わせる。
    ひゃあ~。史代は慌てて両手で舞華の背中をばたばたと叩くが舞華は史代を離さなかった。
    広大はその横で尻餅をついて額を腕でぬぐっている。
    「ま、こういうこともあるさ」野瀬が横でさらりと言った。
    ・・
    「広大くん、ごめんなさい」
    ようやく平常に戻った舞華が広大に謝っている。
    「勝手に電話調べたりして、ずいぶん失礼でした。これからはちゃんとわきまえて、広大くんに従います。・・だから」
    そう言って再び広大の首に絡みついた。
    「広大くんの彼女は史代ちゃんで、あたしはただの奴隷でいいわ。だから、もっと縛ってね♥!」
    「もう、またぁ~っ」
    史代が再び慌てて舞華に飛びついている。
    「ま、こういうことは、・・珍しいか」野瀬が横であきれたように言った。
    ・・
    舞華が野瀬の車で送られていった後に、広大と史代が残される。
    広大を見つめる史代の顔は赤かった。
    「ねぇ、あたしたち、ファーストキスを舞華さんに奪われちゃたのかな」
    「まあ、そうなるかな」
    「あたし、最初は広くん、って決めてたのに・・」
    「あれは事故というか、ペットに顔を舐められたみたいなもん、って思えないか、やっぱり」
    「思えないよぉ」
    「・・」
    「あたしなんか、初めてのキスの相手が女の人なんだよぉ。広くんは良かったかもしれないけど」
    「そういう問題じゃないと思うけど」
    「ねぇ、広くんはあんなに綺麗な人のキスだと嬉しい?」
    「別に嬉しくないよ。北大路さんはただの緊縛モデルなんだし」
    「本当?」
    「本当だよ」
    「なら、あたしとだったら嬉しい?」
    「・・うん。松宮とだったら」
    史代は黙って広大に抱きつき、広大の胸に顔をうずめた。
    広大は史代の背中を両手で押さえてゆっくり撫でる。
    「なぁ、松宮」
    「何?」
    「キス、しようか?」
    「・・」
    「松宮?」
    史代の背中がゆっくり笑い出し、やがて史代は顔をあげて広大を見た。
    その顔は半分笑って、半分怒っていた。
    「もう、そんなデリカシーのない言い方じゃ、やだ」
    そして右手で自分の目の下をごしごしとこする。
    「それに今、広くんとキスしたら、広くん絶対に舞華さんのキスと比べるもん」
    「そんなことしないよ」
    「駄目。あたし、もっと自然にしたいんだから。広くんが無理矢理キスしたら絶対に泣いちゃうんだから」
    「わかった。ごめん」
    「・・ぷっ」
    「何がおかしいんだよ」
    「広くんが謝ってくれたの、小学4年のとき以来だよ」
    「そ、そうかな?」
    「そうだよぉ。オレさまの広くんが、謝ったぁ~」
    頭をかく広大の横で笑い続ける史代だった。

    舞華逆吊



    ~登場人物紹介~
    鴫野広大: 14才。縄師修行中の中学生。舞華をモデルに縛りの練習。
    北大路舞華: 19才。チアリーディングをしている女子大生。Act.1 で広大とした約束が現実に。
    松宮史代: 14才。広大の幼馴染で同級生。
    野瀬智明: 31才。プロの縄師。広大の縛りの師匠。
    鴫野真弓: 33才。広大の母。

    『中学生日記』のような着衣緊縛のTVドラマ。
    広大と絡む女性は必ず縛られるお約束ですが、その中でも舞華は厳しい縛りを受ける設定です。
    勝気で高飛車な舞華がこの先どのように扱われて変わって行くか、作者の私にも楽しみです。
    そんな舞華の役を務めるのは、長らく清純な美少女のイメージで売ってきて20才を前にセクシーな役にも挑戦しようとしている女優さんのつもりです。
    本当は優しくて性格のいい女優さんだけど、役作りのため収録中はずっと露出の多い服を着て、おっほっほっと高笑いしながら、そして緊縛シーンでは本当に縄で縛られて舞華と同じ苦しみを味わいながら一生懸命演じる・・そんな姿に萌えます。( 許して、おじさんの妄想です )

    下着姿のイラストは、私にとってはこれが着衣緊縛といえるかどうかのぎりぎりです。
    これで乳首の一部でも見えてしまうとアウトで、魅力を感じません。
    この辺り、皆さんの感覚は如何でしょうか。
    絵を描く上では、女性の服には詳しくないし、裸が圧倒的に楽なんですけどね。

    さて、ここのところ仕事が忙しく帰宅が深夜になる毎日です。
    当ブログは約2週間に1回の更新で努めてきましたが、この先間隔が少し開くかもしれません。
    小説/SSの更新を楽しみにして下さっている皆様(そんな人いるのか?)には申し訳ありませんが、ご了解お願いします。

    ありがとうございました。




    中学生縄師 Act.3 むつみ

    中学生縄師Act.3

    夜10時。
    川島むつみは鉛筆を置き、眼鏡を外して立ち上がった。
    両足の間に勉強机の角を押し当てる。
    ん・・。
    我慢できなくなって、次第に体重をかけてぎゅうぎゅうと押し付けるようになる。
    ぎしぎし。机が揺れた。
    いけない。身体を離した。
    部屋のドアをそっと開け、階下の様子を伺う。
    両親は居間でテレビを見ているようだ。
    ドアを閉め、念のために鍵をかける。
    ベッドに横たわり、腰を浮かしてスウェットを下げた。
    机の引き出しに手を伸ばして、中からドライバを取り出す。
    2年生の文化祭のときクラスで使って余ったのをもらってきたドライバだ。
    柄の直径は3センチほど。自分には少し太いけれど、丸い先端に程よく角がついていて具合がよかった。
    ショーツの上からドライバの柄を押し当てる。
    ゆっくりと押し付けるように、ねじるように。
    はぁ・・、はぁ・・。
    太ももに力が入る。
    両手で握ったドライバを自分の中に押し込んだ。
    「んあっ・・」声が出てしまった。
    だめだよ、静かに、声出さないように。頭の片隅でぼんやり考えながら、ドライバを持つ手を動かす。
    はぁ・・、はぁ・・、はぁ・・。
    んーーーーっ・・。
    15分後、むつみはベッドに仰向けで弛緩していた。
    パンツ、替えなきゃ。
    身を起こして下着を交換し、ドライバを引き出しに収納する。
    一息ついて椅子に座り、眼鏡をかけて鉛筆を握りなおした。
    問題集の文字を目で追う。とりあえず難しいところは置いて、先に進もう。
    気がつくと、開いた問題集はそのまま、左手が股間に入って動いていた。
    ああ~、こんなんじゃ、勉強に集中できないよぉ。
    ・・
    職員室。
    「川島、ここんとこ成績が下がってるぞ」
    「・・はい」
    「何か事情があるのか?」
    「いいえ、特にないです」
    「そうか。受験まであと3ヶ月だし、今、頑張らないと志望校を受けるのも難しくなるからな」
    「はい」
    「先生には言えない悩みがあるのかもしれないけど、少し勉強を忘れて気分転換してみるのもいいかもしれないぞ」
    むつみには勉強に集中できない理由が分かっていた。
    オナニーが我慢できないだなんて、私、どうしてこんなにえっちになったんだろう。
    職員室を出て廊下を歩きながら考えた。
    気分転換かぁ。でもどうやって・・。
    ごつん。
    すれ違った男子生徒と肩が当り、鞄を落とした。
    「ごめんなさいっ」
    男子生徒はむつみより早く鞄を拾って渡してくれた。
    「あ、ありがとう」
    「いえ、僕の方こそすみませんでした」
    正面から見つめられて、むつみの胸がどきんと鳴った。
    「じゃ、」
    男子生徒に背を向け、胸に鞄を抱えて歩き出す。
    「・・今の2年の鴫野広大くんよね」
    すれ違った女子生徒の会話が聞こえた。
    「どんな女子でも縛ってくれるんだって」
    「えぇ~、そうなのぉ?」
    「よっちゃん、どう?」
    「いやだぁ・・」
    むつみの頭の中に広大の顔が浮かんだ。
    あのとき、一瞬で自分の悩みをすべて見抜かれたのではないかと思った。
    自分を見る広大の目は、鋭くて、それでいてどこか優しいような気がした。
    ・・
    数日後、2年1組教室。
    「松宮ぁ、お客さん~」
    「はい?」
    松宮史代が声のした方を見ると、川島むつみが会釈した。
    ・・
    「こうやって松宮さんにお話しするの、すごく悩んだの。本当は、今も恥ずかしくてたまらないもの」
    「あたしが、広くん、・・鴫野くんと友達だって、聞いてきたんですね」
    「ええ。こんなこと、友達にも先生にも相談できないから」
    「先輩、あたしを信じてくれて、ありがとうございます」
    史代はぺこりとお辞儀をする。
    「自分で自分を慰めたくなるのは、いけないことじゃないと思います。あたしも正直に言っちゃうと、たまにします。・・あ、これ鴫野くんには内緒にして下さいね」
    史代はそう言って笑った。
    「やり過ぎちゃうのは、先輩の心に余裕がないというか、疲れているからかもしれません。彼に会ったら、きっとよくなりますよ」
    「ありがと。・・松宮さんって、優しいんだね」
    「あたしだったら彼に頼み易いし、いつでも言って下さい。その、やっぱり怖いと思うし、覚悟ができたら」
    「怖いわ。でも、こうやって松宮さんに話した時点で覚悟はしてきたから。鴫野くんは女の子を大事にしてくれる?」
    「それは、大丈夫。あたしが保証します」
    「うん!」
    むつみの表情が和らいだ。
    「こうやって話しただけで、ほっとしたわ。もう、100階建てのビルから飛び降りる気持ちだったんだから」
    胸を撫で下ろして深呼吸する。
    「松宮さんも鴫野くんに縛ってもらってるのよね?」
    「え、あ、まあ」今度は史代の顔が赤くなる。
    「鴫野くんのこと、心から信じてるんだね。ちょっと話しただけで分かった」
    「そんな見ないで下さい~。あーはずかし」
    「うらやましいな。じゃあ、よろしくお願いね」
    ・・
    むつみが広大の家にやってきたのはその翌々週の土曜日だった。
    ピンクのセーターにスカート。椅子に座り、外した眼鏡を膝に置いた。
    広大と二人きりになると、さすがに緊張して固まっている。
    「事情は聞きました。川島さんは、普通にじっとしてくれてたら、いいです」
    「は、はい」
    「少し聞かせて下さい。・・夜中の、その時間、どんなことを考えてやっていますか?」
    「その時間、って?」
    「まあ、ぶっちゃけて言えば、オナニーするときに、どんなおかずでやってますか」
    広大にあけすけに言われて、どきんとした。
    「え・・、と、その、捕まって、監禁されてるんです」
    「川島さんが?」
    「はい。・・それで、逃げようとしても逃げられなくて、一人でもがくんです」
    「・・」
    「それですごく絶望的な気分になって、その後、犯人の男の人がやってきて、・・乱暴されるんです」
    「乱暴って、レイプされるんですか?」
    「・・はい」
    「そうですか」
    「こんなことばかり考える私って、異常ですよね。まだ男の子とつきあったこともないのに、すごくエッチで、思い浮かぶのは縛られたりとか、襲われりとか、そんなことばかりで」
    むつみは真っ赤な顔でうつむいたまま喋った。
    「だから、罰を与えて欲しいんです。こんないけない私を縛って、こらしめて欲しいんです。そしたら、きっと反省して勉強にも集中できると思うんです」
    「分かりました。じゃあ、始めましょう」
    「え?、はい」
    広大は白い縄を持っていた。
    「綿ロープです。柔らかくて肌に跡も残りにくいです。・・両手を後ろに回して下さい」
    ・・
    むつみは椅子に座ったまま、縛られていた。
    背中に回した両手も、膝で縛られた両足も動かせない。
    それにしても、広大の縄はまったく痛くなかった。
    縛られるのって、思ってたのと全然違う。
    何だろう。この感じは。
    白い縄が自分の身体と一体になっているような不思議な感覚。
    心が安心できて、暖かい気持ちになって、まるで温泉に入って身体を伸ばしているみたい。
    半目になって、ゆっくり首筋をそらした。
    「あぁ・・、気持ちいい、です」
    ああ、私、今、ぎゅっと抱き締めてもらっている。
    広大がむつみの肩に毛布を掛けた。
    「しばらく、そのまま過ごして下さい。・・眠ってもいいですよ」
    ・・
    1時間後、縄を解かれたむつみが紅茶をすすっていた。
    「美味しい・・」
    「川島さん、捕まったりレイプされたりする願望のある女の人は多いって、師匠から聞いたことがあります。だから、川島さんはぜんぜん変じゃないです」
    広大が言った。
    「・・それに、縛るのは、罰なんかじゃないです」
    「?」
    「僕は、緊縛って、心のマッサージみたいなものだと思ってます」
    「マッサージ、ですか?」
    「女性によるのかもしれないけれど、身体を縛られると、心は自由になる、というか気持ちが楽になって安心するんです」
    ああ、その通りだ。むつみは思った。
    縛られている間、私はとっても安心していた。
    彼は、私にエッチなことを全然しないで、縛るだけで、こんなにすっきりさせてくれた。
    罰じゃなくて、ご褒美をもらったみたい。
    「あの、また、して、くれますか?」
    「はい?」
    「これからも、ときどき、我慢できなくなったら、マッサージ、してくれますか?」
    広大は笑って答えた。
    「いつでもどうぞ」
    ・・
    その夜、むつみは勉強机に向かっていた。
    心と体がリフレッシュしていて、久しぶりに勉強に集中できると思った。
    むつみは自分の左手の人差し指と中指を見る。
    そこには細く巻いた紙の紐が巻きついていて、二本の指を縛っていた。
    『これはおまじないです。川島さんの心が安心するように』
    広大がアフターサービスでむつみの指を縛ってくれたのだった。
    『右手と口を使って一人でも簡単に縛れますよ。輪ゴムなんかは血行を妨げるから駄目です。必ず "こより" でやって下さい』
    その気になれば簡単に外せる拘束だ。だけど不思議と外したいとは思わない。
    あのもやもやした気持ちは、この中に封じ込められたみたい。
    もう大丈夫。
    むつみは、しばらくの間二本の指を見つめ、頬にそっと当てて、それから勉強を再開した。
    ・・
    数日後、登校中の広大と史代の会話。
    「広くん、今回は格好いいね。心のマッサージなんて」
    「師匠の受け売りなんだ。実は僕もまだよく分かってない」
    「そうなの? ・・じゃあさ、あたしも川島先輩みたく、優しく縛ってみてよ」
    「僕、いつも松宮を優しく縛ってるぜ」
    「だって、あたし、広くんの練習台で吊られたりとかばかりだよ。たまにはあたしも、マッサージ、してほしいなぁ」
    「松宮は要らないよ」
    「え、どうして?」
    「だって、松宮、満たされてるだろ?」
    「え?」
    史代は無意識に自分の頬を両手ではさんだ。
    そりゃ、あたし、幸せってこと?
    えへへへへ。
    気がつくと広大は3メートルくらい先をすたすた歩いていた。
    「ああんっ、広くん、待ってよぉ~!」

    むつみ緊縛



    ~登場人物紹介~
    川島むつみ: 15才。天晴中学3年生。受験間近なのに最近成績が下がりぎみ。その理由は・・。
    鴫野広大: 14才。天晴中学2年生。縄師修行中。
    松宮史代: 14才。広大の幼馴染で同級生。

    広大の特殊技能は中学校でも広く知られています。
    今回は、悩みを抱えた先輩の女子生徒を助けることになりました。
    縛られて「ぎゅっと抱きしめられているように感じる」はネットで知った概念です。
    こんな風に感じることのできるM女性は素敵だと思います。

    さて、お絵かき環境が整って、ようやく掲載を再開できるようになりました。
    相変わらずの落書きイラストですが、これからもよろしくお願いいたします。
    ありがとうございました。




    中学生縄師 Act.2 史代

    中学生縄師Act.2

    天晴中学に終業のチャイムが鳴り響いた。
    「広くん。ねえ、広くん!」
    松宮史代(ふみよ)が同じクラスの鴫野広大を追いかけてゆく。
    「ねえ、待ってよっ」
    大きな声で呼びながら走って行く史代を、周囲のクラスメイトは当たり前のように眺める。
    あいつら、また夫婦でいちゃついてるぞ。
    校門を出るところで史代はようやく広大に追いついた。
    「もうちょっとゆっくり歩いてよぉ」
    「松宮さぁ」
    広大はうんざりするように言った。
    「恥ずかしいよ。そんな大きな声で」
    「何でよ。いいじゃない。・・それより、ねえ、明日、新しいスカート買うの、つきあってよ」
    「土曜日は鉄研の撮影会」
    「じゃあ、それが済んでからなら、いい?」
    「夜遅いよ」
    「え~、そうなのお」
    「あのね、だいたい、何でそんな、手垢がついたようなお誘いに乗らないといけないんだよ」
    広大は一息ついて言った。
    「すごい超ミニスカートにしてドキって思わせようとか、企んでるんじゃないの」
    「あら、ドキ、・・なんちて」
    「僕らはこれからどこに行くのかな?」
    「えっと、広くんの緊縛の練習」
    「そこで縛られるのは誰」
    「えっと、・・あたし」
    「ただの幼馴染どうしっていうだけで、できることか?」
    「ううん」
    「だったら、そういうこと」
    広大は史代の頭に右手をぽんと乗せた。
    「うん!」
    史代は広大の手をとって笑った。
    二人は並んで歩いて行く。
    「ねえ、昔みたいに、史ちゃんって呼んでほしいな」
    「もう子供じゃないんだから、そんな呼び方できないよ」
    「でも、松宮って苗字で呼ぶことはないでしょ。いっそ、史代♥って呼び捨てにしてくれてもいいんだけど」
    「はいはい、そのうちにね」
    「もう」
    ・・
    二人はそれぞれ自宅に帰って着替えた。
    史代の家は広大の家の隣である。
    広大が先に自転車で出てきて、史代の用意を待つ。
    やがて史代が母親と一緒に出てきた。トレーナーに膝丈のスカート姿である。
    「あ、こんにちは」広大が史代の母親に挨拶する。
    「こんにちは、広大くん。史代をよろしくお願いしますね」
    「はい」
    「ねえ、あなた達、もうキスはすませたの?」
    「もう、母さんっ。何を言うのよ!」史代が慌てて言った。
    「母さんは広大くんなら反対しないわよ」
    それから史代の耳元で小声でささやいた。
    「縛られたついでに、さっさと全部奪われちゃいなさいよ」
    「ばか」
    古くからの隣同士のため、広大の父親の仕事のことも広大が緊縛の練習をしていることも、史代の母親は承知している。
    もちろん、史代が広大に縛られていることも。
    史代が自転車の後ろに座ると、広大は自転車を漕ぎ出した。
    「おばさん、何て言ったの」
    「何でもないの」
    そう言う史代の頬は赤かった。
    あたし、広くんなら、OKなんだよ。
    ・・
    「そういえば、例の大学生の人はどうなったの?」
    自転車の後ろから史代が聞いた。例の人とは、広大が助けた北大路舞華のことである。
    「何もないよ」
    「縛るの?」
    「多分、そのうちね、あの人プロポーションがいいから、練習に向いてると思う」
    「それは分かるんだけど、ユカさんだっているのに」
    「ユカさんはプロのモデルだよ。安くしてもらっても1回5千円かかるんだから」
    「あたしが、早く大人の身体になったらいいんだよね」
    「松宮はそんなことを気にしなくていいんだ。松宮には松宮にしかないものがあるから」
    「あたしのおっぱいが大きくなくてもいいの?」
    「いいよ。松宮の身体は可愛らしくて、縛り易いから、僕は好きだよ」
    広くんは、縛り易いかどうかで女の子を見る。
    史代はときどき複雑な気持ちになる。彼、本当に自分と同じ中学生だろうか。
    「あ」
    広大が小さな声を上げて自転車を止めた。
    歩道に綺麗なお姉さんがいて手を振っている。
    きらきら光るアクセサリをたくさんつけて化粧も濃い目だ。
    「例の女子大生」小声で史代に言った。
    「広大くん、元気?」舞華が言った。
    「ちっとも電話くれないんだから」
    「もうちょっと待って下さい。今、師匠に話をしてますから」
    「師匠って?」
    「僕の縛りの先生です」
    「そんな人がいるの。なら、楽しみに待ってるからね」
    舞華はそう言ってから、史代を見た。
    「後ろの可愛い彼女は、広大くんの専属モデル?」
    「まあ」
    「なら、あたしのライバルって訳ね。よろしくね」
    史代は黙ったまま舞華を睨みつけるように会釈をした。
    ・・
    「あの人、よくないよ」舞華と別れて、再び自転車が走り出すと史代が言った。
    「広くん、絶対だまされる!」
    「何をだまされるの?」
    「えっと、その、あの人の色香にだまされて、広くんによくない」
    「言ってることがわからないよ。僕は黙って縛るだけだから、大丈夫」
    「でも」
    史代がぷりぷりと怒っているうちに、自転車は大きなマンションの前についた。
    ここには、広大の父親の弟子だった人の住居兼撮影スタジオがある。
    広大の父親はマニアの間では有名な縄師だったが、2年前に病気で亡くなっていた。
    父親から緊縛術を教わっていた広大は、今はその人から縛り方を教わっている。
    「やあ、いらしゃい。史代ちゃんもようこそ」
    ベルを鳴らすと、野瀬智明がドアを開けて招き入れてくれた。
    「悪いけど、撮影がまだ終わってないんだ。15分だけ待ってくれるかい」
    「はい。あの、見学していいですか」広大が頼んだ。
    「もちろんOK。・・一応、君ら未成年だから注意しとくけど、彼女、今は何も着てないぞ」
    「結構です」
    「史代ちゃんはどうする?」
    「あ、あたしも大丈夫です。広くんと一緒に見ますっ」
    ・・
    暗幕の反対側は暖房が効いていて暖かかった。
    そこに、全裸の女性モデルががんじがらめに縛られて吊られていた。
    明るいライトの下、全身に縄を食い込ませた女体はまるで肉のかたまりのようにも見えた。
    !!
    覚悟はしていたが、過激な情景に史代は息を呑んだ。
    こんなの、中学生が見ちゃいけないよぉ~。
    あんなに足を開いて、丸見えになってるぅ・・。
    女性の顔が苦しげにゆがんでいる。痛みのためか、恥辱のためか、または快感のためか。
    でも、その彼女のそんな表情を、史代は「綺麗」と思った。
    広大は一向に気にする様子もなく女性に近づき、開脚した両足の間から野瀬の縄をチェックしていた。
    ・・
    20分後。
    「さっきは悪かったわねぇ。挨拶もできなくて」
    先ほど全裸で吊られていた女性が、ビキニの水着をつけて笑った。
    彼女は野瀬がよく使うユカという緊縛専門のモデルだった。
    「いえ、お仕事中に邪魔してすみませんでした。ユカさん」広大がすまして答えた。
    「史代ちゃんもごめんね。思春期の女の子に変なモノみせて」
    「いいえ。大丈夫、です」
    「あの、僕も一応思春期なんですが」広大がとぼけた様子で言う。
    「あんたは、もう十分オヤジよ。外観は中学生だけど」ユカはそう言ってきゃははと笑った。
    「・・さあ、そろそろ準備しようか、史代ちゃん」野瀬が言った。
    来た。何度経験しても、この瞬間の気持ちはたまらない。
    あたし、今から、縛られる。
    「はい」史代は着ていた上着とスカートを脱いだ。下にはTシャツとブルマを着ていた。
    黙って手足の筋を伸ばして軽くストレッチをする。
    それから、目をつぶって大きく深く息を吸った。
    深呼吸。覚悟のための、深呼吸。
    そして言った。「いいよ。広くん」
    ・・
    うつ伏せになったユカを野瀬が後ろ手に縛った。
    隣で、同じ姿勢の史代を広大が縛り、それを野瀬が指導する。
    野瀬がユカの両足を縛り、縄を背中に向かって引き絞る。ユカの下半身が海老のように反り返る。
    広大もそれに合わせて縛り、史代の身体も反り上がった。
    天井の滑車からフックを下ろして、ユカの背中の縄に掛けた。
    体重をかけて、滑車の反対側のロープを引くと、逆海老に反ったユカの身体がふわりと空中に浮かび上がった。
    野瀬はロープを調整してユカが1メートルくらいの高さに浮かぶようにした。
    次は広大が隣の滑車のフックを史代の縄に接続する。
    「・・何度でも点検するんだ。絶対大丈夫と確信するまで上げちゃ駄目だ」
    野瀬のアドバイスに広大が頷いて、史代の縄を調べ、何箇所かを縛り直す。
    よし。広大は縄を両手で持って構えた。野瀬がバックアップする。
    ・・松宮、頑張ってくれよ。
    全力で縄を引いた。「あぁ」史代が小さな声を上げる。
    史代の身体がしなって、ゆっくり浮上した。
    ユカと同じ高さまで史代を引き上げると、野瀬が手伝ってロープを固定した。
    「うん、上出来だ。・・史代ちゃん、痛くないかい?」
    「少し・・。でも、広くんの縄だから、平気」
    「この幸せモノぉ」ユカが吊られたままで言った。
    広大は野瀬に言われて、二人の状態を確認する。
    「それぞれの肌に触って比べるんだ」
    ユカの方が大柄でふくよかな分、肌への縄の食い込みは激しく、身体のしなりも厳しい。
    「厳しそうに見えても、筋肉と脂肪で体重を受けるから案外耐えられる」
    それに対して史代は小柄で軽いが、女性の肉体としては未成熟である。
    「骨と関節に直接力がかかり易いから注意すること」
    まず安全であること、そのために限界を見極めること。野瀬は広大に何度も強調した。
    被虐性の高い女性には、身体の限界よりも精神的な快感が勝る人がいる。
    「そういう人は怪我や後遺症の危険性が高い。・・こいつもその気がある」野瀬はユカの顎を指でつつきながら言った。
    「すみませんねぇ、ドMで」ユカが答えた。
    「も少し、辛くしようか」
    野瀬がユカの口に縄をかませ、反対側を引いて滑車のフックに接続した。
    ユカの頭は後方に反って、いっそう厳しい逆海老になった。これでもう会話することもできない。
    「これは史代ちゃんには可哀想だからやめておこう」
    広大が史代の顔を見た。史代も黙って広大を見た。
    大丈夫だよ。あたし広くんを信じてる。
    「やらせて下さい。松宮は大丈夫ですから」
    「危ないと思ったら、すぐに止めさせるぞ」
    「はい」
    広大が史代の口に縄を掛けて引いた。史代の身体がのけぞって、ユカに負けないほどの逆海老になった。
    史代は眉間にしわを寄せて耐えている。ぎゅっとつぶった目に涙が光る。
    野瀬がすぐに言った。「あと1分だけ。それで終わりだ」
    広大が自分のリュックからカメラを出して、史代を撮影した。
    それから口の縄を外して、ゆっくりと史代を床に下ろした。
    ・・
    帰りの自転車。
    史代は荷台に座って、広大にしがみついている。
    「いつも、ありがとう」広大が言った。
    「ううん、いいの」
    「これからもっと厳しい緊縛になると思うけど、いつでも止めるって言ってくれていいから」
    「平気だよ。広くんはあたしを大事に縛ってくれるし、あたしも広くんを信じてるから」
    「その・・、」
    「何?」
    「明日は駄目だけど、日曜に一緒に行こうか。松宮のスカートを買いに」
    「うん!」
    「ただ、ミニスカートは先に伸ばした方がいいかな」
    「どうして」
    「足を見て」
    自分のスカートをまくって見る。
    太股と脛に縄の跡がくっきりと刻まれていた。
    「あちゃ~」
    「腕と手首にも残ってるからね。月曜には消えるはずだけど」
    「でも嬉しいな」
    「何を」
    「だって、これ広くんの縄の跡だもん」
    「・・」
    「えへへ」
    史代は広大にしがみつく両手に力を入れた。
    「あんまり強くつかまらないで、こけるよ」
    「こけないで走って」
    「無茶言わないでよ」
    星空の下、二人を乗せた自転車はふらふらと走っていった。

    史代逆海老吊



    ~登場人物紹介~
    鴫野広大: 14才。縄師修行中の中学2年生。亡くなった父親も縄師。
    松宮史代: 14才。隣家に住む幼馴染でクラスメート。親承認で広大の緊縛モデルをしている。
    野瀬智明: 31才。プロの縄師。広大の父親の弟子で、今は広大の縄の師匠。
    ユカ: 24才。野瀬がよく使う緊縛モデル。
    北大路舞華: 19才。前話で広大が縛った女子大生。再び縛られる約束をしている。

    Act.1 で全年齢対象のドラマと書いておきながら、いきなり全裸の緊縛シーンを出してしまいました。
    実写映像にするとしたら、裸のユカさんは後ろ姿だけ見せることにして乳首や局部は映らないようにしないといけませんね。
    そこへ広大がその前に回ってしげしげと観察する演出にしたら、若い視聴者はどきどきするでしょうか。
    私のようなおじさんだと「子役のくせに役得やなあ」とか思ってしまう訳ですが。

    史代の逆海老の絵は、実際の緊縛写真を参考に描きました。
    ちょっと縄が細過ぎて、これで吊られる史代ちゃんには可哀相だったかもしれません。

    次回の中学生縄師は、上級生の女子を縛る予定です。
    ありがとうございました。

    中学生縄師 Act.1 舞華

    中学生縄師Act.11

    国道から入り込んだ空き地に自転車を置き、そこから急な坂を一気に登ってこの場所に来た。
    築堤の線路を見下ろすと、ちょうど電車が走り去って行くところだった。
    あれは天晴中央15時43分の準急。お目当ての3000系車両の特急まであと16分。
    ここは鴫野広大(しぎのこうだい)がいつも電車を撮影するポイントである。
    陽は西に傾いて、下り列車に対して順光だ。
    リュックサックを足元に置いてカメラを出した。
    立ち位置を決め、ファインダーを覗きながら周囲を見渡す。
    100メートルほど離れた雑木林の中に人影が見えた。
    ん?
    ピントを合わせると、赤い服装の若い女性が立ち木を背にもがいている。
    どうやら身動きできない様子だ。
    一瞬どうしようかと思った。
    今、女性が見える場所にいるのは広大だけだ。
    築堤を走る電車からも見えるかもしれない。よほど注意していれば。
    しかたないなぁ。
    広大はカメラをリュックに入れて、林の中に入っていった。
    ・・
    女性はおへその出たミニスカートの服を着ていた。
    口にはガムテープ、両手を背中で縛られ、更に手首の部分を立ち木に縛り付けられていた。
    「ん~、んんっ、ん!!」
    女性は広大の姿を見ると、目をいっぱいに見開いて訴えるように激しくもがいた。
    「はいはい。今、解いてあげますから」
    立ち木側のロープは解き代をつけずに結ばれていた。
    女性が暴れて引っ張ったためか、固く締まっていて結び目が緩まない。
    しばらく解こうとしたが、あきらめて背中のリュックからナイフを出した。
    ナイフを見た女性の目が見開かれる。
    「んっ、んん~!!」
    「じっとして、ロープを切るだけですから」
    暴れる女性の腕を押さえて、どうにかロープを切断した。
    それから背中で縛られた手首のロープを解いた。
    女性は両手が自由になるとすぐに自分の口のガムテープを剥がし、地面にへたり込んだ。
    「は~、どうなるのかと思った~」
    20才くらいかな。結構美人だな。
    「大丈夫ですか」
    女性は大きく息を吸ってから広大をにらみつけた。
    「あんたね、最初に口のガムテープを取るのが先でしょうが」
    「あ、そうか」
    「もう、女性を助けるときのマナーくらいわきまえなさい」
    そう言われてもなぁ。こんなシチュエーションで女性を助けたことなんかないし。
    「あの」
    「何よ」
    「何で、こんなところで縛られていたんですか?」
    「そんなこと、あんたに関係ないでしょ」
    「それはそうですけど」
    「ああ、もう、服が泥だらけ」
    広大はナイフをハンカチで拭って、リュックにしまった。
    3000系、撮りそびれたなあ。
    「じゃあ、これで」
    「待ちなさいよ」
    「へ?」
    「あんたね、動けない女性を放っておく気?」
    だって、僕には関係ないんじゃ。
    「肩を貸すとかしなさいよ。足が痛いのよ」
    ・・
    広大は必死の形相で自転車を立ち漕ぎしている。
    後ろには広大のジャンパーを羽織った女性が横座りしていた。
    丘から下りると、女性は自宅へ送れと要求したのだった。
    高級住宅街の、ひときわ広い邸宅が彼女の家だった。
    「ありがと。汗だくだね」
    女性は初めて広大に笑いかけた。
    「上がってって。今誰もいないけど、何か飲み物出すから」
    ・・
    「キミ、中学生? 名前は?」
    ジュースを出しながら女性が聞いた。
    「鴫野広大です。天晴中の2年です」
    「そう。あたしは舞華、北大路舞華よ」
    「それ、チアガールの格好ですよね」
    「チアリーディング。間違わないで」
    「はい」
    「これ、クラブのコスチュームなの。こう見えても星心女子大のチアリーディング部なのよ」
    舞華は自慢げに微笑むが、広大には何がすごいのか分からない。
    「あの、そのチアリーディング部ってすごいんですか?」
    「え~、知らないの? 全国選手権3位のウチを」
    「すみません。そういうの興味なくて」
    舞華はあちゃーという顔をする。
    「そういえばキミはどうしてあの場所にいたの? おかげで助けてもらったんだけど」
    「写真を撮りに来たんです」
    「写真って何の」
    「電車」
    「あ~、鉄オタか」
    「撮り鉄と呼んで下さい」
    「かわらないじゃない」
    「そうかな」
    二人は初めて同時に笑った。
    「あの、もう一回聞いていいですか」
    「?」
    「どうして、あんなところで縛られてたんですか」
    「あぁ、アホな男にやられちゃったの。別れよって言ったら、逆上されて」
    「ははあ」
    「大学から拉致られて、車で連れてこられて。もう、あそこであのまま死ぬのかと思ったわ」
    「いえ、多分大丈夫でしたよ」
    「へ?」
    「北大路さん、落ち着いて暴れるのを止めたら、すぐに脱出できましたよ。あの縛り方だったら」
    「どういう意味よ」
    「両手を出して下さい」
    「?」
    「これはさっきのロープの切れ端です」
    揃えて差し出された舞華の両手にロープを数回巻いて、縛った。
    「あのときは後ろ手だったけど、こんな縛りでした。・・抜けてみて下さい」
    舞華は黙って両手をこじる。
    何度か動かしているうちに、ロープがするりと抜けた。
    「あら」
    「ね。ぐるぐる巻いただけだったら、簡単に外れるんです」
    「へぇ~」
    「もう一回手を出して下さい。今度は・・」
    同じロープを舞華の両手に数回巻いて、それから手首の間に割って入るようにロープを巻いて縛った。
    「脱出できますか?」
    舞華は再び両手を動かす。しばらくもがいて諦めた。
    「無理だわ」
    「これ、割り縄っていいます。こういう縛り方をされてしまったら簡単には抜けません」
    広大はそう言って舞華の両手の縄を解いた。
    「すごい・・」
    「相手の人が素人でよかったですね」
    「あの、キミ、広大くんだっけ、何でそんなこと知ってるの?」
    「いや、まあ、ちょっとロープワークの勉強とかしてまして」
    「へぇ~」
    舞華はちょっと悪戯ぽく笑って、両手を後ろに回すポーズをとった。
    「ねえ、今度は背中で縛ってよ。足も縛ってくれたら嬉しいかな」
    「え」
    「こういうの、嫌いじゃないのよね。あなたアイツよりずっと上手だもん」
    「あの、僕、そういうつもりでは」
    「ちょっとだけ、お願いっ。ね?」
    ふう。
    「じゃあ、いいんですね」
    広大は自分のリュックを開き、麻縄の束を取り出した。
    「そんなビニールロープじゃあ、肌がみみず腫れになりますから」
    「何でそんな縄持ってるの、キミ」
    ・・
    舞華が応接間のカーペットに転がされて喘いでいた。
    チアの衣装の上から絡み付いた縄が彼女の自由を奪っている。
    「こ、広大くん。はぁ、はぁ。・・あなた、本当に、中学生?」
    「大人の女の人に菱縄って、あんまり慣れてないんだけど、これで大丈夫かな」
    広大は舞華の脇腹の縄に指をかけて、くいと引いた。
    股間に割り込んだ縄が締まって、舞華の声が高くなる。
    「ちょ、ま、待って。あん! ・・あぁ~っっ」
    ・・
    縄を解かれた舞華がソファにもたれて弛緩している。
    「すごかったぁ・・」
    「すみません。ちょっと勢いにまかせてやりすぎちゃいました」
    舞華はしばらく深呼吸してから、広大に向き直った。
    「ねえ、あなた、いったい何者なの」
    「いや、まあ、何というか、父親が縄師をやってまして」
    「へ、縄師って、あのSMとかで女の子を縛る人?」
    「はい。それでいろいろと技術を教わって」
    「びっくりだわ。今度、お父さんに合わせてよ」
    「もう生きてないんです。一昨年、病気で」
    「あら、ごめんなさい」
    「いえ」
    「じゃあ、広大くんは、お父さんみたいに縄師になりたいの?」
    「はい。もっと縛りの勉強をして、できたら」
    「そう。・・えへへ」
    舞華はにやっと笑って、広大の膝の上にずずっと寄って来た。
    「うわ」
    思わず身を引きかける広大。
    「ねね、これからもお姉さんとお付き合いしない?」
    「え、北大路さんと?」
    「舞華って呼んでよ。広大くんがやりたいときでいいの。あたしを縛ってちょうだい」
    「いいんですか?」
    「縛らせてくれる女の子はいるの?」
    「まあ、幼馴染というか、そういう友達が・・」
    「その子も中学生なの?」
    「はい」
    「今どきの中学生はすごいわねぇ。・・でも、中学生の身体だと物足りないじゃないの?」
    「それはそうなんです。特に胸とか腰がないと難しい縛り方もあるんで」
    「なら、決まり! あたしだったら、ほら、おっぱいもお尻も十分でしょ。大人の女を縛る練習ができるわよ」
    「はい。それなら」
    「あ・り・が・と♥」
    「念のために言っときますけど」
    「はい?」
    「一応、中学生なんで裸はナシですよ。それからその、えっちなこともしませんから」
    「そりゃそうね。わかったわ」
    ちょっと残念という顔で舞華が答えた。
    ・・
    舞華は玄関で広大にメモを渡した。
    「はい、あたしのケータイの番号とメアド」
    「僕は携帯電話は持ってません」
    「え、じゃあ、お家の番号を教えてよ」
    「僕から電話しますから」
    こんなお姉さんに電話されてきたら母さんに何を言われるか。
    「そうなの? ・・じゃあ、絶対に電話ちょうだいね!」
    「はい。さようなら。ジュースごちそう様でした」
    「うん、バイバイ」
    自転車に乗って走って行く広大を見送る舞華。
    あれで中2だなんて今だに信じられないよ。
    あんなに上手に縛ってくれる男の子は他にいないわ。
    次はもっと恥ずかしい格好で縛ってもらおうかしら。大きく足を開いたりして、きゃあ♥
    それにしても、これだけいい女が縛ってって頼んでるのに、乗り気じゃなかったわねぇ。
    このまま待ってても、電話はくれないだろうな。
    まあ、いいわ。天晴中の2年生よね。
    この舞華さんがきっとゲットして、縄奴隷になってやるわ。ほほほ。
    サドだかマゾだかわからない妄想にふける舞華であった。

    舞華菱縄



    ~登場人物紹介~
    鴫野広大: 14才。縄師だった父親から技術を伝授された中学2年生。鉄道マニア。
    北大路舞華: 19才。星心女子大学2回生。チアリーディング部。

    『中学生日記』のような雰囲気で着衣緊縛ドラマ。
    それが最初に浮かんだイメージでした。
    そんなドラマが実写で、毎週TV放映されていたらどうでしょうか。
    登場人物と同じ実年齢の俳優・女優が演じるドラマ。
    猥雑な表現は避け、あくまで全年齢対象のドラマ。
    とはいえ緊縛シーンは手を抜かずに、相手役女優は吹き替え無しでたとえ中学生でもきっちり縛られる。(これ重要)

    冒頭のイラストは、そんな前提でドラマのポスターをイメージして描きました。
    一緒に載せる何かいいキャッチコピーはないですかね。

    本シリーズは、主人公の少年にいろいろな女性が絡んで必ず縛られる、という形式で進めていこうと思います。
    この先どうなっていくのか作者の私にもわかりませんが、楽しんでいただければ幸いです。




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